万聞は一見に如かず!!室堂平からの立山連峰縦走
10月頭に登山の対象としても観光地としても超一頭地である立山に人生で初めて訪れました。
立山は以前から行きたいとは思いつつも意図的に避けていた場所です。
結果的に最高過ぎたので今更ではありますが記事にしてみました。
なぜ立山を避けていたのか?
立山への長野県側の玄関口である扇沢駅まで地元からはマイカーで約3時間程度で訪れることができます。
日本屈指の山岳地帯へアクセスする上では比較的恵まれた立地住んでるなと思います。
にもかかわらず訪れなかったのは立山に次のようなイメージを抱いていたからです。
・絶対に乗るアルペンルートの値段が高い
・テント場が近くて面白くなさそう
・映えを意識したキャンパーが多そう
・観光地過ぎて登山として楽しめなさそう
ほとんどが偏見です。
景色は確かにすごいだろうけど、高いお金を払い、乗り物で登り、わざわざ混雑している山に行くのはなんか違うなぁと思い、同じ北アルプスでも別の山を優先して登ってました。
避けていた立山になぜ訪れたのか
今回は登山にブランクのある2人の学生時代からの友人と行くことになりました。
登ったことが無い山
稜線歩きを楽しみたい
テン場でゆっくり過ごしたい
友人2人の体力が心配だからなるべく荷物を少なくして登りたい
そんなことから行き先として立山に白羽の矢が立ちます。
黒部立山アルペンルートの値段は高いだけのことはある
長野県側の立山への玄関口である扇沢駅までは安曇野ICを降りてから狭い山道やカーブの連続を走ることなく到着しました。
登山の時は行きも帰りも寝不足や疲れ切っていることが多いので運転が楽なのはとても助かります。
黒部立山アルペンルートのチケットは事前のネット購入がおすすめです。
スマホのQRコードを発券機に読み込ませてすぐに発券されました。
登りの便だけ時間指定がありますが帰りの便は特に時間指定は無いようです。
(指定した時間以降であれば別の便でもOKっぽいので乗り遅れても大丈夫そう)
各乗り物は特徴的なものばかりで、乗っている間も車内アナウンス等で詳しく説明があります。特に扇沢から乗る電気バスでは距離が長いこともあり黒部ダムの説明も聞くことができます。
トンネル内にも当時の工事の後などが残っていてアナウンスによる説明もあるので可能であれば進行方向が良く見える位置を確保することをお勧めします。
またそれぞれの駅で天気が良く紅葉の時期に片足を突っ込んでいたこともあり絶好の景色を楽しむことができました。まだ山には登っていませんがこの時点で既に来てよかったなと感じています。
途中の各駅には売店もあり、軽食やお土産、お酒なども買えますが、基本的には立山最寄りの室堂でも買えます。
アルペンルートのおかげで山でよくある、標高が高いほど物のレートが上がる現象も室堂まではほぼ無いので道中で無理に買う必要はないです。
(黒部平の駅で売ってるほたるいかの素干しは激ウマなのでぜひで買ってください)
室堂駅には売店の中にThe North Face のショップが併設されており朝7時からOPENしているので、ギアの忘れ物はこちらで買うのがいいかなと思います。
他のの売店にもTシャツ等は売っていますがTHEお土産って感じです。
これだけのホスピタリティで標高2450mまで連れていってくれるので単純な登山口までの移動手段ではなく観光列車的な要素も含んでいると思えば往復1万円弱でもアリかなと思いました。
逆を言うと天気が悪かったりするとここまでの満足感は得られ無かったろうなと思います。
室堂平周りの圧倒的なホスピタリティ
室堂駅にはホテルが併設されています。
前述したとおり売店も食事をとれる場所も自販機でも何でもあり。
下界とほぼ変わらないです。
また室堂駅からおよそ1時間の場所にある私たちが宿泊した雷鳥沢キャンプ場までの路面は整備されており、アップダウンは多少ありますが正直サンダルでもスニーカーでも歩けます。
雷鳥沢キャンプ場までの道ではなく、室堂平のほとんどの道が舗装されているので山のぼりしない方でも安心して景色を楽しむことができました。
雄山へ登る途中にある一ノ越小屋までの道まで舗装されていたのには度肝抜かれました。
雷鳥沢キャンプ場には水場があるので、水について心配する必要はありません。
少し離れていますが温泉を有する小屋複数個所あり、日帰り入浴も受付ているので汗かいた身体でそのままシュラフに潜り込むあの不快感も感じず。登山後にさっぱりリフレッシュしてから寝ることができます。
肝心の縦走はどうなの?
雷鳥沢キャンプ場をベースキャンプとしてアタックザックで登れるので感覚としては日帰り登山に近いです。
また室堂駅には前述したホテルもあるのでテント泊や山小屋泊に抵抗がある人でもチャレンジできると思います。
今回は
雄山→大汝山→冨士ノ折立→真砂岳→別山
を縦走しました。
室堂平周辺からすでに森林限界を超えているので樹林帯に一切入りません。
稜線に出ると景色は抜群で室堂平や他の北アルプスの山々、冨士山そして富山湾まで見ることができます。
危険個所もほとんどなく難易度的には低いと思います。急な登りだと感じたのは一ノ越小屋から雄山までの登りと別山への登りくらいで他はなだらかな稜線歩きで気持ちよく進めます。
個人的には別山からみる剱岳の雄大ですが恐怖を覚えるようなその姿に一番感動しました。
一方で縦走はせずとも雄山までは登るという人が多く、一ノ越小屋から雄山までの急登は渋滞気味でかなりにぎわっています。
ハードな縦走が好きな人や樹林帯が好きな人、一人で静かに落ち着いた登山をしたい人には向いていないかもしれませんが見晴らしの良い稜線を景色を仲間と楽しみながら歩くにはもってこいだと思います。
どんな人におすすめ?
今回の私たちのような体力差があるパートナー(登山の経験が浅い友達/家族)でゆっくりのんびり過ごすにはもってこいだと思います。
またベースキャンプ型の登山で温泉も水場にも困ることが無いので初めてのテント泊や初めての北アルプスにもおすすめです。
ここはどうにかならないか・・・
最高だった立山ですが残念ながら観光地と登山エリアの境目がほぼ無いに等しいので、ジーンズで登山のエリアにいる人や、地図も持たずに登山道を進み、悪びれもせずにどこから降れば聞いてくるような人もいるのが事実です。
普段登山しない人たちは悪気が無いのかもしれませんが事故を起こしてからでは遅いのでどうか事前調べをしっかりして登山に臨んでほしいです。
(周りにガチガチの登山装備の人がいるのに何で未経験者が軽装で行けると思うんだろうと不思議ではあります。)
これは同じく観光地と登山エリアの境界があいまいな尾瀬でも感じました。
普段登山しない人たちの認識を改めることは難しいと思いますが、どうにか行政やアルペンルートの管理会社には注意喚起を強めてほしいなと思います。
偏見ダメゼッタイ!
偏見から後回しにしていた立山ですが、行ってよかったと声を大にして言いたいです。
今の世の中ネットで嫌でも大量の情報が入手できるので山に関わらず実際に見たりせずに批判したり避けがちですがやっぱり良くないなと今回の山行を通じて改めて感じました。
次回は登山は抜きにして家族や友人をつれてホテル立山に泊まりゆっくりリゾート気分を味わうのもいいかなって思ってます。