1978年 Torsten Pärus

 前回の投稿でも紹介しましたが、Valter Enlundの相棒、Torsten Pärusもヴァイオリン奏者として、Mestaripelimanniの称号を授与されています。

 Torsten Pärusは、1910年にLapväärtで生まれました。家は農家であったため、彼の生業もまた農家だったとのことです。

 Torstenは、音楽が重要な役割を果たす環境で育ちました。ペリマンニ楽師であり、後に村長になったOtto Storforsは、13歳でヴァイオリンを始めた彼のよいお手本だったそうです。

 Torstenは、1920年代から30年代にかけて主に結婚式の伴奏者として活躍しました。彼のレパートリーは新しい音楽、つまりメヌエットやポルカ、ワルツ、ポルスカなどでした。戦争で一時音楽を中断しますが、終戦後も音楽に対する想いは消えていなかったそうです。再び楽器を手に取ると、より新しい音楽、ジェンカ、タンゴ、フォックストロットなどが求められるようになった終戦後にあって、積極的にこれらをレパートリーに取り入れました。

1950年代以降、彼のキャリアはValter Enlundと共にあったため、前回の投稿で述べた以上のことはほとんどありません。

1978年、Svenska kulturfonden(フィンランドにおけるスウェーデン語圏の文化教育の促進を行う財団。フィンランドで活動するスウェーデン語圏の文化の担い手などに資金援助を行っている; https://www.kulturfonden.fi/)から表彰され、資金援助を受けるとともに、カウスティネン民俗音楽祭から、Mestaripelimanniの称号を授与されました。

Torstenの演奏は、Valterと同じ録音の中で聴くことができます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?