男女間の友情について読んでたら妻に本を奪われた
妻と電車に乗ってて。僕は文庫本のジェーン・スーを読んでいた。最近じぶんの中で、女性エッセイが熱い。僕が「男女間の友情は成立するか?」というページに差し掛かったところ、妻が覗き見て、ちょっと貸してよ、と僕の文庫本をひったくった。妻は普段、僕の読んでる本にまったく関心を示さない。だからこれは珍しいことだった。僕は何食わぬ顔で、鞄から2冊目の文庫本、百年の孤独を出して読み始めたが、まったく頭に入らなかった。妻は普段読書しないくせに、読むスピードがやたら早く、パラ、パラと次々にページを捲った。僕はまだ内容読んでないし。どんな内容が妻にインプットされてるか、知る由もない。でも、今まで読んでた内容から察するに、まぁまぁワイルドな言説なのでは、ないだろうか。妻は「普段、こんなん読んでるんだ」という検閲をしているのだろうか。だとしたら、治安があまり良くない。違うょ。普段こんなの読んでないょ。目についた文字列に、たまたま反応したのは貴女であって。僕ではなく、自分のアンテナを疑うべきではないですかね?なんですか?男女間の友情に興味があるのですか?不潔ですねェ…と僕は硬派に百年の孤独を読み耽るフリをしたが、よく見ると、ソコに書かれている内容も、アルカディオが夜這いをするなど。なかなか、いかがわしかった。ふだん、僕の読書趣味が理解されず、僕は孤独だったりする。んだけど、いざ、近しい人間が僕の世界に飛び込んでくると、心を大いに乱されるのであった。よく考えてみたら、別に妻とジェーンスーとかリリーフランキーとかについて語り合いたくないなぁ。夫婦だからって、趣味も一緒である必要はないですよね。一回、note書いてるとき妻に見つかって、「何?執筆してンの笑?」と言われた。僕は「いや、特に…そうゆうものでは…フヒヒ」と口ごもった。今回の「何読んでンの?」も同じ感じであった。フヒヒ。横浜ブルーラインがセンター北にさしかかったあたりで、はい、と文庫本を返された。感想はなかった。別に機嫌悪くなってもいなかった。安心したけど、なんか後からそのページを読む気になれません。879文字
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