むいのはなし 第4話「置かれた環境と調和する」って?| mui Labのデザイン入門対話
こんにちは、mui Labインターン生のyukinoです。大学では経営学部でマーケティングなどを勉強していて、muiのInstagramを担当しています。
本連載「むいのはなし」では、mui Lab共同創業者/クリエイティブディレクターの 🌳 hirobe と、デザインのことをもっと知りたいインターン生 ❄️ yukino の2人が、「muiらしいデザイン」について対話形式で考えていきます。
シーズン1として、mui Labが掲げる6つの「Design Principle(デザイン・プリンシプル)」について、全6回にわたりhirobeさんとのお話しのなかで聞いていきます。
今回は「置かれた環境と調和する」について。
▼前回のお話はこちら。
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🌳 hirobe
mui Labの共同創業者兼クリエイティブディレクター。パンが好き。
❄️ yukino
mui Labのインターン生。大学では経営学を専攻。mui LabのInstagramも担当しています。
🧭 mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)
穏やかな幸せをもたらすもの
必要最小限である
主張せず控えめである
置かれた環境と調和する
溶け込み馴染むもの
自然の理に従ったデザイン・アプローチ
・・・
調和が生み出す、心地よい空間
❄️ yukino
今日のテーマは、mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)の4つ目「置かれた環境と調和する」です。まずは、この指針に込めた想いを教えてください。
🌳 hirobe
「置かれた環境と調和する」というのは、「もの」と「空間」の関係性についてを表しています。
私たちは、ものが空間と「調和していること」が良いと考えています。
「ものだけ」「空間だけ」ではなく「ものと空間の両方」で成り立つ心地よい状態を指していて、そんな環境をつくることで、私たちの生活空間も心地よくなっていくんじゃないかなと思ってます。
❄️ yukino
「調和」とは具体的にどんなものでしょうか?
🌳 hirobe
ここでは、人が「心地よい」と感じられたり、「リラックスできる」ということをイメージしています。
第1回「穏やかな幸せをもたらすもの」では、「穏やかな時間」が楽しみをもたらすと言いました。そんな時間を作り出すためには、周りの環境や空間が調和してるということも大切だと思っています。
記憶をためる、「家具の在り方」を理想とするmuiボード
❄️ yukino
一般的な家庭の空間に存在している「もの」には、家具や家電、雑貨などいろいろあると思いますが、muiボードが理想とする空間への溶け込み方に近しいものは何ですか?
ちなみに、私は「アナログ時計」じゃないかなと思いました。アナログって言葉が付いていますが、結構テクニカルだと思うんですよ。その技術の高さとインテリアとして暮らしに馴染んでいる感じが近しいというか、そんなふうになることが理想なのかなと思いました。壁にかけるという共通点もあります。
🌳 hirobe
ちなみに、どんなアナログ時計を考えてますか?
❄️ yukino
私が考えたのは、いわゆるノーマルでベーシック型のアナログ時計ですね。muiボードの雰囲気と近しいものを考えてたので、丸くて、白くて、シンプルで、特に目立たないような・・・でも、人によって選ぶものは違いますね。個性的なものが好きな人もいますし。
🌳 hirobe
壁かけ時計も、時間を知らせるということに対して形やデザインがたくさんあるということは、それだけ人の好みや印象の違いが大きいのでしょうね。
部屋に時計がないと時間がわからないですし、人にとって重要度が高いですね。
❄️ yukino
家の時計が壊れて、家から時計が消えたことがあったんですけど、ついつい時計があった場所を見ちゃう、ということがありました。
🌳 hirobe
見る癖がついているものがなくなるのは、少し寂しいですね。
私はmuiボードは「家具」のようになれる良いなと思ってます。家に長く置かれていて、人と空間のあいだにあるものとして、家具というのはとても重要なものです。
小さいころ、テーブルの傷や椅子にシールを貼ってしまった跡が残っていたりしませんか? 家族の中での使われ方が、「記憶としてためられていく」ことが家具の良さでもあります。
muiボードはデジタル機器なので、記録することは得意ですが、記憶に残るような日常的に繰り返される体験を提供できればと思っているので、このような家具との付き合い方はとても参考になるものだと思いますね。
❄️ yukino
そうですね。話を聞いていて、人との調和という要素が大きいのかなって思いました。
🌳 hirobe
ちなみにどういうところが・・・?
❄️ yukino
例えば、私が例に出した時計は空間には調和してますが、見るものであり、触るものではないですよね。でも、家具は触って質感がわかるものなので、muiボードもそうですが、触れるというところをhirobeさんは大切にしてるのかなと思いました。
🌳 hirobe
なるほど。意識して触覚を感じると、人の記憶にも大きく影響しますもんね。
❄️ yukino
触れることで安心感をも感じられます。
🌳 hirobe
そうですね。心をつくるベースみたいなとこですかね。
通知への反射ではなく、自分で「気づき」「考える」ことの大切さ
❄️ yukino
muiボードが生活において当たり前のものになったとします。現代においてスマートフォンなどの注意を引く度合いが大きなデバイスが、どうなってほしいのか教えてください。
具体的には、muiボードは環境とは調和しているけど、スマートフォンに気を取られている、みたいなことに対して、どうしていきたいですか。
🌳 hirobe
使い方をうまく分けられると良いですね。
スマートフォンのようなデバイスとmuiボードは情報の受け渡し方に違いがあります。
スマートフォンでは、誰かが何かを発信すると、強いシグナル・信号が出て、人はほぼ反射的に反応してしまいます。これは時にびっくりするぐらいの鋭さになります。
❄️ yukino
例えば、どんなときですか?
🌳 hirobe
例えば友人と外食をしているときに、メッセージアプリで家族から「帰りにパン買ってきて」と頼まれたとします。こういうとき、今返事しなくてもいいはずのことでも、頼み事をした方は「すぐに答えを返してほしい」と思っていたりしますよね。電話なら出られなければ、「今は会話できない」で済みますが、メッセージは今すぐでも見れるので、相手が見てくれるんじゃないかと期待してしまって、すぐ返事が欲しくなって、ヤキモキしたりする。
本当は、もう少し遅い伝達の方法で、帰りまでに気づいてもらって、帰り道でうまく買えるのが理想だと思います。本人が気づくことが一番なのですが。パン屋さんの前とかで「そういや明日はパンかな?」とか。
色んな状況があると思うのですが、その気づきをどのようにうまく作れるかがヒントなのではと思います。
❄️ yukino
いつでも素早く繋がれることによって生まれる心配ごとや、考えごとも増えましたよね。
🌳 hirobe
そうですね。
「考える時間」が少なくなっている時代かな、とも感じるので、そういった時間をずっと大切にしていきたいですね。
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次回、第5話「《溶け込み馴染むもの》って?」につづく。
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Instagram https://www.instagram.com/muilab/
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