大切な本52「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」

教えて！上野先生

自分は高校を卒業するのに精一杯で大学生活とは無縁だったけど、大人になった今でもすごく憧れがある。広いキャンパス、専門分野を極めた先生の知見、気の合う友達との学びあい…。若い頃にそれらに触れられてたらどんなによかっただろう。もし今からでも大学生活ができるのならば何を学ぼうなんて妄想するけど、上野千鶴子さんはぜひ同じ教室で講義を受けたい一人だ。

日本におけるフェミニズムの第一人者で次世代を牽引してこられただけでなく、東大入学式での祝辞、介護保険改悪への抗議…いつも批判をおそれず積極的に発信される姿はとても眩しい。

執筆活動もますますさかんで、ご著書を追っていくだけでも忙しい。テンポよく歯切れよい文章は不勉強な私にも読みやすく、社会学の面白さを教えてくれたのも上野さんだ。

そのなかでも先生！と教えを乞う形の文献を集めてみた。

まごまごしていたら容赦なく切り捨てられそうな厳しさもありつつ、彼女のことばにはいつもまっとうさや揺るがぬ信念が貫かれている。長い教員歴や研究実績のなかで蓄積されたその知識量には脱帽するしかない。

上野千鶴子基金も開設され若い世代への支援にも惜しみない。こうした先輩方の背中を追い続けたいと思う。