小学生で恋愛を諦めた男のトラウマの話〜あの日貰った年賀状の意味を僕はまだ知らない〜
恋愛とは何なのか。分からんね、なんも。なーんもわからん、オタクやし。
子孫を残すという、ナマモノとしての至上命題の前段階にあるもの?そうかもしれんね。
では我が国において、法律的に子孫を残すことがはばかられる清き少年少女の恋愛はなぜ起こるのか。楽しいから?恋に理屈はない?それもそうかもしれんね。
恋愛、難しいですね。もっと噛み砕いて赤ちゃん言葉で教えてくれる相手が欲しい。そんなことしてくれる相手がいたら惚れてしまうね、恋愛耐性雑魚やし。
そんな恋愛弱者の私にも、恋に色めき立った時代がありました。小学生時代です。
小学生の恋愛、ほほえま〜〜。文字通り恋に恋するお年頃から生じた人間のバグですね。かわいい。
ところで今回のお題は「不思議体験」ですが、僕の中でもはや霞がかったこの記憶は、「もう一生出会う事のないであろう体験」という意味で、極めて貴重で、今でも理解できない、つまりは「不思議な体験」であるわけです。レギュ違反じゃあない。そうかな…そうかも…
それは小学生4年生の頃、いや3年生の頃だったかもしれない。刹那で忘れちゃった。都合悪い記憶なので
季節も定かではないそのある日、学童に集った私含む3人の子どもたちは、頭をつつき合わせ、話し合っていたわけです。
「クラスに好きなやつおる?」
あまずっぺぇ〜〜〜〜〜〜〜。かわいい〜〜〜〜〜〜。ここ人生で私が最も可愛かった時期では????人生のかわいいピークを小学生で迎えちゃってたワケ。なお今。
しかしその時の私は、意中の相手などいなかったわけで。そもそも今に至るまで恋愛の事などよくわからんのです。小学生で恋愛というものを熟知しているのはToLOVEるの結城美柑ちゃんくらいのものでしょう。
恋愛の事がなにもわからず、意中の相手がおらんかった純真無垢なキッズたる私はこう答えました
「おらんし今から作るわ」サイコか?
そうこうして3分ほどで雑に好きな女の子(呼称Mちゃん)が決められました。
ここでひとつの問題が発生します。他の2人の意中の相手もMちゃんだったのです。
小学生のキッズが好きになるのなんて顔がいい子ですので、そりゃクラスで一番可愛い子に集中してしまうわけで。顔がいいってのは罪やね〜。来世の夢は顔がいい男に生まれることですね。夢は見るだけタダだぞ?語るのもタダだ。コスパいいね。
そんな意外な偶然に3人でひとしきりゲラゲラ笑いあい、話し合った末、ひとつの結論が生まれます。
「明日全員Mちゃんに告白しよう」
潔すぎるな、怖いもの知らずキッズ。いや怖いもの知らずではない。怖いものは沢山あります。お化け屋敷が怖すぎて突入後3歩で入口から逃げ出しことがあるので。や、某カオナシの横にマネキンの首が2つ置かれてる絵面はさすがに怖すぎるから。
家に帰った私はリビングで便箋に思いの丈を綴り始めました。その際母になにをしているのかと聞かれ「ラブレター書いてる!」と返した純真無垢な私。
我が子の確かな成長を目の当たりにした母の心中やいかに。なおこの記憶を思い返している今の私の心中は、恥ずかしさに枕に顔をうずめ足をバタバタし奇声を発するなどしています。そんな記憶があと5兆個くらいある。恥の多い生涯を送ってきました。
かくして時代錯誤の恋文をしたためた私。翌日はいつもより少し早くに登校し、Mちゃんの机の中にそれを忍ばせました。
ソワソワとしながら彼女の登校を待っていると、Mちゃんが登校してきました。
それに気がつくのが遅れた私。先に動いた私以外の2人。Mちゃんが席に着くやいなや2人は同時に告白しました。
「好きです!付き合ってください!」
出遅れたと思った私も後から追いつき叫びます。「俺も好きです!」俺もて。なっさけないのお!!!
