Pop yours ~ヒップホップしたいぜ~
ダサすぎるタイトル。
Pop yoursという現時点の日本語ラップ界最高峰のフェスが一週間後に迫っているので、自分のここ三年くらいとヒップホップの関係について振り返って、まとめておきたいと思います。
きっかけ
高3の受験期、センターがいろんな意味で終わって心身ともに大疲弊、腑抜け、落ちる気しかしねぇ、もう全部やめてぇ、めんどくせぇ、てか将来って何?って時に友達から紹介してもらった動画です。カップラーメンの広告を乃木坂がしていて、タイアップで今ほど有名じゃないクリーピーナッツが出ていたことでした。この動画の中で彼らは「カップラーメン」というテーマでバッチバチに韻を踏みまくっていました。元々言葉遊びの類(漢詩とか自由律詩、本当に軽やかなエッセイとか)が好きだったので、韻を踏む音楽というのにハマりました。二次試験対策をやらなきゃならないけど、そういう時に限って他の事をしたくなるんですよね。それからクリーピーナッツのラジオの違法アーカイブを毎日、本当に毎日図書館で聞きまくってたし、その中で流れるクリーピーナッツの曲から入って彼らの曲はあらかた聞きました。一日4〜5時間は聞いてた。いつかライブに行きたいなって思いました。
広がり、「食らう」という体験
彼らのラジオの中では日本語ラップを紹介するコーナーがあるのですが、そこでBAD HOP
(曲名は忘れた)が流れていました。当時最高にアツかった彼らの音楽は本当に新鮮でした。そして、「生き様を全てさらけ出す」というスタンスは衝撃的で、まさにカルチャーショックでした。僕が一番衝撃を受けた曲が、「これ以外」です。
彼らのゲットーからの這い上がりのリリックだけど、悉く自分のことに聞こえました。こんなに強烈に殴ってくるリリックと音、本当にすげぇ、こんなんじゃだめだ、がんばろ。って思いました。
曲に勇気づけられるってよく言うけど、ここまで聴衆に媚びないで勇気を与える音楽ってすごいなと思った。後にこういう感覚を「食らう」という事を知りましたが、あの時に間違い無く自分は食らいました。
カルチャーとしてのヒップホップ
それからいろいろな曲を聞いたし、どういう順番だったのかもあんまり覚えてないです。でも元々韻を踏むという文化が好きだったから、dodoの曲はよく聞きました。これは別にヒップホップに限ったことではないと思いますが、歌詞も音も全部自分で作って自分で歌う曲って、他のアーティストが作った曲を歌うときみたいに「曲を自分のものにする」という作業がない分より等身大でその人の人生を聞くことができると思うんですよね。
dodoで一つヒップホップのカルチャーとして知ったのが「レぺゼン」です。自分の地元をリリックにするという文化。例えば演歌とかは殆ど地方について歌うけれども、観察、描写の対象としての地方。その一方で、「自分の一部としてのある地方」をリリックにするという文化に対して感銘をうけました。何がいいって、肯定的にも否定的にもリリックにするという正直さ。地元大好き!だけではなくて、「あんなクソみたいな街、すぐにでも出たかった」とも歌うっていう。でもそれだけで終わらないで、「そんなクソみたいな街も今の自分を作っている」という事を伝える点に魅力を感じました。知らない土地で一人暮らしをし始めたいう時期的要因も相まって、dodoのnambuは両面性があるレぺゼンの象徴に感じます。
一部を引用しようと思ったら殆どになってしまったけど本当に好きです。
dodoもBAD HOPも川崎出身だけど、同じ地域でもまったく違う見方をしてるんだなと思ったり。
引用が一瞬で終わってしまった。川崎の二面性もすごいってことですね。
この時期で思い出深い曲は田我流の「ゆれる」です。アニメのジャンルでいえば所謂日常系だと思いますが、こういう音楽があるんだと衝撃を受けたことは覚えています。夕方聴きたくなる曲、とかっていうのがよくYouTubeであるけど、夕暮れの街がこの曲に合わせて色を決めたんじゃないかっていうくらいトワイライトな曲で本当に好きです。
イリーガルな音楽としてのHIP HOP
ラップ、ヒップホップに付きまとう「輩の音楽」という側面に対して最初は嫌悪感を持っていましたが、聞いている内にどうしても避けようが無くなってくるんですよね。BAD HOP(名前がなんせワル)とかANARCHY(これまたワル)は「過去の悪さ」をリリックにしているけども、現在進行形で悪い人たちの音楽にもまた魅力があるんだなと思い始めました。その中でも一番は舐達麻のGOOD DAY、ANARCHYとのコラボのANGELAとかは本当にかっこいいというか、善悪を超越しているというか。善悪の彼岸という言葉が好きなのですが、そういう根底から覆していくような意志を感じます。自由への渇望を歌っている点では尾崎豊とかにも通ずる部分があるかも。
まだ未熟な界隈だからこその脆さとか不完全性もありますが、それゆえの「なんでもあり、いいものはいい」っていう土壌が今でも衝撃的な曲がものすごいスピードで世に放たれる一因だと思います。
どうしよう、他にもいろいろあるんだけどもう書くのがめんどくさくなってしまった。
もう毎月のように新しい曲とかアーティストに出会ってそのたび好きピが増えていくからこれからもdigり続けようと思います。そして一週間後、また好きピを増やして沼っていこうと思います。
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