4歳が教えてくれた、気軽なスキの始め方
我が家の4歳の長男は、控えめに言って、賢いです。
いきなり何言っちゃってんの?と思った貴方へ。
安心してください、わたしもそう思います。
「親バカなんだけど〜」の枕詞はもう要らない!とアメリカ人の英会話の先生から学んだものの、
(その時のnoteはこちらです↓)
謙虚さを美徳とするこの文化の中では、この枕詞によって不要な面倒(・騒音)を避けられることが多いのもまた事実なのです。
さて、タイトルに戻ります。
4歳の長男が教えてくれた、気軽なスキの始め方。
そう、これです。
このnoteを要約すると、
「図鑑に夢中な長男から、自分の趣味が無い・浅いという悩みは思い込みによるもので、気軽にスキと言えばいいし深さは楽しんだ結果得られるものだと気付かされた話」(75字)
です。
うーん。
次回は50字以内を目指します、
明日から頑張る。笑
要約を読んだうえで読み進めてくださる奇特な方、
もしくは下手な要約を読んでもよくわからないしまぁ読んでやるかと思ったこれまた奇特な方、
以下、本文でございます。感謝!
長男は図鑑が大好き。
それはもう、大好き。
気軽なスキなんか飛び越えて、それはもう愛の領域です。
眠る前の絵本タイムも図鑑。
「恐竜の夢をみたいから今日は恐竜の図鑑ー!」
(わたしは虫の図鑑のせいで虫、というかナウシカの腐海の蟲たちのようなおどろおどろしいやつに襲われる悪夢に見舞われました。)
誰かの家に遊びに行く時も図鑑。しかも複数冊。
このときは、おおばぁばのおうちにお泊まりしたとき。
相当時間ネゴした結果、4冊。
(交渉力で4歳にもっていかれるわたし、もっと頑張れ)
図鑑って、携帯されることを考えてつくられていないと思うんです。重いし。大きいし。
なのに、飛行機に乗って帰省するときも、重量も容量も気になるキャリーケースに鎮座。
恐竜・動物に始まり、最近は植物・水の生物(タコやイカや深海生物)の図鑑も熱心に読み込む彼。
夢中になって読む姿が眩しくて、
覚えたてのイキモノの生態を鼻の穴を膨らませながら語る姿が愛おしくて。
親として、
帯を飾る芦田愛菜ちゃんにまで特別な愛着を感じてしまいます。
https://www.shogakukan.co.jp/pr/neo/
ひらがなカタカナが読めるようになった今でこそ
長男一人で黙々と読んでいますが、
彼が2歳のときに買った恐竜の図鑑は、全てわたしかオットくんの声が頼りでした。
エピデクシクテリクスとか、エウストレプトスポンディルスとか、
舌を噛みそうな名前でも、覚える。
見つかった国の名前も、それがどこにあるどんな国なのか知らなくても、とりあえず覚える。
大きさも、ティラノサウルスが12.5メートルなのを忘れるなんてママどうかしてるよ!?の勢いで、覚える。
かっこいいから。強いから。おもしろいから。
スキだから。
2015年に50センチで生まれてやっと2倍の大きさになった彼が、
6500万年前の20メートルを超す恐竜に魅了されている。
かと思えば、
急に植物の図鑑に乗り換え、
おおばぁばの庭に咲いている花がヤブカンゾウであることを自力で調べあげ、
アクが少ないからマヨネーズ和えにすると美味いという情報を得てみんなで食したりする。
※これはおおばぁばが以前にヤブカンゾウの種を買って植えたものであり、100%の確証があった為食しました。セリとドクゼリ、ネギとスイセンの葉等、見た目がよく似ていて一方に猛毒があるものも多い為、野山などで山菜採りをする際は十分にご注意ください。(我が家はプロの力を借りないと山菜採りはできそうにありません。)
そんな彼を間近でみていると、
ここ数年意識のどこかに棲みついていた、
シシ神の首を探すあのドロドロのようなものが溶けていく感じがするんです。
ここ数年のわたしはというと。
アメトークの芸人さんたちをみているとき、
仕事がめちゃめちゃできる憧れの人の意外な教養を感じたとき、
