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Tomo Poetry、本の隙間をすりぬけていくもの。

戦国時代 死者と生きているものがすれちがう 靖国通り 白山通り いつかの記憶があるいている 磁石がまわっている 神は 風の方向を保たない カレー屋と中華蕎麦屋が点々と 東京に穴をぽつぽつと 言葉の苑 映像の黒い穴 ぴょんぴょん飛びながら 時間の川をとび 自分の 人生の織り目を のぼりくだり 生きていく とうめいな蛇のように 地下鉄 そのしたの闇 わたしはそこをあるく 一緒に 迷い続ける兵士と会社員 赤ん坊のような 足音 リズムの隙におちる 教会の鐘が まだなっている きみは 夢をみながら いびきを響かしてしる あおい星と 箒星が 出口を見つけられず 今夜も だいどころをとびまわっている 聞かせてほしい 存在する その 鼓動を 映像の裏側で トントン鳴る いのちを かならず存在すると言われる出口を求めているのだ 一番出口の うどん屋には 持ち主がいない靴が並ぶ 漢字やアルファベットが 靴を履いて 白山通りを歩いている わたしもたまに かれらのひとりになって帰る 死ぬ場所を探して あゆむ かわいた音 かわいた言葉 になるために 言葉にならない音 その一列を うどんのように 繰り返しのみこみながら 朝の 数分 顔も靴も地を踏んでいる

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