当初の予定では口頭で告白する予定はなかった気がします。そのためのラブレターなので。SHYボーイやね。でも勢いで言っちゃったんでしょう。大事だね、勢い。今の私にはないものです。若さは凄いぞ。小学生はすげぇよ。
そんな3人からの怒涛の告白を登校直後に一身に受けるMちゃん。そんな彼女が示した反応は━━━━
泣き出してしまいました。
あああああああああああああああああああああ苦しいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ思い出したくないいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。
その後のことは正直なにも覚えていません。その時のクラスの雰囲気も、どのようにその場が収まったのかも。
ただひとつ覚えているのは、その日の掃除の時間、階段から降りてくるMちゃんを視界に収めた私が、咄嗟に近くの男子トイレに身を隠したことです。
その行動が、朝は誰も答えを貰えなかったために、その答えをその場で言われること、あるいは何か彼女に罵倒されることを恐れていたことは鮮明に覚えています。
鮮明に覚えている、というかこれがタイトルにあるトラウマなわけで。
そこでこの一連の告白騒動は、記憶の限りでは終わりです。私含む3人のうちの誰かがMちゃんと付き合うこともなければ、口頭で「いやお前は無理!」とこっぴどく振られることも無い。告白シーンだけで終わりな訳です。
でもトラウマなんだなぁ、これが。他の記憶は割と曖昧ですが、Mちゃんが泣き出すところと私が隠れる時の心境はあまりにも鮮明なのです。苦しいいいいいいいい。
それとラブレターですね。ラブレターなんて物的証拠を送ってしまったのはやっちまったなぁと今でも思います。
机にしのばせた、その時の私なりに必死にきれいな字で書いた、その時持っていた一番可愛らしい便箋にしたためられたそのラブレターがどうなったのか。そもそも読まれることはあったのか、私は知りません。
十中八九捨てられているのでしょうが、Mちゃんがラブレターを処分する画を想像するの、結構きついんですよね。
あまりにも雑に決められた意中の相手、その子の泣いている姿、隠れた時の自分の惨めさ、ラブレターの行く末、全ての記憶があまりにも苦く、そして忘れられないのです。つまりはトラウマです。
その後はMちゃんにこちらから話しかけるようなことはなかったように思います。彼女がどう感じていたか知る由もありませんが、少なくとも私は気まずかったので。なのでこの話はここで終わり、終わりなんだよロック。
と、思いきやです。一応話は続きます。エロゲのクリア後のエクストラシーンみたいなもんです。いやバッドエンドの後のエクストラシーンってなんだよ救済措置かなんか?蛇足じゃない?
数年後の小学6年生の冬休み直前、友人(一緒に告白した彼らではない)と2人で話していたところ、Mちゃんが声をかけてきました。
「年賀状、いる?」
その時の驚き、これもまた今でも忘れられないものです。驚き以外にも、様々な感情が一瞬で全身を巡ります。
なにより大きい感情は喜びでした。「年賀状をくれるということは、彼女は私を避けていなかった」と。
当然困惑もしましたが、Mちゃんの真意を確かめる度胸もないチ○ポコの小さい私は、努めて平静を装い、「欲しい!!!!!!」と返しました。そして住所を交換しあうのです。
そうして冬休み、年賀状の準備をします。
書きながら思ったんですけど、数年前に一方的な押し付けであるラブレターをしたためていた男の子が、数年越しに今度はお互いに交換し合う、つまりは一方的ではない年賀状をしたためるシチュ、めっちゃいいな。これが俗に言うエモいなのか????こういう気づきがあるので思考や記憶を言語化するのは面白いですね。創作する諸氏はこのシチュ使っていいぞ。
年賀状についてですが、毎年友人に送る年賀状も親が作る「家族写真入り汎用年賀状」に一言付け加える程度だったので、どんなものを送るか非常に悩みました。
や、家族写真入りを送るのはなんか嫌だったんですよね。たまに学校外で親と一緒に居る所を見られるときの恥ずかしさのようなものを感じていたのでしょうか。あれマジで恥ずかしくない?全人類共通だと思うのアレ。
結局、その時学校中で大流行していた家庭教師ヒットマンREBORN!のキャラクターであるスパナというキャラクターを描いた気がします。別にMちゃんが好きなキャラクターとかではないです。当時の僕が好きなキャラです。というかMちゃんがリボーンを好きなのかすら知りません。そういうとこだぞお前。
かくして、数年前のことに触れることも無く、スパナさんのイラストと「あけましておめでとう。良いお年を」というテンプレ文言だけが書かれた年賀状はMちゃんの家に送られ、我が家にはMちゃんからの年賀状が届きました。
そのMちゃんからの年賀状なんですが、何が書かれていたのかさっぱり覚えていないんですよね…。自室の机の引き出しに入っているはずなので、今度帰省したら確認してみます。
まぁ覚えていないということは大したことは書いてなかったんでしょう。
はい、これで話は終わりです。え?マジ?
