海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった⑧超大手からの電話
僕は、ハリスとピールンの教育と、新規開拓と、既存Aクライアントの対応で、忙しくも充実した日々を送っていた。
久しぶりに仕事を楽しいと感じ、でも自己満足にならないように、定時である17時には2人を帰し、ひとりで仕事をしていた。幸い2人とも素直でゆっくりだけど着々と仕事をおぼえてくれた。もちろん常識の違いからなかなか大変なこともあるのだが、それはまた別の機会に。
日本ではいま働き方改革と言われているが、業界の常識として、まず納期が絶対で、それを死守するためには、理不尽な修正にも24時間対応しないといけなかった。
もちろん、穴をあけてはいけないが、カンボジアでは無理なものは無理と言える土壌は、すくなくとも日本よりはある。
そんなんで自分自身の働き方も見直している時に、信じられないビッグチャンスがきた。
あるとき、知らない国番号から着信があった。
大手電子メーカーの、シムサン電子から、カンボジアマーケットにおけるアプリのデザイン及びコンテンツ作成の競合プレゼンの誘いであった。なぜうちを知ったかというと、うちのWebsiteをみたとのことである。数社にコンタクトをとっているから、コンペに参加するなら詳しい資料をメールするとのことだった。
もちろん参加する。と答えた。
すぐにメールが届いた。
びっしりと事業の目的や内容が書かれていて、読むだけでも一苦労だ。
そして、コンペは何段階かにわかれて篩いにかけられていく、結果に関しては理由は教えない、など書かれていた。
そして、まず提出するものと締切の案内で締められていた。
僕はサーシャに相談したかった。
サーシャにテレグラムでメッセージを送ると、夕方にオフィスいくという返事が帰ってきた。
夕方、サーシャは内容をみて、
「これは勝てる可能性はかなり低いから、負けても落胆しないで。今後に備えてグローバル企業相手の練習のつもりで参加するなら手伝うわ」
「なんでそんなこと言うんだよ」
僕はイラッとして言った。
「基本的に大手は大手と組むの、例外は特別な技術があったり、実績がある会社。あなたの会社には何があるの?」
「・・・じゃあ、参加しないほうがいい?」
「せっかくのチャンスだから可能性がゼロでないからやってみても損はないんじゃない?ただし、あなたたちだけじゃ難しいと思う。私を雇いなさいよ。心配しないで、給料は時給2ドルでいいわ。プレゼンが終わるまで手伝ってあげる。来週からこのオフィスにくるようにする。とりいそぎ提出しないといけないものは、夕方孤児院終わってからでいい?」
「まじ!それはありがたい。サーシャがいいならそうしてくれると助かるよ」
半ば手伝ってくれることを期待していたが、まさかこんなにいい条件だなんて!
といことで、サーシャはさらにうちの会社にはいりこむようになった。
サーシャ、何者?