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Mudita Youthとは...

私は学校の美術の授業が苦手でした。

今思えば、そのきっかけは私が小学生の時の図工の時間だったと思います。

空は青くて、綿飴みたいな真っ白い雲でいかにも夏の日。
その日は画板を持って校庭で風景の絵を描くという授業でした。

自分は風景そっくりな絵を描いて、先生に褒めてもらえるように頑張って筆を動かしていました。


しかし、先生が私の前を通ったときに、

「ちょんちょんって塗らなきゃダメでしょー」

と言われてしまいました。


「ちょんちょん塗り」とは筆の先端をキャンバスにちょんちょんと絵具で塗る方法のことで、私の学校では絵はそうやって塗るんだと教わりました。

でも私には「ちょんちょん塗り」をする理由がわかりませんでした。
小学生だった私にとって、

「青い空は別にちょんちょんってなってないし、校舎だってちょんちょんって色塗ったら似てないじゃん」

なんでダメだったのかその時は理由は聞けませんでした。

10年以上たった今でも、小学校の記憶があまりない私が思い返してもその「ちょんちょん塗り」で怒られた記憶はこびりついています。

それから美術は苦手でした。


絵を描くことは、これを機に距離をおいてしまいましたが、
幸いなことに私は機会に恵まれ、芸術とは関わり続けてきました。

美術館へ行ったり、様々なジャンルや文化の音楽を演奏してきたり、音楽人類学という学問を大学で専攻した経験を通して、行き着いた問いは...

芸術に「正しい」形はあるのか?

小学校の絵の授業で、「ちょんちょん塗り」で描かなければいけないと教わったり、
中学校で音楽の授業で成績を取るために歌のテストを受けたり、
美術館や演奏会を訪れて、「これで聴き方/見方はあってるのかなー」と思ったり、

でもそれは

芸術に「正解」「不正解」というものを求められ、気づかぬうちに自分も求めてしまっている。


しかし、実際に過去の芸術文化を振り返ってみても、
それぞれの文化、それぞれの時代で人々を魅了するものは異なります。

例えば、モネとピカソ、オペラと日本伝統の長唄のように。


そしてこれは個人においても、それぞれの価値観があり、良し悪しの判断も異なります。

子供の芸術活動に対しても同じではないでしょうか。

それぞれのお子さんの努力や作品には、「正解」「不正解」をつけるべきではないと私たちは考えています。

芸術には「正解」「不正解」はないものではないか。

芸術は正解や不正解がない。ありのままに自己表現をするものであり、多様性に満ちた世界です。

芸術に熱中し、自分のうちを嘘偽りなくさらけ出す体験をすることは、周りの世界を理解しようとし、他者と共感する心に繋がります。

芸術は共感心を養うもので、今現代の複雑な世界に生きる私たちであるからこそ、共生社会で生きる人間として必要なものではないでしょうか。

しかし今の日本の現状は

日本の国家予算に閉める文化(芸術)予算の比率は僅か0.10%*
日本の全体人口に占める割合で過去一年間で文化芸術鑑賞をした人は59%*、(対して隣国の韓国では81%
そして日本の全体人口に占める割合で過去一年間で文化芸術体験の参加度は僅か28.1%

というのが現状です。

-Mudita-

そこで、私たちMuditaは芸術が人々の共感の架け橋となり、豊かに生きる可能性を生み出すきっかけ芸術を学ぶことへのきっかけを作りたい、そしてそれを通してアートコミュニティを構成し、拡大していきたいという想いで団体が始動しました。

様々なワークショップを開催したり、Saturday Talkなどのレクチャー/ディスカッション、Mudita YouTubeチャンネルにコンテンツの配信など、オンライン・オフラインともに活動しています。

-Mudita for Youth-

今回のこのコラムは Mudita for Youthというプロジェクトの一環で書いています。

様々なことを吸収していくお子様を対象に、芸術に触れる機会を増やし、自由に表現できる場を提供すること。

そして今読んでくださっているであろう親御さんがお子さんと付き合っていく中で、
・芸術とどのように関わっていくのかわからない
・芸術なんてやっても無駄なんじゃない
・どんなアートが子どもに向いているのかわからない
なんていう疑問が解消される場所になればいいなと思っております。

またMudita for Youthとして、お子様向けのイベントも計画しておりますので、乞うご期待です!!


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参考文献

一般社団法人芸術と創造、2016、「諸外国の文化予算に関する調査報告書」、https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/h24_hokoku_3.pdf(閲覧日:2020年9月7日)

文化庁、2016、「文化に関する世論調査」、
https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-bunka/gairyaku.pdf(閲覧日:2020年9月7日)

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