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明治時代の印刷物(木版・活版併用の時代)

天保年間に紙の小売を始め、明治19年に活版印刷事業を始めた当社。
昔の印刷物を少し紹介させていただきます。
前回の昭和初期に引き続き、今回はもう少し遡って明治時代のものです。
実物は残念ながらありません。
ですが国立国会図書館にデータ化されたものがアーカイブされていました。
データなので製本方法、装丁は不明です。

各国貨幣度量衡対象録

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明治26年(1893年)1月に出版された書籍です。
鉛活字の活版印刷で製造されています。

明治以降、日本の単位が尺貫法からメートル法に変更されたと記憶していましたが、実はメートル法に一本化されたのは大正10年(1921年)なのだそうです。
それまでの間、メートル法と尺貫法がともに正式な単位として採用されていた時期があったそうです。

それを定めた法律が「度量衡法」
明治26年1月1日に施行されています。
つまり、この出版物は度量衡法の施行に合わせて出版されたということです。
昔は情報を伝える手段は紙しかなかったでしょうから、
一般の生活者向けにこのような本を出版するということは、社会課題を解決するためにとても意義のあったことではなかったかと思います。

印刷業は情報を伝えるために非常に重要な役割を果たしていたのですね。

奥付に「拾銭(10銭)」とあります。
当時のもりそばが1銭程度だったということですから、約10杯分です。
現在1杯400円程度と仮定すれば、10銭は4000円くらいの価値があったということになるのでしょうか。


新四国八十八ヶ所巡拝記

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続いて明治27年5月に出版された、「新四国八十八ヶ所巡拝記」。
現在の「知多四国八十八か所納経帳」の原型ではないかと考えています。
これに御朱印をいただいて知多の八十八か所巡りをしていたんですね。
原稿はそれぞれの寺院でいただいたご記帳を使用しています。
版は彫師が彫った木版かと思われます。
おそらく木版を活版印刷機にセットして印刷をしたのでしょう。


洞上の宗義

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こちらは明治34年12月発行。奥付から、南知多町内海に現存する曹洞宗の寺院「宝積院」様からのご依頼だったのだとわかります。
タイトルから、お寺(または宗派)の教義を解説された本なのではないでしょうか。ページ数が少ないので、檀家さんや地域向けに制作されたものではと推測しています。
グーテンベルクの近代印刷技術が世界三大発明の一つとされるのは、聖書を大量に複製した功績でした。それにより識字率が上がり教育水準も上がったからです。
日本でも歴史的に寺院が地域の教育を担っていたという側面があります。この教義書もその活動に貢献していたのかもしれません。

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