海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった④価格設定
とっさに答えることができなかった。。
高いのか?ボランティアでやるべきだったのか??酔いもあり、あたまが混乱してきた。
「ただ、ロゴとキャッチコピーを枠内に貼り付けただけだからね。高かったかな、ソーリー。」
「やっぱり、あまり根拠のない価格なのね。先に結論を言うと、内容の割に安かったと思った。
理由①単なるレイアウトだけど、バランス、スペース使い、フォントが洗練されていた。
理由②レスポンスが早く、メールの返信がすぐくるのでストレスがなかった。
理由③こちらがスマホで確認する用にPDFだけでなく画像データも送ってくれた。
理由④印刷屋手配までしてくれたけど、印刷屋代は直接印刷屋に払った。
①は、あなたの実力。カンボジアのほかのデザイナーに比べて相対的にスキルが高い。」
「大学でデザイン学んで、広告代理店でずっと働いてたから、別に普通だよ。特にいい評価でもなかったしね。②③も日本の会社でそうしろって言われてたから。。」
「まず、ここまで。あなたは、①②③を当たり前だと思っている。だけど、カンボジアでは当たり前ではなく、優位性になることなの。たしかに、カンボジアではデザインにお金を払うというのはハードルが高いかもしれない。だけど、高品質なものに対しての需要は必ずあるから、あなたの実力であれば、その高い価格ゾーンをめざすべきだわ。
それぞれのタスクに対しての自己評価も低いからそのまま価格に反映されてしまうのもあるわね。相対的にみてあなたのサービスが市場にどれくらいの価値があるかで価格は決まるの。カンボジアだから価格は低くしなきゃ、ではないの。」
「なんとなくわかったよ。でも、いまのクライアントの価格は上げられないよ。」
「それは選択肢はふたつ。
①いまのクライアントを切る
②切らずに利益をあげる」
「うーん、②かな。。いつもお世話になってるし。。」
「あなた、スタッフはいるの?」
「いないよ。」
「それならひとりスタッフを雇うこと。
その子にあなたが教育をして、いままでのクライアントのデザインを担当してもらえばいい。あなたは、新規開拓をして高価格の仕事をする。スタッフに渡せる仕事の粗利が300ドルくらいであるならデザイン学んでる学生でもいいし、500ドル以上くらいなら、経験者でも雇えるわね。
あなたの仕事をだんだんとデザイナーから、営業、教育担当、そして全体を統括するようにシフトしていくイメージをもって。
最後に④、デザインに付随する周辺の業務も事業領域ととらえて事業計画を作ってみてもいいわね。例えば、スティッカーの貼り付けなんかは、通常カンボジアでは納期遅れがちだけど、あなたが間に入ることでクライアントはかなり安心すると思うの。そのマネージメントフィーも収益になるようにしたらいいと思う。
つまりは、
デザイナーではなく、経営者として自覚するところ
からスタートね。」
なるほど、、僕はわくわくする気持ちと、改めて、会社経営って大変なんだなという気持ちが入り混じり、いつもより酔がまわるのが早かった。
気づいたらカウンターで寝てしまっていた。
サーシャはもういなく、かわりにテレグラ厶にメッセージが入っていた。
「明後日の18時にまた北京で会いましょう。」
どういうことだ?一体何者なんだ?サーシャ。
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