味舌(ました)
招福楼出身のご主人のお店で鱧尽くし
園四条の御料理味舌さん。
招福楼ご出身と聞いて、ずーーーっと行きたかったお店です。
ハモの季節にギリギリセーフで鱧尽し!
まずは、なんとも涼しげな先付から!
煮物椀は、招福楼をほうふつとさせる澄み切った味わいのお出汁。
向付にも鱧♡
こちらは梅酢でさっぱりいただきます。
先付のジュレの中のハモはムチムチと弾力があり、煮物碗のハモはしっとりと淡く、湯引きのハモは歯切れ良くほろほろと。同じ食材でも、食感や味わいの出し方が全く違って、一品ひとしな、新鮮な驚きをもって楽しめます。
そして、すごかったのはこの焼物と炊合せ。
鮎の蓼酢が普通じゃない
鮎ももちろんおいしいのですが、更にさらにすごいのが蓼酢!
ワタクシ、蓼酢のほろ苦く深い酸味が大好きでして、いつものようにたーっつぷり蓼酢を絡めて口に入れると、
!!!?
想像していた味とちょっと違う!
もちろんいい意味で!
蓼酢って、蓼特有の強い香りも相まって、かなり鼻に抜けるようなツーンとした酸味があるのですが、なぜかその刺す感じだけ全くない!お酢の香りと酸味ははっきりあるのに喉に刺さる感じが全くなく、とてもまろやかな喉越しで鮎の柔らかい甘みを全く邪魔しない。
写真ではわかりにくいですが、竹かごの下の方には笹が敷き詰めてあり、笹の煙で燻して少しスモーキーな香りをまとった鮎は、まろやかな蓼酢のほろ苦みと素晴らしく合います。
「この蓼酢、何入れてるんですか?」
と、聞いてみると、米と酢を混ぜて発酵させたものを使って(?よく理解できていなくって間違ってるかも💦)まろやかな味わいに仕立てている、とのこと。
‥‥普通に見えて、普通のものは一つもない。コレですよ。
しかし、めっちゃおいしいやないですかっ!( *´艸`)
鯛のアラ煮も普通じゃない
さてこの、鯛のアラ
アラ炊きをこんなしょうがも味噌も醤油も使わずに作ったら、、、絶対臭み、残るよね、と、思いますよね?私は思いました。だって、私魚の臭みにものすごく敏感で、皮目と血合いの間の臭みも許せない。ので、料理屋以外で皮を食べることは決してないです。それくらい嫌い。
が!臭みだけが徹底的に取り払われており、コラーゲン質の旨みだけがたっぷりからみ、あふれ出したコラーゲンのうま味は透明なお出汁に溶け出して、それはもう恍惚とするおいしさ‥(*´ω`*)
こうやってコラーゲンしつのおいしーいスープに出会うと、大市のすっぽん鍋やウミガメのスープを思い出します。
とまらない。
そしておいしいコラーゲン系スープは必ず唇がっくっつく💋
ああ、しあわせ~♡
普通に見えて、普通じゃないのが招福楼流
40年の年月をこえて、八日市の本店から離れた祇園の地でしっかりと受け継がれる、招福楼の流儀を感じます。(いや、お前に招福楼の何がわかんねん。という冷静なツッコミはさておき(笑))
一方、ハレの場に相応しい華のある盛り付けや、器の遊びなどは京都ならでは。ご主人の人柄か、奥様と、娘さんと思しき若女将、年若の料理長らが忙しく立ち働くカウンターの中は、どこか和やかです。
本当に行ってよかった‥(´ω`*)
この時このお店に出会えてよかった♡
この後、味舌さんが大好きになって、1年間毎月通ってしまいました。
同じ季節に伺っても少しずつお料理が進化しており、全く飽きません。
いつもいつも、すばらいし時間をありがとうございます。
皆様も、味舌で肩の凝らない和やかな美食時間を過ごされますように^^