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大切な本⑥「きょうはなんのひ?」

母が好きだった林明子さんの絵本

最初に本を読み始めたきっかけはなんだったんだろう。両親ともに全く読書家ではなかったけれど、子どもの頃は母がたくさんの絵本に触れる機会を与えてくれたと思う。母は林明子さんの絵が大好きで、「はじめてのおつかい」「こんとあき」「あさえとちいさいいもうと」「おふろだいすき」「びゅんびゅんごまがまわったら」…彼女のやさしいあたたかみのある作品群は一通り実家にあった記憶がある(その後、三姉妹の中で唯一子どもをもうけた姉が自分の子どもたちにと新居に持っていったと思う)。

私はそのなかでも「きょうはなんのひ?」が一番のお気に入りだった。ちいさな娘がおかあさんを驚かせようと、ささやかな日常のなかにちょっとしたヒントを繋げていって、最後におめでとう!と伝えるストーリー。夢があってワクワクして、自分もこんなふうに人を喜ばせられたらなあ!と強烈に思った記憶がある。

大したことはなにもしていないけれど、手紙を送ったり本当にさりげない、ちょっとした一手間をかけることで人に喜んでもらえるような「仕掛け」をあれこれはたらいてきた気がする。相手の喜ぶ顔を想像しながら考えたり作業するときのワクワクする気持ち。この絵本に依るところが実はとても大きいのかも。


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