巽千沙都 個展「一番なんてあたりまえじゃん」@"ホテルじゃないほうの帝国"MEDEL GALLERY SHU
久々にまだ行けば間に合う展示!!
行ってきたのでとりあえず書いておく
会場はMEDEL GALLERY SHU、会期は以下
以下、文中敬称略
場所は帝国ホテル!!(のプラザの方)
地方出身だとわかんねえかもしんないので一応書いとくと、帝国ホテルと帝国ホテルプラザは別の建モン
(ムダにでかいのでミスるとけっこう歩く
ギャラリーがあんのは帝国ホテルプラザだから注意な
ちな初回、自分はのこのこ帝国ホテルに行ってロビーで引き返してっから、そこんとこよろしく!
ちな「愛でるギャラリー祝」である
これはマジ
「祝」で「しゅう」?とかおもったが、「祝言」とかあるやんと気づく
どうでもいい話かもしんないが、こういうとこにギャラリーのスタンスが現れると思うので意外と大事な話なのかもしんない
つまり何がいいたいかというと、このギャラリーは、けっこうおもろいことが好きなんじゃね?ということである
ギャラリーまでの道のり
とりあえず帝国プラザの2Fに行ければ勝ち確
ぜってー見つけられるので超安心
なんだけど、こういう高級ホテルの中(じゃねえけど)にある店ってなんのためにあるんすかね・・・
ドレスとか宝飾品とか忘れてきたとか、壊れたとかあんのか(知らんけど
という店の先に忽然とあわれる俺たちのシュウ!!
ちゅうわけで立地、探しやすさともに抜群
作家について
とりあえず作家情報
と思ったんだけど、公式のスクショにする
何かしら意図を感じたからだ
作家の写真いる???(いや、いるって人もいるんだろうけどさ
以下は完全に自分の好みでアレなんだが、本の著者近影とかもあんま好きじゃなくて、いや、ふつうに履歴書の写真みたいな機械的なのなら「ほーん」で済むんだけど、やけに角度ついてたり、風がつよかったり、あげくにモノクロだったりすると、「いやアンタそんなかっこよくねーから」と突っ込みたくなっていらいらするんすよね・・・
誰とはいわないが、デビュー作の平野啓一郎とか
ただまあ、出版社も画廊も商売なので、手練手管で物を売ろうとする行為に外野は口出ししてもしゃあないのはその通り
(その方が売れるんすよ!って言われると「はい」というしかない
経歴としては以下
めっちゃ個展してる!!ほげー!!
同窓のグループ展ばっかみたいな作家も多い中、ピンで戦っててるのは見上げた根性だ
展示風景など
作品リストもらわんかったので題名不詳、あしからず
おもったことなど
▼ざっくりおもったこと
なぞのくす玉的な物体やキャンディーが割れていることから、これは少女的存在が一時的なものでありフラジャイルであること、その危うさの表象なんだろうなとか思ってたら、作家もそう書いてたのでマジでそうっぽい
平面作品だが、ちょっとだけ凹凸があり、それがプラシール(でいいのかわからんけど、あの子供の好きな立体感あるシールのこと)で、それでデコデコされてる物もある
描かれているのはいずれも女性に見えるが、年齢帯が女児、少女、女性くらいの3態あり、その書き分けはイラストというか漫画キャラ文脈の輪郭パターンの違いになってて記号性高い
なので手法的にはキャラクター絵画の文脈に属してるようだが、文脈的にはアイドル(地下も含めて)表象なのは堅い感じなので、この作家の表現をキャラクター絵画的にみるのは間違っていると思った
そっちに回収されないのはけっこう強いんじゃないか説
勝手な解釈だがキャラクター絵画との違いは
・キャラクター絵画の場合
何らかの意図 →(仮託)→ 汎キャラクター → 絵画
であるのに対し
・本作家の場合
何らかの意図 →(仮託)→ アイドル像 →(手法)→ キャラクター絵画的なもの → 絵画
ってなってるように思う
ふつうキャラクター絵画は、内的状態を仮託する渾然一体としたなぞキャラが出現するが、本作家の場合は、それがけっこう謎じゃない架空のアイドル像として結実してて、それが平面に出てくるときにキャラクター絵画と同じような表現手法が使われるだけ、っていう違いがあるんじゃないかという話(というのが上で言いたかったこと)
▼エモさというか暗さ
華やかなんだけど、エモいというか暗い感じがする
そこらがなんか「アイドル」性とか「少女」性に潜む残酷さみたいなもんを醸し出してんじゃないか
歌舞伎町的なえぐさとか言った方がいいかもしんない
で、それがどこにでてるかというと目の表現だと思う
ここに反対の色がばっきり使われたりして、エモさが出てる気がした
ネオンとかそういうイメージだ
▼漫画表象
と書いてしまったが、単にその手法をもってきてるだけかもしんない
具体的にいうと、(実際ちょっと昔の漫画でよくあった)ほっぺたとかの上に書かれてたよくわかんないうねうねした線と、ベタの上にホワイトを息で飛ばしたような表現
絵画側からは発生しようがないので、ここは漫画モチーフだと思うし、これによって暗黙的に漫画っぽさ感じることになると思う
▼凝った輪郭線
他の作家の話引き合いに出してアレだが、前に「キャラクター絵画について」展(@パープルームギャラリー)のとき、門眞妙の作品をめちゃくちゃしっかり見る機会があり、ついでに在廊してた作家本人にあれこれについて聞けるというすごいチャンスがあったんだけど、そのとき輪郭線の表現がめちゃくちゃこってることに気づいた
今回の作品も輪郭線がある、いわゆる伝統的な絵画の手法(輪郭線などというものはない)とは異なる絵なんだが、やっぱり輪郭はすごい手間をかけて描かれているように見えた
これは(本来雑誌サイズで鑑賞されることを前提とした)イラスト的な表現を、それよりはるかに支持体がでかい絵画にするときにはどうしても必要な作業なんだろうという感じである
▼背景がほぼないというか埋められている件
どの作品もほぼほぼ背景がない
何かしらの小物で埋められている
雑然とした圧迫感を与えることを狙っているんだろうか
それとも物質があふれているとか、それらに覆われているという状況の描写なんかもしれない
→などと書いたが、ステートメントに「防御壁」的なものって書いてあった件・・・
まとめ他
という感じだった
雑に見るとキャラクター絵画と被るが、実際にはそれらと一線を画するのが特徴の作家なんではないか、と思う
会場には2018年ころからのポートレートもあって来歴をみることもできるのがすごいよかった
一方で過去からの展開を見ると、あんまり作品が変化していないように見えた
それがいいのか悪いのかはわからない(作家の目指すところによる
プライスリストに「中国展示のため非売」と書かれた作品があるなど、確実に作品が売れる作家になっているのはすごい
(今回もぜんぶ抽選らしい まじで大人気
しかし、価格と年間の製作点数を考えると・・・
ぜんぜんラクな生活はできてないってわかっちまうのがつらい
(もし自分だったら倍の値段で売りたいと思うだろう・・・
インスタレーション的な展開もあり、今後どのように作品が発展していくのか・・・
門外漢ながら楽しみにしてるで!!
尚、メデルギャラリーの人はいっけんこわそうだが、話しかけるとめっちゃいろいろ教えてくれるいい人なので、もし時間あったら話しかけて聞きたいこと聞いた方がいいっすよ!