フロ読 vol.31 A・ビアス 『悪魔の辞典』 角川文庫
パロディはできるだけ真面目なものを茶化すのが面白い。中でも辞書はからかいがいとしては最大のものだろう。
本書のタイトルは、読者に過剰な期待を持たしめるものではあるが、読みだしてすぐにぶつかるのが文化の壁。英語圏はもちろんのこと、キリスト教圏で生活していないと分からないことが多い。引用してある詩の大半には“?”がつくし、パロディは、生活上の実感から離れてしまえば、すぐに成立しなくなるものなのだ。
それを承知の上で、敢えてピンと来るものを拾ってみると…
なるほど、なるほど…
これはひどい(笑)
この手のものは原書を英語で読むしかあるまい。
楽しく語彙を増やしていけるのが辞書のあるべき姿。本質は却ってパロディが浮上させてくれるもの。受験勉強などには間に合うまいが、期限もなく語学を楽しむ人にはオススメの一冊。
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