⑧ 【第8章 金銭的不安の解消】夢見る社会人バンドマンが13年勤めた会社を「適応障害」発症で清々しく辞めてやった話
○第8章
金銭的不安の解消
俺が会社に縛られていたのには2つ大きな理由があった。
①「退職後の生活不安」
なにせウチの会社には退職金制度が無い。
2章で触れたが、生家に甘えることも難しい。
貯金もしていない。
日々のストレスを癒すべく、酒とグルメと趣味にお金を費やしてしまっていた。
②「金銭的信用への不安」
恥ずかしながら、過去に借入をしていた。
当時はとにかく金が無く、でも若さ故やりたいことが沢山あった。
快楽の前借りをしてしまっていた。
単に、だらしなかった。
この報いは完済という形で示しているが、
信用に不安を残している。
(尚現在、一切後払いの類を使用しない生活を送っている)
──そんな計画性のない自分の弱さを常々反省し、変わりたいと願っていた。
踏み出すきっかけが無かった。
だからこそ、前章で述べた各手当の存在に眼の色を変えたのだ。
え!それなら辞めれんじゃん俺。
てかむしろ貯金できるじゃん。
夢、叶えちゃえるじゃん…!
興奮した。
一気に火がついた。
大魔王の痛恨の一撃
「どうしたいの?」
なんだよ、そんなん
決まってるだろ。
俺は俺の夢を見る。
そして叶えるんだよ。
どうだ、参ったか。
俺を抑圧するアイツらは所詮誰かの夢の中の存在だが、俺は違う。
確かな自負がある。
「俺はギターや歌で人を感動させられるんだぜ」
「そうして出会ってきた最高の仲間たちがいるんだぜ」
アイツらとはサヨナラだ。
勇者は俺だ、世界を救ったら、
新しい世界に行かなくちゃ。
熱い。
体に血が通うのを感じた。
完全に、目が覚めた。