絵本製作の源は、辛かった幼少期の体験


❏ じぶんの本音にきづいていく、絵本「こころの風船」

絵本「こころの風船」は、私が10年以上学んできたNVC(非暴力コミュニケーション)の哲学、知恵をベースにつくっています。

男の子の心がチクっと痛むたびに、
頭の上でぷくっとふくらむ風船。


風船が大きくなるにつれ、身体が動かなくなってしまい、「この風船は何なんだろう?」と探っていくなかで、
「僕はこんなことを感じていたのか!」
「それは僕にとってこれが大事だからだ」
と、自分の気持ちや願いにきづいていく道筋を物語にしています。



製作の背景にある私の願い

❏ 自分の気持ちにきづき、表現できるようになること。自尊心を育むこと


私は小さい頃、自分の気持ちをどう言葉にしたらいいかわからないことがよくありました。気づくと心の中がぱんぱんになって破裂し、自分を壊したくなったり、自分が自分でないような感覚にになったことが多々あります。


大学生を過ぎた頃から少しずつ「自分が本当に感じていること」を表現できるようになってきて、「わたしは自分を取り戻した。」という、深い安心や理解を体験しました。本当に救われたとおもっています。


そうなるまでに体験したことはたくさんあるけれど、一番根底でわたしを支えたのは日々、日々、自分の気持ちに気づき、言葉にすること。そして、それをただ受け取って、聴いてもらう。という体験を積み重ねたことです。


自分の気持ちにきづき、表現できること。それがどんなに大事なことか。ということを痛いほど体験してきたからこそ、「自分の本音がわからない。うまく表現できない」という方たちに、この絵本を通じて、心の声に耳を傾ける機会を持ってほしいと想っています。


そして、この絵本を通じて「あなたが感じている気持ちは、誰にバカにされたとしてもすごく大事なもので、押し込んだり、ないことにしなくていい。恥ずかしがる必要もない。」ということを何度も何度も伝えたい。

誰もあなたのその声を聴いてくれなくても、自分でその大事さを手放さないでほしい。この絵本のなかにいる私達が、あなたのその声を聴くからね。と伝えたい。



この絵本はNVCの真ん中にある大事な世界観と問いを、勉強会にいって学ぼうとせずとも、ただ楽しく読む中で自然と伝わっていくことを願ってつくっています。

絵本をひらけば自分の気持ちを聴いてくれる人がいる。寄り添ってくれる人がいる。そう想ってもらえるほど、この絵本があなたの心のすぐ近くにいてくれるようになったら嬉しいです。


❏ 非難の奥にある、心の声を聴けるようになりたい。

絵本製作の源は、幼少期に私がもがいた体験から始まっています。

きっと多くのみなさんにとってもそうであるとおもうのですが、小さい時、学校や家庭、友人との会話の中で私にはたくさんの評価や非難が聴こえていました。 表では仲がいいのに、裏で話される友人らの陰口。 人格を否定され、自分を消したくなるような想い。 「正しい」自分でないと、恥ずかしい想いをする。


人と関わることが本当に怖く、自分を偽って日々をおくり、不登校になったり、自分の身体を傷つけたこともありました。 そうやって自分を偽り、閉じこもっているうちに、自分の気持ちがわからなくなり、自分が誰なのかわからないという感覚にも陥った時、NVCとであい、この怖さや心細さの一部は、私や相手の「表面の声」しかきくことができないことから、やってきているということがわかりました。


ほとんどの会話は社会の常識や基準にのっとって「誰が悪いのか?何が間違っているのか?」という視点からでてきていて、その人が「何を感じているのか?」という心の温度が伝わってこない。


例えば「あなたの選択は間違っているとおもう。」という判断の代わりに、「私は心配している。あなたの将来を想った時に、安全で、健やかにいてほしい。」というように心の温度が聴こえてくる言葉、想いに触れることができたなら、どんなに嬉しいだろう。そして「あなたはおせっかいだ」と人格を非難する代わりに、「私は自分の意思を大事にしたい。そして尊重してほしい。」といえたならどんなに嬉しかっただろう。


心がチクっとするとき、誰かを責めるでもなく、我慢するでもなく、「心の底にある想いや願いに耳を傾けられること」にあこがれ、わたしはこの絵本をつくっています。

(そしてなるべくぴったりくる表現を、という気持ちで現在も物語を書き直しつづけています・・・)


❏ あらすじ


「こころの風船」あらすじ

まだ、いろんな方のアドバイスをうけながら修正中ですが、google slideにてあらすじを公開しています。

絵本の最後には、「自分の気持ちや願い」にきづくための質問を用意しています。自分が本当に感じていたことに気づき、その声を家族や友人と分かち合うきっかけになれば、とても嬉しいです。

キャラクターデザインについては、ポップでシュールユーモラスなイメージで、現在イラストレーターさんとラフ案を製作中です。3月頭には、キャラクターイメージをおみせできるように。と、すすめています。




❏ この絵本の先に、願っていること

この絵本の製作の先に、わたしは「自分に共感する力と文化」が広がっていくことを願っています。自分に共感することとは 、簡単に言えば「自分の気持ちと、心からの願いにきづき、思いやりをもって受け入れること。」 です。

また、自分への共感力が高まることと共に、「思いやり」や「信頼」「安心」「好奇心」
「何があっても大丈夫だと思える事」「勇気」
「自分の存在を大切だと信じられる力」などの内的資源が育まれていくことを願っています。


これらの願いについては、下記noteにより詳しくかいているので、興味がある方はぜひ読んでみてください*

「自己共感力・内的資源をはぐくむこと」を想って、絵本や歌をつくっている個人的な理由


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