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大切な本68「言えないことをしたのは誰?」

性暴力は社会問題

教師による生徒への性暴力を描いたさいきまこさんの漫画。7月に単行本化されて、♯『言え誰』を私たちの学校にプロジェクトも始まっている。

生活ニュースコモンズのインタビューでさいきさんはこう話されてた。
「一方で、被害者は自分が受けた被害を自覚するまでに、長い時間がかかります。名古屋のピアサポートグループで数人から話を聞きましたが、一番若かった人でも20代後半でした。実際に被害にあってから十数年経って、やっと言える人が多いんです。これが、事件の発覚の遅れに大きく影響しています。」

私も当時さいきさんとお話をした一人。既に30代後半だった自分。「その後の不自由」を強く伝えたつもりだったけれど、しっかり作品に反映されていて嬉しく思う。

刑法改正、日本版DBS法の可決など変わりつつある社会ではあるけれど、まだまだひとごと感が否めないこの問題。

フィクションの世界でも、著名な書き手や注目される作家さんが性暴力をテーマに書かれることは多くなったように思う。

フェミニズムの「個人的なことは政治的なこと」、ではないけれど、性暴力も社会全体の問題。当事者や関係者の発信も力強い一方で、アートでも学術でも医療でも、それぞれの分野の専門家が性暴力を可視化していってほしいと強く願う。


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