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【高校生向け】「古典芸能×マンガ」何冊読みましたか?

武蔵野大学文学部は、能・狂言、歌舞伎、浄瑠璃など、昔から「古典芸能が強い」大学のひとつです。創立者であった歌人の土岐善麿も、たくさんの新作能を書きました。武蔵野大学に入るなら、ぜひ古典芸能についても詳しくなってほしい。そんな思いからこの記事では、おすすめの「古典芸能×マンガ」を紹介します。

古典芸能ってなんだかよくわからない…と思っている方がいるとすれば、それは当然です。高校までの「国語」でほとんど扱われることがないですし、また主な劇場が東京などの都心部にしかないこともあります。しかし、「知らない」「つまらない」からといって「価値がない」と思ってしまうのは早計です。まずは何事も「知る」ことが第一歩。

とはいえ、何を読めばいいのかわからない、劇場がどこにあるのかわからない…というのが実情。そんな方には、ぜひ古典芸能をテーマとしたマンガに触れるところからはじめてみてほしい。というか、ここのところ古典芸能を題材にしたマンガ、増えていることにお気づきですか…?

まずは何といっても『あかね噺』!
(原作=末永裕樹・作画=馬上鷹将)
2022年から『週刊少年ジャンプ』で連載中です。

破門になった落語家の父の背中を追って、小さいころから落語家になって見返すことを夢見ている高校生の朱音(あかね)の成長物語なのですが、このマンガ自体がおかしみがありつつも泣かせる「人情噺」になっています。

2005年の『タイガー&ドラゴン』、2010年代の『昭和元禄落語心中』を経て、いまは落語家の数は江戸時代以来、最高を更新し続けています。

落語を見たことがなくても、このマンガを読むと、ガチで寄席に行きたくなりますね。寄席という劇場は、全国のどこにでもあるわけではなく、東京に集中していますから、ぜひ在学中に寄席にも足を運んでほしいと思います。

そして、壱原ちぐさの『シテの花』。

こちら2024年に『少年サンデー』で開始したばかりのマンガですが、何とテーマはお能!!!

身体能力の高いダンサーである高校生コタが、ある事件をきっかけに顔に火傷を負って引退したあと、出会ったのが能。まったく能に関心のなかった高校生が、だんだんと奥深い世界に引き込まれていく…という内容ですが、まだ連載開始したばかり。今後の展開が楽しみな作品です。

2025年2月9日(日)および2月16日(日)には、宝生能楽堂にて『シテの花』の原画約8点や作中に登場する能面・装束の一部の展示のほか、能舞台の体験会なども行われました。マンガの外のリアルな世界でのイベントも今後も目が離せません。

そして2024年から連載がはじまったもうひとつの古典芸能マンガといえば!

三国史明の『国宝』です。

極道に生まれた立花喜久雄の数奇な運命!

原作は2019年に第69回芸術選奨文部科学大臣賞と第14回中央公論文芸賞をダブル受賞した吉田修一の同名の小説。

そして歌舞伎×マンガといえば、『かぶく者』(絵=たなか 亜希夫 , 原作=デビッド 宮原 )もありますね。

最後は、講談です。

久世番子の『ひらばのひと』。六代目神田伯山が講談を監修!

講談は、落語とちがって「連続物」の一部を演じることが多い語り芸。おのずと「歴史モノ」が多くなりますし、客席は「聞き入る」ことが多くなりますが、落語と何が違うの?面白いの?と思う方は、ぜひこのマンガから入ってみてください。たぶん、講談師の語りをいちど生で聞いてみたい…と思うはずです。

小学館や集英社ではなく「講談社」のモーニングで講評連載中!

というわけで、この記事ではおすすめの「古典芸能×マンガ」について書いてみました。読んでみたい本が見つかったら、ぜひ入学前に手を伸ばしてみてください。武蔵野大学でお待ちしています。



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