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海外(カンボジア)ビジネスで大切な事は全てサーシャに教わった⑨競合コンペ
翌日、夕方にサーシャがオフィスにきた。
まず提出する書類は、NDA(秘密保持契約書)にサインと社判押印。そして、うちの会社の情報をシートに記入していく。かなり細かく、クライアント情報や事業内容、財務状況などをサーシャが僕にヒアリングして記入していく。
あとは、会社案内や、なにかアピールできる実績などを添付して提出する。
過去のなるべ大きな会社やプロジェクト、そして外資系のクライアントの実績などをファイルにまとめる。
会社案内は、うちのアピールポイントをより打ち出すべく、作り直す。
それが、一次審査。
3時間くらい作業をし、一旦作業を終えた。残りはあした以降に仕上げよう。
すごい疲れたけど、心地良い疲れだ。
「ねえ、とびっきり美味しい肉を食べにいかない?」
「そうだね、サーシャがこんなにやってくれるなんて、御馳走するよ!」
サーシャの案内でトゥクトゥクでたどり着いたところは、中心部の新しいおしゃれな店やホテルなどが立ち並んでいるエリア。
まあ、今日は特別に高いお店で振る舞ってあげようか。カードもあるし。
と思っていたら、
「ここよ」
といい、路上に低いプラスティック椅子と低いテーブルが並んでいるところを指差した。
「え?ここー??」
「そう、ここの豚肉BBQ本当に美味しい。しかも一皿1.5ドル。ライス込で2ドル!私の1時間分ね」
といって、子どものように笑った。
確かに、路上で炭火で焼いているところからの煙はいいにおいがする。そしてカンボジア人の若者たちでほぼ満席である。
しかし、わざわざトゥクトゥクでここまできて、ここかよ。暑いし。。
と、思ったら、抜群にうまい。
ビールを頼んだら、他の場所から買ってきてくれた。
「ここは、前にNGOで働いていたカンボジア人につれてきてもらったの。その時は私もあなたみたいに高いお肉をご馳走しなきゃいけないのかなとか、ちょっと不安になりながらきたの。といってもその時はこのあたりもこんなにおしゃれな感じではなく、もっと暗かったどね」
適当に頼んで、飲んで、お会計は2人で5ドル。いつもありがとう、これからもよろしくといってご馳走した、笑。
「サーシャのこと、もう少しきいてもいいかな?」
「一次審査通るといいね」
また、はぐらかされてしまった。
明日早いから、といい、サーシャはトゥクトゥクを捕まえて帰ってしまった。
僕は、少し物足りなくなり、Beijing Barに向かった。
奥のカウンターにオーナーが座っていた。
そうだ、あのオーナーならサーシャのことをなにか知っているかもしれない。
「ハイ、サーシャのことを少しききたいんだけど」
「サーシャ?ああ、お前とたまにいるあのヨーロッパ人か。よく知らないね。」
話をすること自体がめんどくさく、アメリカ人以外は会話する対象にもならないといった態度だ。じゃあ北京なんて名前つけるなよ。
しかしそれでも20年やってるんだよな、この店。。
サーシャがいないから、心置きなくレッドブルウォッカを頼んだ。