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フランス留学 チーズ日記 ④

フランス留学中に味わったチーズを写真ともにひたすら書き留める、チーズ日記です。

Epoisses AOP

牛乳 7.40€/半分 (2024/1/11 @Mons Lyon)
シャンパーニュのマールで洗う、ウォッシュチーズの女王。円形の木枠で販売されているのだけれども、今回はリヨンの有名な熟成店Monsで、半分にした商品をお勧めされたので購入。お店の方曰く、一週間後が自分の好みだそう。購入当日でも、表面はねっとりと溶けていて、かぐわしい香り。ただし、中心部分はまだ弾力のあるゴムのような形を保っていて、確かにもう少しとろかしたいところ。でも、待てない!
とろけた表面が常温になると流れ出すほどの柔らかさで、熟成したえもいわれぬ香りが満開に花開いていて、おいしい!とまらないっっ!
三日後の時点で既に半分になっていて、ものすごく我慢しながら熟成の過程を楽しみました。5日後に食べきりましたが、この時点で真ん中の固形の部分は約半分となり、半分は形を失ってトロトロの状態。そして最高においしい。
もう、腐敗と発酵の境界がわからない・・・!
わかるのは、おいしいという感覚だけ。
エポワスは日本で何度も食べているのに、こんなに夢中になったこともなかった。熟成の技術って、すごいなぁ。。。

番外編 Saint-Marcellin


牛乳 3.80€/Piece (2024/1/11 @La Mère Richard)
既にフランスでも食べたサンマルスラン。Lyon旅行の際、このサンマルスランの熟成を専門とするチーズ熟成ブランド・La Mère Richardがあると知り、購入。かのポール・ボギューズにも卸していた名店だそう。
家に持ち帰って一口食べてみると、知っている味のはずが、中心までとろとろに溶けていて、お、おいしい!!!なんだこれ?たぶん、今、世界で一番おいしいサンマルスランを口にしている。もしかしたら、世界で一番おいしいチーズを今食べているのかもしれない。半分に切ったら、中からトロトロの液体が流れ出して、常温においておくことができず冷蔵庫へ。
沁みます。
間違いなく、人生最高のチーズでした。

ainte-Maure de Touraine AOP

山羊乳 6.90€/Piece (2024/1/13 @@E'leclerc massy)

シェーブルの名産地、ロワールから。有名なサント・モールドトゥーレーヌ。間違いなくおいしい。Selles-sur-chereと似ている。というか、形が違うだけというほど味はそっくり。
筒状をしていて幅があるため、こちらの方が熟成しても酸味のある芯が残りやすい。どちらも食べたいならサントモールドトゥーレーヌ、トロトロの部分の方が好きならセレシュールシェールという感じ。
個人的にはトロトロの部分が好きなので、5日ほどじっくりとろかして、形が崩れてきたころに存分に楽しみました。
ロワールがなぜシェーブルの名産地化というと、8世紀に攻めてきたムスリム勢力が、撤退の際に山羊を残していって、その山羊からチーズを作った長い歴史があるからだそう。いろいろなシェーブルを食べましたが、やはりセレ・シュールシェールとこのサントモールドトゥーレーヌはピカイチ。ピュリニー・サンピエールもまた、外側からとろけて中の酸味もかなり穏やかでおいしい。さすがシェーブル王国ロワール。

Langres AOP

牛乳 6.90€/Piece (2024/1/27 @Fromagerie de Bievres)

シャンパーニュ地方のウォッシュチーズ。ウォッシュとはいえ、かなり香りの穏やかな部類で、ウォッシュどころか、白カビのブリーやカマンベールの熟成したものと比べても圧倒的に上品。
購入した時点で白い粉が吹いている状態で食べごろ。真ん中の白い部分もさらさらしっとりで酸味もなく、わずかにナッティさを感じるミルクの風味がしてとても良い状態。とはいえ、個人的にはもっとトロリとした奴がいいなと思って5日程常温・冷蔵庫を行き来させてみましたが、乾燥してゆくのみでトロリと溶ける様子はなく。多分、これはとろけないタイプのチーズなんでしょう。ほかのオレンジウォッシュのように表面がべとべとと濡れて強烈なにおいを放つこともなく。どこまでもおしとやかなラングルさんでした。

そのままパンにのせてももちろん美味しいですが、アプリコットジャムと少し合わせたり、焼いてみるとより奥行きある味を楽しめる。

率直に言うと、ちょっと物足りないかな。。。

Mont D'or motagnon AOP

牛乳 19.90€/Kg (2024/2/2 @@E'leclerc massy)

トロトロになるチーズで、やわらかすぎるので、スプルースの樹皮に囲まれて出荷される。スイスで製造されるヴァシュランモンドールもあるけれども、私が購入したのはフランスのもの。
8月から3月の間しか製造されない、秋冬チーズ。

買ったその日は、トロトロ溶けているわけでもなく。おいしいけれども物足りないので二日ほど常温で放置したところ丁度良い状態に。
形をたもてないほどとろーんとしながら、液状化するまではいかず、クセが出ることもなく。淡くミルキーで優しいおいしさのチーズでした。
ブリーからクセをすべて引き算したような感じ?

