第7回公演「店出す」 個人的感想
メトロンズの公演の中で1番好きなのが、第6回公演の「寝てるやつがいる」だったのですが、また過去最高を更新してきました…。メトロンズとんでもない演劇ユニットです……。
ひとまずXに感想を書こうかなと思っていたのですが、書ききれなさそうなので初めてnoteにまとめてみました。的はずれな考察とただ個人的感想を述べているだけの文章ど素人なので、温かい目で見てください。
あらすじ
登場人物
中西(演:田所仁)
店を出す張本人だが、優柔不断でなかなかコンセプトを決めきれずにいる。
初日に見た時はあまりにもの優柔不断さや他人の意見に流されやすい感じに、大倉に次いでイライラしたけど、良くも悪くも子どもっぽいなと感じた。その子どもっぽさが憎めない感じもあるけどね。あと、最初はふわふわしてたのに黒田と大倉の喧嘩がきっかけでガラリと変わった表情も良かった。
川元(演:関町知弘)
中西の中学の同級生。
高校の後輩でリフォーム系の仕事をやっている岡崎を連れてお店の手伝いにやってくる。
川元は本音をなかなか言えないキャラクターで、めちゃくちゃ共感してしまい、味方にまわってしまいたくなる。とりあえず応援したい。
あと、岡崎と葉山が専門的な話をしている時に輪に入れなかったり、コンベックス(メジャー)が上手く使えずあたふたしたりする姿が刺さりすぎて首がもげそうになった。三尺エピソードを思い出して笑っちゃったけど。(ライスのミラクルビュッフェ#19より)
関町さんは、役を自分に落とし込んで表現するのが上手いので、キャラクターの人間性がよりわかりやすく伝わってくる。
黒田(演:KAƵMA)
中西が以前勤めていた会社の元上司。
自身もお店を経営していた過去があり、中西の相談にのっていた。
個人的に1番好きなキャラ。
実直なうえに熱くなるとついカッとなってしまうけど、その人間臭さがとても良い。
また、今回はKAƵMAさんの表情に惹かれてしまった。大倉と話している時のイライラが抑えきれない顔や苦虫を噛んだような顔がたまらなかった…。
大倉(演:児玉智洋)
中西と川元の中学の同級生。
中西の手伝いで店にやってきて、アイデアを出すが…
はい、今回の物語のクラッシャーです。
洋楽かぶれ、通ぶった感じ、自分のアイデアを通そうとする頑固さ、リアルにこんな嫌な人いるわのオンパレード。
ラジオで仁さんが「今回、児玉は難しい役所だから」てぽろっと言ってたけど、確かに難しい。
それをリアルに演じられる児玉さん。
児玉さんが好きってのもあるんだけど、どうしても
メトロンズはこの人を目で追ってしまう。
自分が話の中心にいない時やあきらかに機嫌が悪くなっている時の表情、仕草、声のトーンがぞくぞくした。
岡崎(演:赤羽健壱)
川元の高校の後輩でリフォーム系の仕事をやっている。
自分の思っていることははっきりと言えるタイプで、他に足がついている。かわいがられる後輩キャラでもあるけど、怒らせたら怖そう。
ほとんどのキャラが人間的にどこか不安定だった分、よりしっかりして見えた。
赤羽さんはコメディな演技もいいけど、クールで貫禄のある演技の方が個人的には好き。
葉山(演:村上純)
黒田の知り合いでデザイナーの仕事をしている。
村上純史上最ものハマり役と言っても過言ではないくらい、場の空気を支配していた時が多かった…!
喋るだけでウケてたし、ある日は息を吸うだけで笑いをとってたらしい(ハマりすぎ)
村上さん曰く、役作りを全くせず稽古初日で完成してたらしいけど、デザイナー業界でいそうな癖のあるキャラを魅力的に演じちゃう村上さんもすごいよ。
ストーリー
不穏な空気の中、大倉が提案した炭鉱が店のコンセプトに決まりつつあったが、川元が作ったしょうが焼きがきっかけで、大倉と川元の立場が逆転。
この見事な逆転っぷりが痛快だった。
話の中心が川元になり、大倉は機嫌が悪くなるのだが、その態度を見た黒田が痺れを切らし、喧嘩になってしまう。
この喧嘩の場面も現実だったらめちゃくちゃ地獄なんだけど、舞台を通して第三者目線で見たらめちゃくちゃおもしろい!
KAƵMA脚本は人間関係や気まずい空気など日常に潜む地獄を書くのに長けている気がして、そこにコメディをプラスして笑いに昇華できるのがメトロンズの良いところだと思う。
ストーリー終盤は、2人の喧嘩の仲裁に入った中西が突如店を出すのを辞めると出て行ってしまう。
店を出すという計画は白紙になるかと思われたが、まさかのある人物が店を出すことになるというオチに最初は驚いた。根本的なこと解決してなくない!?と思ったが、このちょっとした後味の悪さがKAƵMAさんだよな…!
好きなポイントと気になったところ
黒田と大倉
黒田は自己紹介する時、川元と岡崎には握手をしていたけど、大倉だけにはしていなかった。やっぱり初めて見た時からこいつ苦手だって思ってたのかな。
岡崎と大倉
スコットダンバーの話をしている時、岡崎が大倉の名前を覚えられず、「えっと…?」って2回くらい聞いてる笑 ナチュラル過ぎて最初は気づかなかったけど、こういう少し引っかかる細かい描写もKAƵMAさんらしい。
中西の今後
店を出すことを辞めてしまったわけだけど、あの店の結末を知ることはあったのかな…。
川元との関係はこれからも続いててほしいな。
キャラクターと演者
ライスが同級生、しずるが旧知の仲設定なの良いよね。ただのコンビ厨です…。すいません…。
細かいセリフや動き
観客のアンケートを基に千秋楽まで細かい調節を行っていたけど、日によって戻したり、付け加えたりしているセリフや動きがあったから日替わりな部分もあったのかな?(黒田が葉山を迎えに行く時に店の電気を消す/消さない、大倉の機嫌が悪くなった時に袖を噛む/ダンボールをいじる)
関町褒められていない問題
今まで関町さんが褒められてないって本当?!
関町さんがいるからこそ、メトロンズが表現する
人や人間関係の嫌な部分が輝くと思うんだけど??
関町さんはキャラもあるけど自己肯定感が低い感じするから、良いところを本人に伝えたい…。
舞台装置
壁から階段が出てきたり、反対側の壁に小窓のような仕掛けがあったりと物語をより盛り上げる演出となっていて良かった!
観ている時は、あの壁はどうやって動かしているのかなと思っていたが、まさか児玉さんが引っ張っていたとは…。千秋楽では、ちょっとしたハプニングも起きていたのもおもしろかった笑
感想が長くなってしまいましたが、とりあえず声を大にして言いたいのは、メトロンズ最高!!ということです。
これからメトロンズが大きくなってたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいです。
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