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麦のこと②

無事に引っ越しを終えて、1週間経ちました。顛末を記録しとこうと思いつつ、ばたばたと日々が過ぎてしまいました。

いちばん心配していた猫たちも、すっかり慣れて思い思いに過ごしています。

そして、麦のこと。
引っ越し前に受診して、その後は少し食欲が戻り、好きなものなら食べられるようになっていました。

でも、あれからまた食欲は少しずつ落ちて。おとといの夜あたりから、自ら口にするのはささみスープだけになってしまいました。

仕方なく流動食をシリンジで少しだけ口に入れる。最初は、これで体力が戻ってまた自分で食べられるようになれば…と思っていたけれど。
痩せた体で嫌がる麦を見ていると、もう無理に食べさせることはしたくない。

数日前の夜。
このまま食べなくなれば、遠くない日にお別れが来る。そう思いながら、麦が食べられなかったごはんの食器を洗っていたら、泣けて泣けて仕方がなかった。

そのまま泣きながら布団に入ると、いつものように私の腕枕で喉をごろごろと鳴らす麦。その痩せてごつごつした小さな体を撫でながら、ありがとう、大好きだよ、麦。私のところに来てくれてありがとうね、そう繰り返した。

麦は、少しずつ少しずつ、私に心の準備をさせてくれてるのかもしれない。突然いなくなったら、私があまりにも悲しむから。

「一日でも長く、麦と一緒に居たい」
という気持ちだったのが、
「苦しまず安らかに旅立って欲しい」という気持ちに変わってきたのは、麦が私にくれたお別れへの準備時間なのかもしれない、そんな気がしています。

ねぇ、麦。
私のために、頑張らなくていいからね。
麦の選んだときに、旅立っていいからね。
きっといっぱい泣くけど、ありがとうの涙だから、心配しなくていいからね。

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