むいのはなし 第1話「穏やかな幸せをもたらすもの」って? | mui Labのデザイン入門対話
こんにちは、mui Labインターン生のyukinoです。大学では経営学部でマーケティングなどを勉強していて、muiのInstagramを担当しています。
本連載「むいのはなし」では、mui Lab共同創業者/クリエイティブディレクターの 🌳 hirobe と、デザインのことをもっと知りたいインターン生 ❄️ yukino の2人が、「muiらしいデザイン」について対話形式で考えていきます。
シーズン1として、mui Labが掲げる6つの「Design Principle(デザイン・プリンシプル)」について、全6回にわたりhirobeさんとのお話しのなかで聞いていきます。
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🌳 hirobe
mui Labの共同創業者兼クリエイティブディレクター。パンが好き。
❄️ yukino
mui Labのインターン生。大学では経営学を専攻。mui LabのInstagramも担当しています。
🧭 mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)
1. 穏やかな幸せをもたらすもの
2. 必要最小限である
3. 主張せず控えめである
4. 置かれた環境と調和する
5. 溶け込み馴染むもの
6. 自然の理に従ったデザイン・アプローチ
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「穏やかな幸せをもたらすもの」ってなんですか?
❄️ yukino
mui Labの6つのDesign Principle(デザイン・プリンシプル)のうち、一番最初に挙げられているのが「穏やかな幸せをもたらすもの」ですね。まずは、どういう想いでこの言葉をmui Labのデザインの指針にしたのかをお聞きしたいです。
🌳 hirobe
実は、Design Principleは最初英語で作っていて。「穏やかな幸せをもたらすもの」は「Inspiring Calm Moments」という言葉を日本語に訳したものです。
「Calm Moments」は「穏やかな時間」― Calmが「穏やか」、MomentではなくMomentsと複数形にすることによって、一瞬の瞬間ではなくて、「連続した時間の流れ」という意味を込めました。
「穏やかな時間」の感じ方は人それぞれかもしれませんが、例えば「心地よい」「その場にずっといたいな」と感じている時間だとします。
この時間から何かをインスパイアーされる、つまり「新しい気づきを得る」みたいな・・・。本当は「気づく」ということが大事なんだけど、心休まる穏やかな時間があるからこそ、新しく気づくことができる。
❄️ yukino
うーん。なるほど。
🌳 hirobe
穏やかな時間があることで、何か新しいことを始めようとか、ぼーっと考えようとか、何か好きなことしようと思えて、そのことで新しい発見とか、新しい気づき、インスパイアーされるものがあると考えています。muiのデザインは、そんな新しい気づきにつながるような、穏やかな幸せ、穏やかな時間をもたらす、ということを目指しています。
「穏やかな幸せ」って、「幸せ」とどう違うんですか?
❄️ yukino
穏やかな幸せ。例えば休みの日に家でのんびりしたりっていうのを真っ先に思い浮かべました。でも、結婚式やお祭りみたいなハレの日の賑やかな感じは「幸せ」ではあっても、「穏やかな幸せ」ではないんですかね?
🌳 hirobe
結婚式ね。賑やかな感じだったり、ウルッとくるスピーチだったり、なんかね、ああいうときに僕、どんだけ周りが騒いでても「無音」みたいになるのよね。1人の世界に入りすぎて。
❄️ yukino
ほぇ~・・・!
🌳 hirobe
幸せムードが充満してる感じが、僕にとっては「めっちゃ穏やかやな〜」みたいな。
だって怒ってる人いないよね。泣いている人も喜びの涙だし、大事な人のことをみんな注目してるし、めちゃくちゃ平和で穏やかやなと思ってたりします。
お祭りとかも、非日常でワイワイしてるけど、それを多分僕はビジュアル的に見てるんだと思うんよね。みんなの様子を眺めてると、聞こえる音がちょっとずつ減ってって、情景が印象的に映る瞬間があって。
日常もハレの日も関係なくそんなことがあるので、そういう「幸せの形」に「穏やか」っていうキーワードをつけてるのかな。その印象的な瞬間瞬間のことを、サービスでも意識したいな、と。
❄️ yukino
なるほど。日常にも非日常にもあるような瞬間だけれど、穏やかであることが重要。
🌳 hirobe
そうやね。Design Principleはもともと、mui Labのメンバーが増えてきたときに、みんなの拠り所になるようなものを作れたらなと思って考えたんです。「幸せ」だけだと一人ひとりとらえ方が異なるのを、「穏やか」という言葉を添えることで少しだけ方向づけるというか。
「穏やかな幸せ」もいま話してるようにyukinoさんと僕ではちょっと感じ方も違ったりするんだけど、それはそんなもんかなと。
❄️ yukino
そうですね。それぞれだけど、でもちょっと示す範囲が狭まる感じがしますね。
hirobeさんにとっての「穏やかな幸せ」、もっと聞きたいです!
❄️ yukino
hirobeさんにとっての「穏やかな幸せ」、他には具体的にどんなものがありますか?