今回はスーパーでカット販売している大きいサイズのものを購入したので、機会があったら小さいのをトロトロにとろかして食べてみたい。

BANON AOP

山羊乳 7.60€/Piece (2024/2/10 @Fromagerie Quatrehomme)

フランス南東部でローマ時代から作られているチーズ。アントニヌス・ピウスがこのチーズを食べすぎてなくなったという逸話(嘘らしい)が残るほど。
特徴は、栗の葉。このチーズは、もともと山羊乳を搾乳できない冬季にタンパク質を得る目的で製造されたもの。年中入手できますが、やはりこの起源を考えるなら、冬に食べたい、ということで冬に実食です。

表面は乾いていて、破れない程度に、クレープ程度のしっかり感があって、その中はトロトロです。ただ、熟したシェーブルのような流れ出す感じはなく、とろんとしていながらも形を保つ感じ。シェーブルでありながら、シェーブルの香りが全くなく、羊のチーズ、と言われても気づかないと思う。
どことなく、サンマルスランをもっとしっかりしたテクスチャにして、淡い味わいに変えた感じ。トロトロにしたシェーブルとも他のチーズとも異なって、独自の味わいを作っているチーズでした。ナッティでもない、ふんわりしたミルク感のあるクリームは、全く癖がなく、誰でもおいしく楽しめるチーズ。
形状の面白さもあって、冬のフランスに来たら、また食べてみたいチーズです。

Livarot AOP


牛乳 4.40€/Piece (2024/3/5 @E'leclerc massy)

Normandy地方のウォッシュチーズ。形を保つために、周囲を5本の草で巻いて形を保っている。現在は、形を保つためというよりも外観を特徴づけるために伝統を守っているそう。
マンステールやエポワスと同じような外皮のにおいはあるものの、そんなに強烈ではない。切った中身もとろけた感じは全くなく、カマンベールチーズに似た、なめらかながらも弾力を保ったテクスチャ。決してブリーではない感じ。
外皮の内側はほウォッシュらしいにおいはなく、とても食べやすい。カマンベールチーズの外側だけウォッシュチーズにして、ウォッシュの香りとアクセントが加わったような、そんな印象のチーズでした。
デイリーにとても食べやすい。もちろんちゃんと美味しい。けれども、ウォッシュ好き、とろけるテクスチャ好きとしては、あれば喜んでいただくけれども、また買いたい!食べたい!というほどではないかな。

Fourme De Montbrison AOP

牛乳 16.90€/kg (2024/3/28 @LEs clates de saint pierre Clermont-ferrand)
フルムダンベールやブルードオーベルニュ同様、オーベルニュ地方のブルーチーズ。パリでは見つけることができず、ようやく現地で購入。
形はフルムダンベールと同じ筒形。でも、味は全く違います。フルムダンベールはかなりフレッシュでヨーグルトのような酸味も感じるのに対し、フルムドモンブリゾンはむっちり弾力のある黄味がかったテクスチャ。モルビエチーズやエメンタールにちょっと似ていて味わい深い感じ。ブルードジェクスに似ている気がする。一方でブルーチーズらしい風味はマイルドなわけでもなくはっきりと主張があり、とはいえ、ロックフォールのような少し酸の混じるキツさはなく、角がない。ブルードジェクス同様、なかなか通好みなブルーチーズでした。


Rigotte de Condrieu AOP

山羊乳 2.80€/piece (2024/4/4 Dijonのマルシェのチーズやさん)

真っ白の新しいものと、濃厚な青黴の生えたものどっちがいい?と聞かれて迷わず青黴の生えたものを。
1日カバンに入れて常温で持ち帰り、部屋に置いて、翌朝ちょうど24時間経った頃に、開けてみると、うっすら湿っていて、買った時はしなかったツンと鼻腔の奥を刺す刺激臭が!!
食べました。
中は、ロカマドゥールやサントモールドトゥーレーヌのように蕩けることもなく、ねっとりと柔らかくなりながらもかは弾力があり、形は保たれている。真ん中だけまだ白いけれどもポソポソするわけでもなく、酸味もなく、しっとりねっとり、旨みが滲む味わい。
ただ、常温で置きすぎて変なものが繁殖したのか、口に入れてもあの刺激臭がちょっと気になる。口の中の上顎のあたりにちょっと違和感が残ったので、青黴が生えた熟成系シェーブルは、あまり常温保管しないしない方かわよいのかもしれない。でも、ちゃんと美味しい。

Valençay AOP

山羊乳 7.75€/piece (2024/4/17 Toursの屋内マルシェのチーズ屋さん)

saint maure de touraine とsalles sur merと似ている。形状的に真ん中の芯の部分が多いので、爽やかな酸味は強く感じる。シェーブル香はあるけれども強すぎず穏やか。程よく爽やかで、周囲はほどよくとろけた熟成ナッツ香もあり、おいしいシェーブル。
個人的には、トロトロ熟成ナッツ風味が好きなので、やはりSalles sur merかな。でも、美味しいチーズでした。シェーブル王国ロワールの誇る灰かぶり三兄弟、どれも美味です。



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