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転ばぬ先の山頭火。

絵でも文でも、到底敵わない才能を目の当たりにすると、気持ちがペしょぺしょになってしまうのですが、種田山頭火の言葉でなんとか自棄にならずに生きてます。

天才の語彙力とリズム感のnote見つけちゃったんです。すごい!
読んでいるうちにリズム感に引き込まれてしまう、うずまきに巻き込まれちゃうみたいに……いつの間にか……ぐる……。
プロなのかな?
なんかね、ラップのリリックのようでもあり、散文詩みたいでもある感じで……あ、「パプリカ」って映画、ご存知?
あれの、夢の行列みたいな語彙力しているの。
わかりそうでちょっとわからない。日記かと思ったら、突然「今?」みたいな単語が差し込まれて、その違和感がほんのりひっかかったまま次の文字に進んでしまう……。
ごちゃごちゃした、知らないのに懐かしい路地裏で迷子になる心地よさと言うか…。
あ、いっこわかるのは、多分ですけどその人俳句とか短歌詠めます。おれは詳しいんだ。俳句短歌コンプレックス持ちですから。

ああいうとんでも語彙、文章力の人たちって、どうやってそこに到達したのだろう……そもそも、なにかを見たり聞いたりした時の理解力や、そこから広がるイメージの解像度みたいなものがわたしとは違うのだとは思うのですけれど……。
生まれ持ったレンズが違うのかな。
磨き方が違うだけとかならまだこちらも諦めがつくのですが、生まれつきの性能が違うと言われたらもうどうしようもないです。
どっちにしろ、わたしには全然ない才能をお持ちの文字を書く人を見ると、この人すごいなあと同時に、こうなれなかったわたしが悔しくて、普通に死にたくなっちゃう。
わたしが認めたわたしに、わたしは永遠になれない……。

だけど、そんな時!いつも心に種田山頭火の言葉があり、ほんのり背中をさすってくれます。

Everyman sings his own song and follows lonely path――お前はお前の歌をうとうてお前の道を歩め、私は私の歌をうとうて私の道を歩むばかりだ。驢馬は驢馬の足を曳きずって、驢馬の鳴声を鳴くより外はない。

種田山頭火「砕けた瓦」(青空文庫)より

主に驢馬のところ。
確かに、より良くなりたいなら努力というのは必須です。
だからとて、報われるわけないし、誰かみたいになれるわけがない……自分にできることを必死に磨くしかないのだよな……と思います。

わたしのおばあちゃまの住む町は種田山頭火の出身地なので、山頭火って身近な存在。
何を求める風の中征く……句碑がそのへんにあります。
本格的に興味を持ち始めたのは「文豪とアルケミスト」に種田山頭火が実装されてからではありますが、実装が決まった時には「めっちゃ知ってる人きた……」と勝手に親しみを覚えたものです。

短歌俳句はわたしの苦手なところなので、すごくのめり込むとか、山頭火の作品に詳しくなるとかはないのですが(ないんだ……)ゲームとはいえきっかけがなければ「砕けた瓦」を読むことはなかったし、読んだ結果、わたしを支えてくれる文章に出会えました。
あ〜もう無理ダメって時に、そっ……と支えてくれます。
あんまり寄りかかると折れそうで心配ですが、おじちゃまの枯れ木みたいな腕と、その手指の書いた言葉が、こんにち、わたしをささやかに支えてくれています。
ゲームの山頭火くんは元気いっぱいなので、なんで!?どしたの!?大丈夫!?!?ってわたしの周りをぐるぐる回り出しそうで、それはそれで可愛いですね。

今日も今日とて、わたしは下手の横好きで文字を書いています。
わたしは天才ではないし、秀才にもなれないです。
驢馬は驢馬の声で鳴きますね。
…驢馬の鳴き声知らないな、そういえば。
ちょっとYouTube見てきます。

無害

※画像は山口の「山頭火の小径」にある山頭火さんの足跡(?)と足を並べてみたくなってしまうわたしの足。
半分地元みたいなものなのではっきり言いますが、このあたりってそんなに大きな町ではないので……来られる場合は絶対に車がいい!
あと、駅の近くに「エトワル」という大層老舗の喫茶店があります。階段揺れるけど、是非。
こちらの表紙を飾っております。
お店の入り口にも山頭火の句碑がありますよ。

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無害
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