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【自転車旅行記】2013年夏② 宮城・岩手 ~大川小学校、碁石海岸など~(8/15~8/17)

いつもお読み頂きありがとうございます!

さて、本日も三陸海岸を巡った自転車旅行記を書きます!
※東日本大震災被災地の写真があります。つらい方は閲覧お控えください。

2005年からコツコツと続けている自転車旅行の記録を作成しています。全47都道府県を制覇しています。是非お楽しみください。
マガジンにまとめています。詳しい説明はこちら
*よろしければ2013年夏①もご覧ください

* * *

東日本大震災の2年半後。。三陸の海岸線を旅し、多くのことを感じました。

基本情報

期間:2013年8/15~8/17
距離:149.2km
獲得標高:2,621m
コース概要:女川ー南三陸ー気仙沼ー陸前高田ー碁石海岸(宮城・岩手)
形式・人数:グループ旅行(3人)

コース全体

詳細コース

*記憶をもとに作成。実際に走行したルートと完全には一致していません。

8/15 女川ー南三陸

行程:女川ー大川小学校ー南三陸
宿泊地:南三陸ホテル観洋

この日は、女川から北上して三陸海岸に入ります。

女川の街中にはまだ津波の痕跡が強く残ってました。

怪獣にでも潰されたかのような有様

かつて女川駅があった場所。
今は更地になり、かさ上げ工事も進んでました。

復興は進むもかつての姿にはもう戻れない、、

三陸海岸と言えばリアス式。
そこを走るという事はアップダウンが激しいという事です。

早速ヒーヒー言いながら隆起した海岸線を登っていると、女川の街が一望できました。復興がよりよく進むように願いの念を送っておきました。

崎山展望台より女川湾と女川市街を望む

リアス式海岸を走るのはハードですが、山と海の2つが相まった景色を楽しめるのが最大の魅力だと思います。

アップダウン×ウネウネな道が続く

三陸の海はとても綺麗でした。漁場としても世界屈指の豊かさです。

綺麗なグリーン
三陸沖は世界三大漁場の1つ

途中途中の入り江には集落があるはずなのですが、やはり津波に襲われていて大体が更地になってました。

かつては漁村があった

海岸の隆起部分を登る道沿いで宅地を造成しているところをいくつか通り過ぎました。もう低地には住まずに高台に集落ごと移転するようです。住み慣れた土地を追われてしまう寂しさに同情してしまいます。

さて、北上川のほとりにある大川小学校に寄りました。
震災の日、津波で児童と教職員84名が亡くなっています。

今もお供えの花が絶えない大川小学校

津波に襲われた時のまま残されています。
建物を津波が丸飲みしてしまったことがよくわかります。

骨組みだけ残して全て流されている

大川小学校は海から4kmも離れているため、津波に対する事前の警戒があまりありませんでした。そんな中、大きな津波が北上川を遡上し小学校に押し寄せました。結果、大惨事となったということです。

言葉がなかなか出てきません。
自然の威力は強烈で、かつ想定外であるとまざまざと感じました。

かつて学校だったとは思えない
津波のパワーを感じる
大川小学校は震災遺構として今も一般公開されてます

北上川を渡ります。東北ーの大河です。

大川小学校を見た後なので、津波を運んできたこの川が少し恐ろしく見えてしまいました。

新北上大橋から見る北上川

どんどん北上します。
その名の通り、神が割ったという伝説が残る奇岩がある神割崎です。
三陸復興国立公園のエリアです。

神割崎

志津川湾です。かつては養殖筏に埋め尽くされていたそうですが、津波のせいでその面影はありません。

穏やかな湾内

宿に着きました。
部屋から最高のオーシャンビューが楽しめました。

南三陸ホテル観洋からの眺め

旅の楽しさよりも胸が締め付けられることが多い1日でした。

8/16 南三陸ー気仙沼

行程:南三陸ー気仙沼
宿泊地:民宿 船渡

太平洋といえば日の出。
宿の窓から眩しいほどの太陽が拝めました。

光が強くていい目覚ましになります

この日はまず南三陸町の市街へ。

まずは高野会館という震災遺構に来ました。
3Fまで津波に襲われてますが、屋上に避難した方々(330名)はなんとか助かったそうです。「ありがとう」を言いたくなりました。

高野会館(結婚式場)

こちらも震災遺構の南三陸防災対策庁舎。
骨組みを残して全て吹き飛ばされてます。屋上に避難した43名の方が亡くなったそうです。胸が詰まります。

南三陸防災対策庁舎

町には気仙沼線が走ってましたが壊滅的な被害を受けました。
結局、廃線となってしまってます。

気仙沼線の跡

鉄道の代わりにBRT(bus rapid transit・バス高速輸送システム)が導入されています。その駅がモダンでかっこいいです。

志津川駅

BRTは、要は専用道を走るバスですね。気仙沼線の線路跡を専用道に転用しています。渋滞に巻き込まれないので鉄道の定時制を保たれますし、バスのフレキシビリティも活かせる次世代の交通システムです。

BRT!

