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2020年だからこそ出会えた。私の買ってよかったもの
出会いは2020年5月。緊急事態宣言が解除された頃である。
仕事は在宅組と出社組に分かれ、シフト制で回すことになった。今日は解除後初の出社日だ。
朝7時代にも関わらず始発電車かのような、がらんとした電車に揺られ会社へ向かう。
会社に到着し、自席へ向かう前にお手洗いを済ませ、石鹸で念入りに手を洗う。
洗い終わったその時、いつも使っているあるものが使えなくなっていることに気づく。
ブオーンが使えない・・・?
そう、ハンドドライヤーである。
ハンドドライヤーは上から手を差し込むと風が吹き出し乾燥させてくれるものであるが、その風で菌を撒き散らす恐れがあるため使用を中止しているとのことだった。
私はこれに頼りきっていた。社内にいる時はまったくといっていいほどタオルハンカチを使っていなかったのだ。
社内ではエレベーターのボタンやドアノブ、共有PCに触ることも多い。以前より手を清潔にしようという意識が高くなったことで、手を洗う頻度も多くなっていた。
その度にタオルハンカチを持っていっては手を洗い、拭く。手を洗い、拭く。手を洗い、拭く・・・
それを繰り返すうちにタオルハンカチはびしょびしょである。びしょびしょどころか、びっちょびっちょである。
そのびっちょびっちょのハンカチでまた手を拭く。手を拭いたびっちょびっちょのハンカチを鞄の中に入れる。手を拭いたびっちょびっちょのハンカチが入った鞄を持ち歩く。
いやである。
感染防止対策によりハンドドライヤーの使用を中止したことで、思わぬ弊害が生じていたのだ。綺麗にしているはずがなんだか回り回って不衛生なのでは?と思いながらも、なんとなく日々を過ごしていた。
ある日、ふらっと立ち寄ったGEORGE'Sという雑貨屋であるものに出会った。
それが、MOKUのハンカチーフである。
洋服の一部のように並べられたそれは、店内のあたたかい雰囲気とマッチしており、第一印象はハンカチというよりお洒落な手ぬぐいといった感じだ。
手に取ってみると、通常のものより一回り小さく手のひらに収まるサイズ。手触りでとにかく薄いのを感じ、乾きやすそうなのは明らか。これはいいかも。
ビビッとくる出会いかと言われたら、そうではなかった。しかし、今まで出会ったタオルハンカチ以上の「何か」を感じたのだ。
MOKUのハンカチを迎え入れ、出勤日に早速試してみた。手を拭いた後は少し湿った程度。その後も何度か使用したものの濡れているという感覚はなく、次使う時にはほぼ乾いている。鞄に入れても気にならない。
この時初めてその「何か」に気が付いた。
コンパクトに持ち歩け、かつ水分を吸収してくれるというタオルハンカチの役割以上に、
何度も何度も使うことを考えて作られたものである
ということに。
その時、私は心の中でMOKUに小さくこう言った。
「ローズを受け取っていただけますか?」
真実の愛は見つけようとして見つけられるものではないのかもしれない。既に近くに存在していて、ちょっとした出来事がきっかけでチラッと姿を現した時、それを真実の愛だと思えるか。ある種の「勘違い」なのではないか。そうバチェロレッテに伝えたくもなった。
真実の愛を見つけたむく山は、ようやく旅を終えたのである。
(完)
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この記事を書くにあたり、MOKUのハンカチーフについて少し調べてみた。
MOKUとは、コンテックス株式会社が製造・販売しているタオルカテゴリのうちの一つで、旅行やスポーツ、ジムなど日常の様々なシーンでの使いやすさを追求したこれまでにない機能的なタオルであり、それが「MOKUシリーズ」だそうだ。
「手ぬぐい以上タオル未満」の絶妙な使い勝手の良さがじわじわと人気を呼び、いつのまにか2020年のベストセラーになっていたという。
特に私が感じたのは、なんといっても薄さ。通常のタオルハンカチと比べると、
【通常のタオルハンカチ】
【MOKUのハンカチ】
なんと透けている。これで吸水性もあるのだから驚きである。
もう少し調べると、表はガーゼ地で裏はタオル地であることが分かった。裏のタオル地が吸った水分を保持してくれる。これが吸水性の秘密であった。また表がガーゼ地だから手ぬぐいのように感じたのかと、その点でも納得した。
さらにカラーバリエーションは21色もあるので、迷う楽しさも存分に味わえる。私は3色購入し、その日の気分で色を変えている。
そしてこの「MOKUシリーズ」はハンカチーフだけでなく、M(スポーツタオルサイズ)やL(バスタオルサイズ)もあり、実はサウナーやキャンパーに重宝されているとのこと。これを機にMOKUを持ってサウナに挑戦してみるのもありかもな。あぁ、Mサイズも欲しくなってきた。
最後にお値段。なんとこのハンカチーフ、
440円(税込)です。
安い。安すぎる。コンテックスさん、大丈夫でしょうか?
Mサイズも880円(税込)とかなりのお手頃価格。家にあるタオルの選抜選手総入れ替えの予感しかしません。
タオルというのは常に側にいて当たり前のようにそこにある。けれども、なくなったらきっと少し、不便だ。
これからもしばらくはタオルハンカチと密に付き合っていくことになるだろう。
このご時世だからこそ出会えたMOKUのハンカチーフ。
これが私の、2020年買ってよかったもの。