🌳 hirobe
だいぶ昔の話になるんだけど、muiを創業するよりも全然前の出来事を、すごくはっきりと覚えてて。
休みの日で、多分土曜日なんよね。夜遊びをよくしてたので、金曜日は夜遅くまで遊んでて、土曜日午前中に寝て、昼ぐらいに起きて、掃除して、ソファーに座って。ハートランドっていう瓶入りのビールがあるんだけど、あれをソファーで飲んで。マンションだったけど、1階で外は庭みたいになってて、ベランダの窓が開いてて、そこに明るく光が入ってて、風も入ってて、ビールうまいなーって。
「めっちゃもう最高、心地いいな、この感じめっちゃいいな」みたいな。
これを忘れないでおこうと思って、いまでもよく思い出しています。「これよりいいことってできるのかな」「これみたいなサービスってできるのかな」って。こんな明確な記憶があって、ものやサービスを作るときも、そんな体験と照らし合わせながら近づけていくイメージです。
❄️ yukino
へ〜! ちなみに、お休みの日にソファーでビール、今でもよくやるんですか? もうやりませんか?
🌳 hirobe
いま子供いるでしょう。すると運転せなあかんのでね。明るいうちにビールを飲むっていうのがすごい減ってます。なかなかできないかな、今は。
❄️ yukino
では、私が代わりにします!(笑)
「穏やかな時間」ってどこにでもありそうだけど、なかなか作れないから
❄️ yukino
Design Principleの一番最初の言葉を「穏やかな幸せをもたらすもの」にしたのには理由はありますか?
🌳 hirobe
そうやね。あとに続く5つも全部大事だし、関連はしてると思うんだけど、なにか1つだけ大事なものを挙げてくださいって言われると、僕はこれ。
「Inspiring Calm Moments - 穏やかな幸せをもたらすもの」ー この穏やかな時間を作るために、そのほかの指針があるっていう感じかな。
「穏やかな時間」ってどこにでもありそうだけど、なかなか作れるものではない、それを作る、っていうのはやっぱり大事かなと。
でも、ほかの5つもこれに結びつくものだと思うので、6つのうちでどれが一番大事と考えるかは人それぞれでいいかなと思ってます。
「muiとの戯れ」ってどういうことですか?
❄️ yukino
説明文にある、「muiとの戯れは、喜びをもたらし、前向きな気持ちを促す」という文章も印象的です。「muiとの戯れ」という特徴的な表現にはどんな想いがありますか?
🌳 hirobe
「戯れ(たわむれ)」ってあんまり日常的には使わないかなと思うんだけど、そこに含まれるニュアンスに、子供と戯れる、みたいなイメージがあって。
普通だとテクノロジーに対して「接する」「使う」とかっていう言葉を使うと思うんだけど、そこで僕たちは戯れるっていう言葉を使ってて、ちょっと擬人化してるんよね。僕、もともと擬人化することは避けていたんだけど、一つデザイン的にも関係があるのかなと思ったのが、muiボードの文字の表示のされ方。タイプライターみたいに字が「ぽつぽつ」出てくるよね。あの感じが、子供が喋っているような、ゆっくりとぽつぽつ話すような感じにならないかなと思ってて。それもあって、フォントをちょっと幼い感じに調整しています。
❄️ yukino
へ~!!!
🌳 hirobe
フォントも、一番は読みやすさを考えたんだけど、子供ってそんなに綺麗に曲線をかけるわけじゃないので、直線的なところをちょっとだけ入れてあげて。それが「ぽつぽつ」と出てくることが子供がゆっくり話す感じにならないかなと思って。
・・・というのをいまはこうやって喋ってるけど、作ってるときは感覚的にやっていて、あんまりそこを言語化せずに「こんな感じかな」とつくりながらも、そのなかで子供が喋る感じだなと思ってやってたので、戯れるっていうのは子供と遊んだり、子供とコミュニケーションを取るっていう意味かなと思って、僕はすごい自然に受け取れたよね。
❄️ yukino
muiボードには優しくタッチするじゃないですか。子供にはやっぱり優しく触れたいというか、戯れたいみたいな気持ちがあるので、それを聞くと納得しました。
🌳 hirobe
そうね。スマートフォンとかに慣れてる現代っ子はやっぱり速くサクサク動いてほしいとか、それがやっぱりテクノロジーのいい面ではあったんだけど、muiのゆっくりした動きっていうのも、おじいちゃんとかおばあちゃんとかでも使えるように、速く動くときもあれば、ゆっくりその人に合わせて動くっていうのも大事かなと。
みんなが使えるものとしては。そういう動きとか触り方っていうところに、ちょっと優しくなれるといいなという感じがします。
❄️ yukino
「新たな気づきがもたらされる瞬間をテクノロジーで描き出したい」という言葉も気になりました。「テクノロジーはあくまでもサポート役」みたいなことですか?
🌳 hirobe
うん。いまの時代はテクノロジーに答えを求め、テクノロジーが全部答えをくれるみたいな感じだけど、テクノロジーは選択肢を与えてくれるものかなと思ってて。
テクノロジーによって、最適な選択肢が出てくれば、最後は人が選べる。それがいいかなと思う。人が主体的にうまく生きていくには、テクノロジーが出すぎるのもよくないし、ゼロにするっていうのも僕たちは求めてないので、ちょうど良いテクノロジーのあり方とか、人とテクノロジーの距離感みたいなところが、含まれてるのかなって思います。
・・・
次回、第2話「《必要最小限である》って?」につづく。
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