マジでこれで終わりなんですよね。僕とMちゃんの思い出。
冬休み後、年賀状を交換について会話をした記憶はありますが、それだけ。仲の進展すらなし。こちらからも向こうからもよく話しかけるようになるわけでもなし。そんだけ。私SHYボーイってかチキンなので。
「特に仲良いわけでもないのに年賀状くれるってことは、脈があるのか…?」という気持ちも当時多少抱いていました。
翌年の年末、別に特別仲が深まった訳でもないので、年賀状をどうするかには悩みました。
あちらがもう送るつもりもないのに、こちらから送ってしまうのは迷惑なのではないだろうかとか考えてましたね。なのでMちゃんから今年も送られてきたらこちらも送ろう、と。
まぁ、こなかったんですけどね、終わり。
あそこで自分から送ってたらなんか変わってたんですかねー。いや変わってないでしょうねー。その後の中学、高校の僕が人生で一番陰キャでキショかったので。服にも髪にも顔にも気を配らないオタクだったので。この中2から高3の自分のキショさの副作用で今でも自分が写った写真は見れないですね。自撮りできるマンandウーマンほんと尊敬してる。
そんなわけなので、仮にあの時年賀状を送っていたとしても、特に何か起こるはずもないでしょう。
なのでMちゃんとの話は今度こそこれでおしまい、おしまいなんだロック。
それでまぁ、それ以来好きな女の子は出来ないわけです。
中学から高校は見た目、趣味、性格まで全てがキッショい陰キャオタクなので、誰かに好かれることもありません。僕も僕のこと嫌いだし。
大学からは、前のnoteにも書きましたがFラン私大に入学し上京しました。この頃から身なりに多少気をつけるようになりました。
オタクかつ身なりもキショいとか公害なので。でもオタクは辞めれんのでせめて身なりだけでも、なりたいよね、人間。
目的が「人間になる」だったので、身なりには気を使いつつも、特に好きな子はいませんでした。
ただ、大学3年の秋、いつもつるんでいた陰キャ友人4人組のうち、私以外の全員がめでたく彼女を作ることに成功した時、さすがにいかんと焦り、ややあって彼女が出来ました。その辺機会があればnote書きたいですね。
ただまぁ、付き合って20日で破局しましたね。お互いに好きでもなかったので。
大学も卒業して社会人になりましたが、異性、未だに好きになれんね。むずいねー人間になるのは。
というか異性と話すの、怖いね。表面上はバレないよう平静を装いながら話してますけど、やっぱバレてるんですかね、オタクの小賢しくよそおった言動なんか。
怖いねー。
というより、なんであの時Mちゃんは年賀状をくれたんでしょう。
声をかけてくれた時、一緒にいた友人のついでだったのかもしれません。はたまた、小学校生活最後の6年生だからと色んな人に声をかけていたのかもしれません。
その辺、確認したくなかったんですよね。傷つきたくないので。自分大事。
今となっては確認する術もありません。
そうして私は、なぁなぁで決まった企業で就活をやめ、ゆずソフトの作品に傾倒していったのです。彼女いた時よりエロゲしてた時の方が人生充実してンだわ。
綾地寧々さん最高!!!!!!三司あやせさん最高!!!!!!!!!!!
純愛もの最高!!!!!!!!!!!!!!
以上
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?