復興商店街に寄ります。
お金をしっかり落としていかねば。

南三陸さんさん商店街

色んなお店があってワクワク。

プレハブの商店街

うおーーー!海の幸!

南三陸きらきらウニ丼。ネーミングが素敵

チリから贈呈されたモアイ像がありました。本家よりおしゃれ。

イースター島の石でできているらしい

気仙沼へ向かいます。道沿いに多くの津波の傷跡が残ってました。

気仙沼線跡

復興商店街が各所にあって楽しませてくれます。
Jリーグの旗は全国のサポーターが寄付してくれたとのこと。

伊里前福幸商店街

水門も国道も壊れたまんまです。
復興にはとても時間がかかるのだなと実感します。

壊れた水門
壊れた国道

道脇に何かが見えます。

風化した塀かな?

気仙沼線の駅でした。跡形もなくなってます。

陸前小泉駅跡

気仙沼につきました。こちらのエリアも津波によって破壊され、残された住居の基礎部分だけが延々と続いてます。

気仙沼 鹿折地区

漁船がありました。海岸線から500m流されてきたようです。
かなりショッキングな光景です。

第十八共徳丸

この漁船は、震災遺構として残すか議論の的になったそうです。
しかし、結局は解体撤去されてます。

住宅地に漁船という異様な光景

震災遺構は、後世に津波の恐ろしさを伝えるために必要な側面はあると思います。ただ、「残す」「残さない」は住民心情もあるのでなかなか判断難しいですね。

この日は最後に峠を越えてフィニッシュです。

石割峠

この日も非常に濃い1日でした。

8/17 気仙沼ー碁石海岸

行程:気仙沼ー陸前高田ー碁石海岸(輪行)

朝、唐桑半島の景勝地である巨釜(おおがま)を見に行きます。
目の前にあるのは折石という奇岩です。

折石、大理石の石

ダイナミックな海岸線が続くことから、この辺りは元々陸中海岸国立公園のエリアで、震災後に被災の伝承等を目的に公園の名称が三陸復興国立公園に変更されています。三陸ジオパークのエリアでもあります。

朝もやの三陸海岸

岩手に入ります。陸前高田です。

相変わらずアップダウンが激しい

陸前高田といえばアレです。

遠くにアレが見えます。

この場所には高田松原という7万本にも及ぶ広大な松林があり、国の名勝でもあったものの、震災でそれらはほぼなぎ倒されてしまいました。
その中、1本だけ無事に残った松が「奇跡の一本松」です。

こんな華奢なのによく生き残ったものだ

高田松原の道の駅がありました。今は震災遺構です。
かつて高田松原は観光名所で年間100万人が訪れていたそうです。

道の駅高田松原
松の木が突っ込んでいる

松原の再生のために植樹も進んでいるそうです。
いつか美しい松原を再び見れることを期待しましょう。

陸前高田は、三陸地域では最大の平野を誇りますが、すべて更地となってました。殺風景さのレベルが段違いです。

今後かさ上げ工事が進められるそう

陸前高田市役所です。
プレハブだけど、なぜかカッコよく見えました。「頑張れ」って思えます。

陸前高田市役所

陸前高田駅。なんか可愛いです。
大船渡線もBRTに転換されてます。

陸前高田駅

道沿いのアパート。
4Fまで津波が届いたのがわかります。

震災遺構 下宿定住促進住宅

大船渡線の線路。

なすがままになっている

さて、この度のラストスポット、碁石海岸にきました。
船で巡ります。

遊覧船というより漁船ボートって感じでした

碁石海岸も奇岩が立ち並ぶ景勝地です。
国の名勝および天然記念物で、ここも元々は陸中海岸国立公園、今は三陸復興国立公園のエリアです。三陸ジオパークのエリアでもあります。

この日は波が高かったです。

結構揺れてスリリング

碁石海岸の名所、穴通磯。
人間がorzに倒れ込んでるようにも見えます。

海水の浸食によって開いた3つの洞門

なんと穴を潜り抜けます。

洞門を通り抜けると幸せになるらしい

岩壁に囲まれたダイナミックな景観が続きます。

やはり船で巡れると迫力が違う

碁石海岸を楽しみ、旅はフィニッシュです。
BRTの駅から輪行して帰ります。

BRT輪行、つまりはバス輪行です

津波の被害が大きいエリアをたくさん巡り、たくさん震災遺構を見ることでその恐ろしさを身をもって感じました。本当に考えることの多い旅となりました。

* * *

次の3月11日で震災から14年が経ちます。
あの時の教訓が風化しないことを切に願います。

以上

最後までお読み頂き、感謝です!
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それでは!

*カバー写真:リアス式海岸から眺める三陸沖(宮城)

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