とりあえず色々言ってみるものだなあ
何日か家の前にいた、枯葉を丸めたような見た目の蛾がいなくなっていた。ちょっと寂しい。
その蛾はそういう種類の蛾なんだなあと思っていたので、名前について考えたことはなかったんだけど、そういえばあの蛾は何という蛾なんだろう?と思って調べてみたら「カレハガ」という種類の蛾らしい。そのまますぎて、一周回って感心してしまった。
シーズンに何回か見かけるので、家の近所で細々と子孫を残しているのだろうなと思う。
すれ違ってなかなか会えないでいた同僚に会社でやっと会えたので、今月で退職することを伝え、借りていたものを返した。
退職することを初めて知ったその子はすごく真剣に今の会社に引き留めてくれて、一緒に頑張って行こうよ。と諭してくれた。その気持ちが本当にうれしくて、涙腺がウルウルしてしまったが、やはりもう決めたことなので、と意志を示す。
完全に道を決めて、退路を閉ざしてから報告していなかったら絆されていたかもしれない。意思決定に一番働きかけてくるのは気持ちなんだなと実感した。今の職場では嫌なことも多かったけど、一緒に過ごした同僚たちは本当に良い方ばかりだったな。
帰宅すると、前日作って結構な量残してあったはずの野菜スープが跡形もなくなくなっていた。夫が昼食にすべて食べてしまったのだ。絶句。
どうしてすべて食べてしまったのかを問い詰めると、「そんなに残ってなかった」と言う。どれくらい残っていたか改めて聞くと、ラーメンどんぶりに一杯程度しか残っていなかったという。
普通の人間はラーメンどんぶりに一杯の野菜スープは飲み切らないと思うんですがどう思いますか。
極限までお腹が減っていた状態で、食べようと思っていたものが無くなっていたことでめっちゃくちゃ不機嫌になってしまった私だったが、さらに実家から追い打ちで住民税の払込票が届いたという連絡がありもはや地獄だった。地獄。
うちのリビングの棚には夫の趣味でやたら酒瓶が並んでいて(数えてみたら24本あった)、趣味で夫がカクテルを作る用らしいんだけど、付き合っている当初から一度も使ったところを見たことがなかった。夕食中、夫がおもむろにその中のひとつのリキュールを水割りにして飲み始めたのだけど、それが柑橘っぽくてやたらおいしそうに見えたので「うまい酒が飲みたい」と言ってみたところ、私の地獄の機嫌も相まって気が向いたらしく、いくつかリキュールを使ったカクテルを作ってくれた。数か月にわたり、「何年も口さえ開けていないリキュールは処分するように」と言われつづけたプレッシャーもあったのかもしれない。
とりあえずいろいろ言ってみるものだなあとおもった。いちにちの最後に美味い酒が飲めてよかったです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?