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3本目の脇道

どうもお久しぶりです。
最近修士論文作成に勤しんでおり、なかなかこう言った時間が取れず、更新できず、という感じでした。
修士論文だけに集中していれば捗るであろう、そう思っていました。しかし不思議なことに、それだけを取り組んでいても、集中力が続かず捗らないのですよね。

なので、土日はある程度進めたらちゃんとやりたいことをやる時間も作ることにしました。

最近、進撃の巨人を見返して、世界の動向、日本経済、台頭してくる若者世代に思いを馳せていました。
そんな中でぼんやりしながら書いた一節です。
拙いものですが、どうか最後まで目を通して頂ければ幸いです。

「彩度」

世界の果て。
幼い頃、甘美な響きとどこか情緒的な情景を思い起こさせるこの言葉が好きだった。

地元から、国から飛び出したことなどなかった私は、この世界を何処か宛てもなく走り続ければそこは世界が断絶していて、然しその先には目を疑うほど綺麗な情景が視界のその先まで広がっている。そう信じていた。
手の届きそうで届かないそんな世界の夢に、溺れていた。

地水平から頭を擡げた陽光は海山を穿通し、その身を燦然と散らしながら世界を白く塗り替えて行く、そんな世界である、と。

世界は有限で、故に人畜自然が互いの命、価値観、存在意義を認め合い、何者かが何者かに淘汰される事の無い世界があるものだ、と。

でも。

世界は永遠に続いていて。しかしそれは断続的で、無限で、そして光をも拒む灰色で。
灰色の街、灰色の地平、灰色の人間達。
色を宿す命はその途方もない灰色に侵食され、窒息寸前で抗っている。

世界は無限の灰色によって無限に膨張し続け、いずれ無となるのであろう。
つまりそれは有限であって、無限ではない。

どうせ。
どうせ有限の世界であるのならば。
あの日信じた、夢見た断絶した世界で
綺麗な光の断片をその一身に受けて
素敵な彩度のある情景に包まれたまま
溺れていたかった。

〜fin〜

最後まで読んでいただきありがとうございます。
何を伝えたかったのか、それは読んでくださった皆様の解釈にお任せします。

それではまたお会いしましょう。

脇道

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