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M.Masako
2020年10月17日 17:00
山吹色にけむる秋の光に向かって少年が走っている。黄色の帽子をかぶり、新品みたいに真っ白なユニフォームを着ている。赤いリュックサックを背負って、手には青いバット。「ヤーレー」とたのしげにのびやかに声を上げる。横断歩道で止まると、ひとつ素振りをしてみせた。信号が青に変わると、光に向かってまた走って行った。
2020年10月4日 21:16
真っ白な女が歩いている。そのフサフサとした豊かな白さを支えるように、背筋はピンと伸びている。花柄の緑のワンピースの上に、ピンクのカーディガンを羽織り、秋色に染まる風景の中で、彼女だけが鮮やかに存在していた。「誰のためでもない。私は私のためにオシャレをするのよ」彼女の背中から、そう聞こえてくるようだった。