学生時代からの友人が文字通り趣味を極めて新しい一歩を踏み出そうとしているとき。
彼彼女らの世界の広さと深さに、
比べる必要なんてないのに、
比べられるものでもないのに、
つい自分の世界がちっぽけでつまらないもののように感じてしまっていました。
わたしなりに考えてみると、要因はおそらくこのふたらつ。
ひとつ目は、
社会人になってから、特に子供を授かってから、
自分の時間を持てなくなったことで、
これまで気軽にスキ!と親しんでいたものと物理的に距離ができたこと。
ふたつ目は、
特に三十路を超えて、いい歳になってきたという実感から、
アメトークの芸人さんたちのように語り尽くせる深みがないと
スキ!と言ってはいけないような気がしてしまったこと。
小学生のときに無邪気に言えた「趣味は読書」が、
大人になると、質も量も自信がなくて、
ハルキストと呼ばれる人たちや又吉さんのように小説書いてみました芥川賞とれましたな人を勝手に脳内に呼び出して、
「口が裂けても言えない」とジャッジしてしまう。
中学生のときに無邪気に言えた「ジャズがスキ!」も、
アレクサがランダム再生する曲たちのタイトルも演奏者も浮かばないことで、
「もうスキではない」とジャッジしてしまう。
そんなことを繰り返すうちに、趣味が何なのか、何がスキなのか、わからなくなってしまいました。
趣味が無い・浅いのが悩み。
なんだか、すごく味気ない人生を送っているようで、
でも同時に贅沢なこと言ってるようで、人に言いづらい悩み。
でも、4歳の長男は違う。
恐竜がスキ、危険生物がスキ、お花がスキ、サッカーがスキ、ウルトラマンがスキ…
ウルトラマンにいたっては、それ関連の創作物は我が家にはひとつも存在していませんが、
保育園に一冊だけある、おそらく我々世代からの寄付と思われる古い絵本を読んでみて感じた、スキ。
「○○ちゃんは、なにがすき?」
と聞かれて答えるのは、
図鑑を読み込み、誕生日もクリスマスも前々からこれが欲しいと予約する恐竜だったり、
たった一回、小児科の待ち時間の絵本で出会ったキラメイジャーだったり。
彼にとっては、どちらも、とってもピュアな、スキなのです。
どれだけ知識があって語れるかなんて、これっぽっちも気にしない。
その時感じた面白い!かっこいい!を素直に受け止める彼の姿勢に、
自分の中のドロドロがパーッと綺麗な霧に昇華するような、
シシ神の森が穏やかな森に再生したときの久石譲氏の音楽が聴こえるような、
なんだかとても明るい気持ちになりました。
もっと気軽にスキと言えばいいんだ。
わたしだって、
恐竜がスキ。
見つけた植物を調べるのがスキ。
文章を書くことがスキ。
サックスを吹くのがスキ。
英会話がスキ。
あっ海外ドラマ、スキだった!
知識が浅いとか、経験があまりないとか関係なく並べてみたら、
スキ!と思うことがたくさんあることに気が付きました。
それに、
長男と図鑑を読んでいると、
わたしも無意識にまだ読んでいないコラムを探したりしていて、
親指一本分くらい、恐竜や危険生物に詳しくなれた気がします。笑
知ろう、深めようと思えば、今からでも遅くないし、
知識量やその深さは楽しい面白いと追い求めた結果でしかない
学ぶのに遅すぎることはない、とあまりに見聞きしすぎてそのありがたみを流してしまっていた言葉を改めて実感しました。
気軽にスキと言えばいい。
そして、
今からでも、何だって深められるし、
深さは楽しく追い求めた結果。
浅いと気にしていた自分は、楽しんだ結果ついてくるはずの深さを目的にしていたんですね。
アメトークは相変わらずスキです。
ああの人たち、すごい。
でも、これからはよりピュアな気持ちで楽しめそうです。
わたしはわたしの、スキなものがたくさんある。
気付かせてくれた長男と、
今日はいつもよりちょっとリッチなアイスを食べました。
ここまで読んでくださったあなたにも
ひんやりちょっと良いことありますように♪
むー