「世界中の人々が健やかに生活できる社会に貢献する」 という大義の下で、求められるブランド責任者の仕事の本質とは。 <後編>
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おちぃ:Kさんが実際にブランド責任者に就任されてから感じられる、就任前とのブランド責任者に対する仕事内容のギャップはありますか?
K:「ブランド責任者」というと、ブランドイメージを作りだす“クリエイティブ”な仕事という印象を持たれるかもしれません。ただ、それは多岐に渡る責任範疇のほんの一端に過ぎず、実際のところは、常に「数字」と常に向き合い、「数字」をもとにあらゆることを判断していく“イミテイティブ”(模倣的)な要素がとても強い仕事です。
営業部門と立てた売上計画と実績について「数字」をもとに商品カテゴリー毎に分析し、減少していれば原因・課題は何か、対策としてどのような手を打たなくてはならないのか?それをチームで一緒に考えていく。この時重要なのが、課題や対策もすべて「数字」をもとに語られることです。とくに販促やプロモーションなどは、市場環境の影響を受けやすいため、細かくPDCAを繰り返すことが欠かせません。その際、何を根拠と考えるか、カスタマーボイスに準じているか、など、厳しくチェックすることを心がけています。
その上で、“変わる”ことを認める勇気も大切だと考えます。どうしても、自分が強く携わってきたことは固定観念を抱きがちです。でもそれは願望であって真実ではないかもしれない。だから、私情をはさまず正しく判断する意味でも「数字」は大切です。「数字無くして戦略無し」これは就任当初から徹底的に鍛えられたなと感じます。
おちぃ:『SIXPAD』はブランド立ち上げ以降、着実に成長を続けている印象ですが、Kさんがブランド責任者として経験した挫折や苦悩など、印象深い出来事はありますか?
K:私のブランド責任者人生の中でも決して忘れられないことの一つが、某大手出版社より『SIXPAD』の広告出稿をしようとしたところ、NGが出てしまったということですね。
理由としては『SIXPAD』に搭載されている「EMS」に対する誤った解釈やイメージが業界全体・世の中全体にまん延しており、そういった偏見がまだまだ拭えていない、ということでした。
EMSとは、電気刺激によって筋肉へ直接信号を送り運動させる技術で、トレーニングやヘルスケアなどの市場で大きな可能性を秘めた、とても素晴らしい技術だと捉えています。
しかし、遡ること約10年前。当時は、空前のEMS機器ブームが到来していて、TVショッピングの通販を中心に「着けるだけで痩せる」や「効果が出る」という誇大広告が横行していました。粗悪品も多く出回り、中には健康被害を訴えるケースもあったそうです。
我々はそのような状況の中でEMSブランドを立ち上げるわけですから、一筋縄ではいかないわけです。当時『SIXPAD』というブランド認知の獲得は堅調に進捗しており、EMSという技術に対しても着実に“認知”され始めていると感じていましたが、正しい“理解”を得るにはまだまだ高い壁があるという現実を痛感させられました。非常に悔しかったですね。
今では、10大学5病院3行政とEMSに関する共同研究に取り組み、研究成果の学術発表を国内外で随時行っています。エビデンス取得数は230を数え、その有用性や信頼性も相まってか、井上尚弥選手や菜々緒さんなど、一流の方々に製品を認めてもらい、愛用いただけるまでになりました。
今思えば、あの広告出稿できなかった一件も、『SIXPAD』ブランドが目指す大義に立ち返るきっかけをつくってもらえた出来事として、感謝するべきなのかもしれませんね。
おちぃ:ブランド責任者Kさんが考える、今後の『SIXPAD』、そしてEMS技術の可能性について教えて頂きたいです。
K:今、日本の高齢化は着々と進み、社会保障費はここ30年で約3倍に膨れあがりました。今では日本の歳出の約35%を占める最大の支出項目となっており、その一部は借金で賄われています。この国の財政破綻をも助長させかねない事態に対し、内閣府は高齢者の「健康寿命」の延伸を指針として示し、その中にEMSの必要性が組み込まれることになりました。
我々は、今後『SIXPAD』を通して、EMSという技術がトレーニングやヘルスケアなど、あらゆるシーンのスタンダードとして必要とされる世の中を創っていきたいと思います。その為にも、まずは学校をはじめとする教育現場への啓蒙はぜひ促していきたいですね。部活動で筋肉を鍛える子供たちや、ケガなどによりこれまでのようにトレーニングができなくなってしまった選手たちが当たり前のようにEMSを使う。またそうした正しいトレーニング方法を身につけた子供たちが、次の後輩たちにもEMSの知識を広めていく。この好循環を生み出すことで、MTGが目指す「VITAL LIFE(=世界中の人々健康
で美しく生き生きとした人生)」の実現にも寄与できると考えます。
おちぃ:最後に就活生のみなさんへメッセージをお願いします。
K:皆さん、今沢山の業界や企業に出逢い、就活真っ盛りといったところでしょうか。
MTGでは、様々な分野に知見を持つ先輩社員たちが、企画マン、開発マンとして一緒にブランドを創り上げています。
例えば、「SIXPAD Bottom Belt」という、効率的にヒップトレーニングができる商品があるのですが、それは工学部出身の社員と運動生理学出身の社員が企画/開発しました。それまで男性イメージが強かったSIXPADの可能性を大きく広げてくれた印象深い商品の一つです。ほかにも、まだ詳細はお伝えできませんが、現在開発中の新商品は、理学療法士の資格を持った社員と理学部出身の社員が企画/開発を進めてくれています。
このような異種格闘技戦のような議論が至るところで行われているわけですが、共通する部分もあると感じています。それはみんな「VITAL」な一面を持っていること。一人ひとり個性を活かし、MTGの企業理念にもある「一人ひかる」を体現するべく、日々切磋琢磨しながら業務に努めています。
ぜひ、「VITAL」な学生さんと一緒に仕事がしたいですね。一緒に世界中の方々がより一層、健やかに生活できる社会の実現に貢献していきましょう!
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いかがでしたでしょうか。
「ブランドマネージャー/ブランド責任者」という言葉を聞くと、”ブランドの表舞台に立つ華々しい仕事”というイメージを浮かべられていた方も多かったのではないでしょうか。(私も就活生の頃は、漠然とそういったイメージを持っていました。笑)
しかし、ブランド責任者の”リアル”に求められるミッションはそこだけではないんですね。世の中の一人でも多くの人々に、そのブランド価値や可能性を伝えていくため、日々求められる仕事は、より現実との向き合い(=数字との向き合い)が必要とされ、ブランド責任者はそこに向き合い続ける、覚悟と信念が必須です。
私自身もインタビューから、Kの「世界中の人々が健やかに生活できる社会に貢献する」
という大義を本気で追い求めていく姿勢、そして、その大義を達成するために『SIXPAD』が大きな可能性を秘めていること、そんなKの信念とパワーを終始強烈に感じていました。
「ブランド責任者」という仕事はなかなか社外から見えにくいかと思いますが、ブランドづくりの最前線で戦う上で本質的に求められるミッションについて、少しでも皆さんにご理解いただければ幸いです^^
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