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「武蔵野日文でしかできないこと」がたくさんあります。
はじめまして。日文教員の藤本恵です。
日本の児童文学、とくに童謡や子どものための詩について研究しています。武蔵野大学では、各学年のゼミのほか、「児童文学と詩の研究」という講義を担当しています。
この講義は、私にとって武蔵野日文の象徴です。みなさんはたぶんご存知ないと思いますが、児童文学の研究者(教員)がいて、児童文学のゼミもあるという大学は、日本じゅう探しても、そう多くありません。一方、日本文学のゼミを持つ大学は多いのですが、武蔵野日文ほど、「詩」(短歌や俳句もふくめて韻文)を研究している教員の割合の高い大学は少ないと思います。つまり、「児童文学」と「詩」は両方とも希少なのです。その二つを掛けあわせた科目をおけるのは、日本じゅう探しても、おそらく武蔵野大学だけではないでしょうか。
夫(うちには夫と小5の娘がいます)にこのことを話すと、「それは、需要が少ないからだろ」と揶揄します。たしかに需要が少ないのは事実ですし、それには忸怩たる思いもあるのですが、反面、希少かつ貴重な科目を担当できることに誇りも感じています。
四月から始まる生活や学びのなかで、みなさんにも、武蔵野大学にしかない何かを見つけていただきたいですし、武蔵野日文だからこそできた!と思えるような体験をしていただきたいと思います。いえ、きっと、そんな発見や体験ができると思います。
【読んでほしい本】
最近、私が読んでおもしろかった児童書『しじんのゆうびんやさん』(斉藤倫 偕成社 2024)です。
子ども読者にもわかる(し、きっとおもしろい)物語が進行するなかで、詩についての議論も展開される…と書くと難しそうですが、やわらかい言葉が使われていますから、物語のじゃまをしていません。むしろ、物語を豊かにしていると思います。フィクションのなかでフィクションについて語られる「メタフィクション」というジャンルに分類できる児童書。読んで、児童文学のイメージを広げてください。
【入学前にしておいたほうがよいこと、してほしいこと】
読んだことのない本を読んでください。聴いたことのない音楽を聴いてください。行ったことのない場所に行って、見たことのないものを見てください。
大学の授業が始まる前に、できるだけ自分の間口を広げておいていただきたいです。