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【ブルーアーカイブ】キヴォトスにおける連邦生徒会設立に関する要因への考察

連邦制とは
 連邦制は、基本的には州政府と連邦政府との間の権限分担に関する原則である。この制度では、各州政府は特定の権限を連邦政府に委任し、連邦政府は憲法で規定された範囲内で国全体を統治する。この権限分担は、州政府と連邦政府との協力と協調を基本としており、州と連邦政府がそれぞれ異なる権限と責任を担当する。

 連邦制の発展には歴史的な進化があるが、連邦政府と州政府の権限分担の基本原則は変わっていない。ニューディール政策や第二次世界大戦の影響により、連邦政府、州政府、地方政府の協力関係が強化され、協調的な連邦主義が重要視されるようになった。

 この考えはキヴォトスにおいても段階の問題はあれど、採られるのではないか。つまり、各学園が個々別々に存しており、キヴォトスとしての必要性から連邦体制に移行した。

 その必要性とはなにか。今までの学園統治ではダメであったのか。現況の学園自治組織を見るに、唯々諾々と権限の委任をする学校はないだろう。窮乏に瀕したアビドスでさえ、その自治権を委ねることはしなかった。つまり、内々で処理する分には問題なかったのだ。旧トリニティが内政的・外交的に紛糾しようが、ミレニアムが千年難題に苦悩しようとそれは学園自決の問題であり、取り沙汰されるものではなかったはずだ。

 連邦が必要になった理由は大別すれば、①キヴォトス内部における要因という側面、②キヴォトスの外側との関係という側面、この二点から考えられるのではないか。
 なお、ここではキヴォトスの外側を鉤括弧付きの「外」と呼称する。

 当初は各学園の集まりとして存在していたキヴォトスの土地であるが、キヴォトス全体としての政治・行政を実行できるように中央政府たる連邦生徒会が作られた。これはあくまで、キヴォトスにおける国家機能を確立するものであったろう。
 では、内部において守らなければ、あるいは、解決しなければならなかったものとは何であろうか。
 国家機能からキヴォトスにおいても考えられることを以下に列挙する。ここでは一旦「外」が関係する権利についても同じように挙げる。
 ・軍隊の創設及び防衛
 ・治安維持
 ・公衆衛生
 ・道路等の公共設備建設
 ・課税権一般
 ・統一貨幣制度
 ・学術及び文化振興

 現状明らかになっている連邦生徒会組織図から、所管だと考えられるものを追記したものが以下のとおり。括弧内が所管部門である。
 ・軍隊の創設及び防衛(防衛室)
 ・治安維持(防衛室)
 ・公衆衛生(保健室)
 ・道路等の公共設備建設(交通室)
 ・課税権一般(財務室)
 ・統一貨幣制度(財務室)
 ・学術及び文化振興(文化室及び体育室)

引用資料(https://twitter.com/Blue_ArchiveJP/status/1669631205900431362/photo/1)
 
 確かに、現況の行政委員会で所掌できるものもある。もちろん、国家機能はより細分化することができ、行政委員会も明かされていない部門が残り3部門あり、また、公開非公開に関わらず詳細な事務も依然不透明なものもある。この点は今後解明されていくことであろう。
 
 ①
 話を戻せば、キヴォトス内部で起こったであろう問題である。一番は治安問題ではないか。いくつか考えられる治安問題を挙げていく。
 ひとつに、学園間の紛争。これは各学園が自治問題としてはもはや扱えず、収束を望んだために統一的組織の必要性を認め、連邦生徒会を立ち上げた。これはトリニティ‐ゲヘナのエデン条約に代表されるものである。
 次に、学園統治領域外における治安問題。これは自治権の無い土地における不良生徒の活動、ブラックマーケット等における不法武器の流通等を念頭においたものである。不良生徒の活動は現状でも多くあり、不法武器の流通については連邦生徒会長の失踪後2000%に跳ね上がったとの発言から、連邦生徒会がその問題を抑止していたであろう。
 以上が内部問題の推測である。連邦生徒会統括室主席行政官七神リンの発言より、キヴォトスにおける学園の数は数千とされる。ミレニアムサイエンススクールセミナー会計早瀬ユウカも同様の発言をしているので、その数については比喩表現ではないのだろう。だとすれば、その数はあまりにも大きく、学園内外を関わらず問題は起こっていただろう。内部的事情というのは連邦生徒会設立に大きく関与していたのではないか。
 
 ② 
 「外」との関係はどうだろうか。
 キヴォトスの生徒は「外」を認識している。七神リンは先生を「外」から来た人として応対していたこと、そして、トリニティ総合学園正義実現委員会羽川ハスミ、ゲヘナ学園風紀員会火宮チナツ及び先述の早瀬ユウカより、先生は生徒と違い銃弾にあたれば死ぬことを赴任後初の戦闘において示唆されたこと、これらから「外」というのはその珍しさに差異はあれど、キヴォトスにおいても認識はされている。
 連邦制設立において「外」との関係はどのようなものであったか。先に結論を申し上げれば、連邦生徒会設立に関しては「外」との問題が関与した可能性がないとは言えないが、現状からすると大きなものではなかったのではないかというのが私の考えである。
 外との問題というとまず第一に戦争が思い浮かぶ。しかし、「外」と戦争をしたという情報は明示的にも暗示的にも提示されていない。
 そして、「外」の側から見れば、あのキヴォトスの生徒とやり合おうなどと考えようか。先生がシッテムの箱をタブレットと認識したように、「外」の技術水準はおよそ現代相当であるが、キヴォトスの住人(犬やロボット含め)は尋常ならざる頑強さを持ち合わせており、銃火器の取り扱いも心得ている。総力戦となれば、「外」は蹂躙されること必至である。
 「外」が高威力の兵器を使用し、戦闘したという線はどうだろう。確かにそれであればキヴォトスの住人も負傷する。ただ、その痕跡は見当たらない。復興したのだろうか。そうであったとしても歴史や人の精神性にその欠片が見えないのは些か不自然である。
 通商の側面からはどう見えるだろうか。これは先の戦争という仮説よりも良く見える。しかし、これも確定的な情報はない。かろうじて「外」と動物の密輸入があるようで、価値交換はなりたつのだろう。だが、通商も連邦生徒会を立ち上げるまでもなく、学園においてできたのではないか。

 以上より、連邦生徒会設立の本旨はキヴォトス内部における学園間紛争の解決及び治安の維持にあったのではないかと考える。なお、「外」との関係においてその全てが捨象されるものではないことを付言させていただく。この点においてはさらに論が伸張せらるるものである。


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