家のこと⑪
引っ越しまで、1週間を切りました。
昨日は入居前の掃除をするため、朝早く伊豆へ。掃除道具がいろいろとかさばるのでグリーン車で。
車窓に広がるのは、冬晴れの朝の海。
そして生まれたての光。
車内販売のあったかいお茶を買って、夫が昨夜のうちに作ってくれたお稲荷さんで朝ごはん。グリーン車ってだけでなんだか旅行気分。
駅に着いて、坂道をてくてく上る。
前回来たのは10月半ばだったから、あれから季節は移り、秋を過ぎてもう冬の入り口だね。
お気に入りの、川のところ。
朝のぴーんとした空気の中、川音が響いてる。雲ひとつない空の下、赤や黄色に染まった葉がきらきらと輝いてとても綺麗。
ここまで来たら家はもうすぐそこ。
どんな風に仕上がってるか、どきどきする。
角を曲がって、見えてきた!
わぁ。すっかり雰囲気が変わってる。
杉板の外壁も新しくしたのだけど、古い家なのでそれに似合うよう、あえて経年変化したような色に。枯れた景色の中にも馴染むような佇まいにしたかった。
わくわくしながら庭をぐるりと一周して、夫とあれこれ感想を言い合う。これから少しずつ庭も手を入れていこう、ゆっくりとね。
さて、今日は掃除をがんばらないと。
次はもう引っ越し当日なので、壁、天井、床、キッチンの棚などを重点的に綺麗にしておきたい。
高い天井なので、持ってきた長く伸びるハンディモップでも半分しか届かない…
そこへちょうど塗装屋さんが作業にいらしたので、使っていない脚立をお借りすることに。助かったー。
夫が梁の上まで拭いてくれて、埃もほぼ取れた。これで安心して荷物を搬入できる。良かった!
その後、私はキッチン、夫は2階とお風呂場を黙々と掃除する。
そろそろ終わりにしよう、と夫に声をかけられて、気がつくと差し込む光が午後の柔らかさに変わってた。
買ってきたコーヒーの残りを飲みながら、来週の今頃はもう引っ越し終わってここに居るんだねぇ、と話す。
前回までは、まだどこか「おじゃまします…」って気分だったのだけど、今日あちこち掃除したことで、私たちの家なんだなぁって実感がわいてきた。愛着っていうのかな。
リビングの窓から見える景色。
それは今まで暮らしたどの街とも違う。
それぞれのお庭に大きな木々が普通に生えていて。まるでそれぞれが小さな雑木林を持っているような。
そう、庭に木を植えたんじゃなくて、雑木林の中に家を建てたような。
この別荘地の、そんな佇まいに惹かれたんだな、あらためてそう思った。
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