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味わって聞きたい日本語ラップ:「Away」7 & Liza
むぅちゃんはスマホのMixリストに300曲以上の日本語ラップを入れていて、毎日車に乗ったり作業するときなどに聞いています。そろそろMixリストを細分化しないと聞きたい曲にたどり着けません…
日々新たな音源が出るたびに一人で泣いたりニヤついたり興奮したりと気忙しくしているのですが、誰とも共有できないのが少し寂しいので、noteで勝手に語ろうと思います。
音楽に関する専門的な知識はなく、独断と偏見で感じた良さを語っていきますので、どうかご容赦ください…
今日のおすすめ日本語ラップ
今日おすすめしたいのは7 & Lizaの「Away」です。
7ちゃんとLizaちゃん(勝手ながら親近感とリスペクトを込めて7ちゃんとLizaちゃんと呼ばせていただいています…)といえば、Abemaで放映された「ラップスタア誕生 2023」でトップ10に入ったフィメールラッパーの2人組。
一緒に曲を出すとなってさっそくチェックしたら名曲すぎてシビれました…
「むぅちゃん的お風呂場で熱唱すると気持ちいい曲トップ3」に入りますが、私からおすすめしたいポイントは以下の3点です。
夏休みのような解放感のあるトラックが気持ちいい
等身大の想いを綴る解像度の高いリリックにシビれる
思わず歌いたくなるメロディアスなフックが最高
それぞれのポイントについて、私なりに解説していきます。
おすすめしたいポイント
夏休みのような解放感のあるトラック
この曲を聴いて最初に「お?」と思うのはトラックの気持ち良さでしょう。
ストリングスがぐわっとフェードインしてきて、静けさを残したまま冒頭のフックに突入。まるで晴れた朝に窓を開けたような解放感があります。
冒頭の7ちゃんのフックが終わると「いよいよ!」というタイミングで軽快なドラムが入り、明るくAメロが始まります。
後半の落ちサビあたりでは、ストリングスがほわーっと広がり、どこか夏休みの終わりを感じさせるような切なさを醸し出します。
プロデューサーは、7ちゃんが所属するクルーであり、バー兼レコーディングスタジオでもあるBLACK BOXのメンバーでもあるLion Meloさん。
これまでYoung zettonや炒炒、MIKADOなどの新進気鋭のアーティストのプロデュースも手掛けられています。
7ちゃんのインタビューによると「Lion meloはほとんどBLACK BOXのメンバーみんなのことを見てくれている」とのことで、このトラックも7ちゃんにぴったりだなーと思います。
等身大の想いを綴る解像度の高いリリック
曲を聴くたびに素晴らしいな…と感嘆するのは等身大の想いを綴る解像度の高いリリックです。
早速リリックを聞いていきましょう。
もう戻ってこない24
好きに選べるアルフォート
飛び越える先に夢のpassport
でもさアイツに先越されるのは嫌
「もう戻ってこない24」は24時間のことを指すのでしょう。
7ちゃん・Lizaちゃんのそれぞれがハードな過去を抱える中、時間は戻ってこないけれど、そんな時を乗り越えたからこそ、今はもう「好きにアルフォートを選べる」ようになった。
アルフォートといえば、船のイラストの描かれた例のチョコレート菓子ですが、期間限定の味だと普通のものより量が少ない割に高かったりしますよね。
本当に追い詰められてお金がないときは、アルフォートの味を選ぶことなんてできないけれど、今はアルフォートの味を好きに選べる。
ラップスタアの出演などのチャンスをものにして、彼女たちの生活に少しゆとりが出てきたことを、こんなに短いリリックで解像度高く表現できるなんて…!すっげえや…!
