2023年9月のSmartHRとアクセシビリティ
これはSmartHRプログレッシブデザイングループのオープン月報です。SmartHRのアクセシビリティ向上の取り組みを紹介します。
最新のアクセシビリティ関連アップデート
9月はアクセシビリティ向上を含むリリースが4件ありました🎉
[評価シート]画面の[一行ずつ表示]ボタンに気づきやすくしました
[電子申請 (アーカイブ済)]画面のページタイトルを変更しました
従業員情報詳細ページの[西暦]と[和暦]を切り替えるボタンの表示を変更しました
従業員情報の詳細画面にある和暦と西暦の切り替えボタンで、どちらを選択しているのかを音声読み上げできるようにしました
9月のできごと
Creatorzineで連載「SmartHRが実践!デザインからアプローチするアクセシビリティ」がはじまりました
株式会社SmartHRで、SmartHRのプロダクトを誰もが使えるようにすることをミッションとしたデザイン組織「プログレッシブデザイングループ」、通称「プログレ」が、今まで培ってきた知見をもとに、デザインを活用したアクセシビリティ向上の取り組みを解説する連載を開始しました。
初回の記事では、アクセシビリティに注力する理由や最初の取り組みについて、masuP9が紹介しています。近日中に第二回目が公開される予定です。
第二回目では、SmartHRのデザインシステムを活用したアクセシビリティ品質について紹介予定です。
アクセシビリティ向上の時間、どうやって確保してる?
一般的に、アクセシビリティ向上をやりたい人で、開発現場では「アクセシビリティ向上に取り組む時間がない・リソースの余裕がない」と悩む人は少なくないと思います。
既存の機能や画面のアクセシビリティ改善活動を継続しているSmartHRのメンバーは、どのように時間やリソースを確保しているのでしょうか?
アクセシビリティマスター養成講座の参加メンバーに「アクセシビリティ向上の時間、どうやって確保してる?」というアンケートを実施してみました!アンケートの回答者は9名で、大きく分けて3つのパターンの活動の仕方があることがわかりました。
1. 改善活動に取り組む時間がチームで確保されている
「スプリントタスク以外の改善活動や個人活動に取り組む時間が週に数時間確保されているので、その時間で活動している」と回答した方が9名中4名いました。
週に1時間以上の活動時間を確保できれば、優先度的には低くなるような問題の改善も進めやすくなりますし、簡易チェックリストや、WCAGの試験にもトライしやすくなります。このような時間を活用しているチームの中には、WCAGの達成基準ではカバーしきれないような課題に向き合っているチームもいます。
2. スキマ時間で取り組んでいる
とくに決まった時間があるわけではないが、スプリントタスクに余裕があるときなどのスキマ時間に個人的に活動していると回答した方が9名中4名いました。
SmartHRでも、チームや時期によっては、アクセシビリティ改善のためだけに定期的な時間を確保しにくいこともあります。そのようなチームでも、改善のための開発チケットを作成しておき、ちょっとした空き時間に取り組むことができます。決まった時間が確保されている場合に比べ、改善の進み方はゆっくりですが、可能な範囲で取り組むというのは大事なことです。
3. 日常業務に取り入れている
日常の業務で、レビュー時や設計時にアクセシビリティの観点を意識していると回答した方が1名いました。
日常業務以外に取り組む時間を確保しなくても、アクセシビリティを高めていくためにできることはいろいろあります。スクラム開発の完成の定義にアクセシビリティ観点の項目を入れたり、プルリクエストのレビュー時にアクセシビリティに関わるような「キーボードだけで操作できるか」などのチェック項目を入れていたりします。
SmartHRでは独自のeslintのルールにアクセシビリティに関連する問題を検出できるものがあります。(参考: eslint-plugin-smarthr/rules at main · kufu/eslint-plugin-smarthr ) 仕組みがあるおかげで、改善活動を日常の業務に取り入れやすくなっていると思います。
まとめ
SmartHRの中でも、アクセシビリティ向上の進め方はチームによって異なります。共通しているのは、アクセシビリティについて考え続け、できることをやっているという点です。アクセシビリティ向上には終わりがありません。できることをみんなで続ける。を、これからも続けていきましょう〜。アクセシビリティマスター養成講座のみなさん、いつもありがとうございます〜。
今月のアクセシびと
maiha: 今月のアクセシびと ということで、このコーナーではSmartHRのアクセシビリティ向上に取り組むメンバーを紹介します。今回は筆者の同僚であり、業界の大先輩であるアクセシビリティスペシャリストの辻さんと今後の私達の発信活動について話してみます。辻さんよろしくお願いします。
Tsuji: お願いします
maiha: これから新しい広報活動を始めようみたいな話があってそれについて本日はぜひお話できればと思っているというか、辻さんからですね、逆オファーをいただきまして。
Tsuji: そうなんですよ。お招きいただきましてありがとうございます。
新しい広報活動と言っても、結構その使い古された感はあるんですけれども。ちょっと音声コンテンツをね、今後出していきたいなと思ってて、プログレッシブデザイングループで、そういう取り組みがしていけたらいいなと思ってこの前から騒いでるんですよね。社内でね。
maiiha: 始めようといろいろ準備をしているわけですけども。
辻さんってSmartHR以前もSmartHR入社されてからもご情報発信はNoteとかでされてきていると思うんですけれども、音声コンテンツでまた新たに始めようっていうところに何か、思いですとか、音声ならではの良さですとかそういった部分って、やっぱりあったりするんですか?
Tsuji: そうですね。元々アクセシビリティをもっと身近にっていうのは、僕のライフワークみたいな。ずっとテーマにしてることなんですよね。そのまま文字で情報をしっかり伝えるっていうのはすごく大事なんだけど、情報を出してる人の人となりがわかるような声のトーンとかあるじゃないですか、何かそういうのをね、ちょっと大事にしたコンテンツを作ってみたいなと思ってて。
だから、そのまま文字にしちゃうとすごくそのかっちりした情報になっちゃうんだけど、もう少しこの人柔らかそうとか、ここだから声から伝わってくる何かってあるじゃないですか。
あとはなんかこの人本気なんだなとか。そういうのを大事にしたいなと思って、音声コンテンツをやってみたいなと、思っているところです。
maiha: 辻さんも、私も割とそうなんですけど、文章で書くときって、すごいかっちりというか、情報発信するときに、自分の感情を文章に乗せるというか。そういうのってあんまりないよなって。
Tsuji: そうなんですよ。やっぱり、SmartHRそのバリューの一つにその遊び心を大事にするっていうところってあるじゃないですか。なんかそこがね、うまく文章で表現できないなっていうのをね、常々感じてるんですよ。
maiha: 普段は私達アクセシビリティって真面目なテーマというか私達も真面目に取り組んでるんですけども日常の打ち合わせとか朝会とかそういうところでは、すごい楽しく冗談言ったり、雑談したりしながらやってるんですけど。そういうのを外に表現するのってすごい難しいですよね。
Tsuji: そうなんですよ。だから、そういうところも含めて声として発信することでもっと我々が真剣にでも遊び心も忘れずに仕事をしてるんだよっていうところがね、伝えられるといいかななんて思ってます。
というわけで、今月から音声版でもお送りします。
この話の続きは、音声版でお楽しみください。11分ちょいあります。
書き起こし版もご用意しています。
お知らせ
11月2日のサイトワールドに辻さんとyanaさんが出ます
今月は出すのが遅くなってしまいました。来月からはSmartHR アクセシビリティテスター のnoteで月報を公開する予定です〜。それではっ。
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