ふつうのゾンビ
今日もお腹を満たすために
死んだ僕らが生きるために
誰かの肉に食らいつき、誰かの血を啜りながら唸る
僕らはいつまで生きるのか
僕らはどこまで増えるのか
そんなことを言う奴がいた。真面目に今日も独り言ちる
あいつは肉を探すことも
人を襲おうともせずに
誰の肉も食わないから、自分の左腕をまた齧る
これを僕らの世界では、何もしない無気力な奴という
腐っていて食えないから、どこかに行けと追い出されている
ああ、今日も誰かの肉がうまい
知らぬ誰かの肉はうまい
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?