怒った話
どうも。
唐津のみっちゃんです。
私ね、基本的にはあまり怒らない、穏やかな人間だと思ってるんだけど、過去には何度か激しく怒ったことがあるんです。
大人になってから、夫婦喧嘩以外で怒ったこと。
その時の一件を、時々、思い出します。
それはね、もう20年以上も昔、とある老健で作業療法士として働いていたときのことでした。
お風呂嫌いなばぁちゃんがいてねー。
めーんない、ちどりの〜♫って歌を声高らかに歌う人で、私はその人大好きだったんだけど、まぁ、介護されるの嫌いなんですよ。
自分で歩けるし、ご飯だって自分で食べる。
風呂にだって、入れるから(本人は毎日入ってるつもり)、誘われることに対して激しく抵抗していたわけです。
あの手この手で、風呂に入ってもらおうと介護スタッフは頑張るんだけど、なかなか入ってくれない。
で、汚れ死にはしないと思っても、どうしても風呂に入れたい!と言うスタッフが出てくるんです。
(私は、リハビリ専門職なので直接風呂介助に入る事はなかったので、見守っていました)
そしたらね。
ある日!
事件が起きたんです。
今でも、はっきりとあの光景を覚えています。
その光景。
ばぁちゃんを数人がかりで、お神輿担ぎでお風呂に連れて来たんです!
もう、地獄絵図でしたね。
その数人が鬼にみえた。
もちろん、ばぁちゃんは大騒ぎの、大暴れ。
でも、担いでる数人は笑いながらやって来るわけです。
悪びれた様子もなく、してやったり~!の顔!
そして、その、担いでいた中に、まさかの姿が!
その事件を起こした張本人は、なんと施設の事務長!
おいっ!!!!
びっくりするやら、目が点になるやら、呆れるやら。
もう、怒りです、怒り。
この施設、終わりだな、と思いましたが、若くて血の気多かった私は、事務室に怒鳴り込みに行きました。
当時、まだ20代のペーペーOTの私。
事務長は、もちろん年上の上司。
でも、許せなかった。
怒りマックスで、何かがプチっと切れて、事務室にズンズンとデカイ足音をさせて入って行きました。
1人で。
事務長!!
何考えてるんですか?!!
なんなんですか、さっきのは!!!
人を何だと思ってるんだ!!!
怒鳴ってましたねー。
若かったし、熱かった。
でも、その時の事務長から帰って来た言葉は覚えていません。
私が男だったら殴ってたかも、と思います。
それから、リハビリとか機能訓練とかやってる場合じゃない。
風呂入って、一緒に活動して、もっと生活場面に行かなきゃ!って思うようになりました。
こんな奴がトップとかあり得ん!ってね。
でも、事務長、悪人ではなかったんですよね。
なんと言うか、気が弱そうなサラリーマンって感じ?
介護を知らずに、介護施設のトップをやっていたような。
流されて、やっちゃったって感じだったのかもしれないです。
施設のトップが、介護を知らないって事、たまにあるけど、、ダメですよね。
「百聞は一見にしかず」だけじゃなく「百見は一体験に如かず」だと思います。
でも、この事件をきっかけに、この後、みんなに楽しい介護をしてもらうには、どうするか、、、何から始めるか・・・って地道な活動が始まったわけです。
機能訓練なんてクソくらえ。
生活場面にこそ、リハビリが必要なんじゃい。
人間、心がないと体も動かないんだよ。
そうして、老健にして、風呂リハと題しての温泉ツアーだとか、ばあちゃんの行きたいところに行こうぜ!のお出かけとか、カラオケボックス貸し切りとか、忘年会じゃ新年会じゃって、今までその施設になかった活動を、みんなでどんどんやるようになっていきました。
かくして私、作業療法士とは呼ばれず
じじばばの遊ばせ屋
と呼ばれるようになりました(笑)
事務長は、少なからず私に現場に入るいいきっかけをくれたと思えばプラスだったかもね。
取り止めがなくなって来たので、この辺で終わります。
ではでは。
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