続いて7ちゃんのバースを見ていきましょう。
今日のご飯は何にしよう
何でもいいと突き離す午後
今さら気づいたって遅いよ
信じたないけど雲の上
誰かのしがらみを潜り抜ける
当たり前と思っちゃダメ
パパに言われた
コレで飯は食えねからGo AWAY
7ちゃんは若くしてお母様を亡くされていますが、生前に「今日のご飯なんてなんでもいい」と突き離してしまったことを冒頭に置き、「今さら気づいたって遅いよ」と悔いています。
もし7ちゃんが同じ境遇だったら、きっと誰もがそう思うんだろうな…
このリリックをきっかけに「はっ」とするヘッズも多いのではないでしょうか。
また、お父様から「コレで飯は食えねからGo AWAY」と言われた経験があるからこそ、今ごはんが食べられている現状を「当たり前と思っちゃダメ」と綴っています。
HIP HOPの世界では「セルフボースティング」といって、時に自身を鼓舞するためにも、自分の強さやリッチさを誇示する態度を取ることがあるのですが、このリリックはどこか日本らしい謙虚さを感じます。
アジアから世界を目指す7ちゃんだからこそ日本らしい歌詞を取り入れているのかもしれませんし、等身大の自身の内面を描いているのかもしれませんが、素直に素敵だな~と思えるリリックです。
自分次第 責めない家庭環境
Even though far away
掴む夢はVenti size
終わりないGoal向かう
今Go Away
ちなみに、7ちゃんのバースでお父様から言われた「Go AWAY」はお父様から相手(7ちゃん)に対して向けられているので、「どっか行け」みたいな意味だと推察します。
しかし、サビで二人が歌っている「Go Away」は自分たち(7 & Liza)にかかっています。
そうすると、終わりない大きな夢に向かって今「遠くまで行く(旅立つ)」というような意味と取れるでしょう。
タイトルの「Away」にかかった二重の意味を考えると、おもしろいなーと思います。
続いてLizaちゃんのバースを見ていきましょう。
小1の遠足
隣のあの子はキャラ弁
ママにおねだりしたらげんこつ
だから自分で握ったおにぎり
でも今じゃなんでも出来る
アイツみたいに男に媚びない
自分で稼いでいい夢見る
だからママパパありがとう感謝
Lizaちゃんの幼年時代、お母様がキャラ弁を作ってくれなかったから自分でおにぎりを握ったという過去からバースは始まります。
Lizaちゃんのお母様はロシア人。私自身、母が外国籍なのもあり、日本のキャラ弁という文化に馴染めず、一度もキャラ弁を作ってもらったことはなかったな…と振り返って共感するバースです。
「キャラ弁」というかわいらしいトピックを取り上げていますが、時にはもっとハードな経験もされてきたはず。
しかしLizaちゃんはその経験を今の成功に昇華しています。
自分の手で課題や困難を克服してきた背景があるからこそ、「今じゃなんでもできる」「自分で稼いでいい夢見る」という今を手に入れることができたと語り、「だからママパパありがとう感謝」と締めます。
これを聞いたヘッズもお世話になった家族や友人などに電話したくなるかもしれませんね^^
思わず歌いたくなるメロディアスなフック
しかし、この曲のフックの気持ち良さはハンパないですよね!
思わず歌いたくなってしまうのは、
①言葉を詰め込み過ぎないから、誰でもすぐ覚えられる
②のびやかな高音を取り入れることで、気持ちよく歌いあげられる
②「嫌」を繰り返すパートで、みんなで一緒に肩を並べて歌える1
あたりにポイントがあるんじゃないかなーと思います。
も(↑)う戻ってこない24
(も(↑)う)好きに選べるアルフォート
飛び越える先に夢のpassport
でもさアイツに先越されるのは
嫌(×17) 嫌(×17)
自分(↑)次第 責めない家庭環境
Even though far away
掴む夢は Venti si(↑)ze
終わりないGoal向かう
今 Go Away
※(↑):高音/(×17):繰り返し回数
7 & Lizaの二人が掛け合いながら歌い上げているところも魅力的ですね!
女友達でドライブしながら歌えたらサイコーだろうな…(そんな友達いないけど)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「良いな~」「気になるな~」と思ったらぜひ聞いてみてください!
ちなみに、7 & Lizaの二人では「Lost」という曲も出しています。
こちらもいい曲なのでぜひ合わせて聞いてみてくださいね^^