「開発生産性を、もっと誇れる組織へ」という方針を掲げたCTOの半年
はいどうもー。株式会社iCAREのクドウマサヤ(@masaya_dev)です。
この記事は、「エンジニア組織の開発生産性・開発者体験向上の取り組みをシェアしよう! by Findy Advent Calendar 2023 」の24日目の記事です。
最近記事のサムネイルをChatGPT(DALL-E)で生成するのにハマっています。今回は「開発生産性の高い組織のイメージをください」と伝えたら、パッションが強そうなマネージャーのガッツポーズに思わずクスッとしたのでこちらを採用しました。
それはさておき、私は今年の8月より株式会社iCAREのCTO兼Development部の部長に就任させていただきまして、そのタイミングで「開発生産性を、もっと誇れる組織へ」という部の方針を掲げました。構想段階から含めて、約半年が経ちます。
そこで今回は、なぜそのような方針を掲げたのか、生産性向上のためにどのような取り組みをしているのか、そして現状と今後について記そうと思います。
ちなみに株式会社iCAREは「働くひとの健康を世界中に創る」をパーパスに事業を展開するヘルスケアスタートアップです。開発組織は約30名ほどの規模で、「Carely健康管理クラウド」と「Carelyエンゲージメント」の2つのSaaSプロダクトを日々開発・運用しています。
なぜ開発生産性の向上を組織の方針としたのか
開発組織の責任者である私にとって、生産性を最大化させプロダクトの価値向上、事業成長に繋げていくことはひとつのミッションです。ただし、それだけの理由で部の方針としたわけではありません。
私も14年Webエンジニアを続けてきていまして、私にとってプロダクト開発は難しくも楽しいものですし、ともに働くメンバーにとっても楽しいもの、やりがいを持てるものであって欲しいです。そこで、開発者体験が良い組織を創っていきたいと常々思っています。
ではそのためにどうするか、というのを考え、「開発者が誇れる実績をたくさん生み出せる」状態を作れたら開発者体験が良いと言えるのではないかという仮説を持ちました。
個々の実績を増やすためにも開発生産性を向上させていく、それを三十数名いるメンバーが一丸となって取り組んでいくことに意義があるだろうと考え部の方針として掲げることにしました。
ちなみに私は株式会社iCAREに約2年前に入社したのですが、当時もnoteでこんなことを書いています。
「働くひとの健康を世界中に創る」我々が、開発者として自身が働きやすい環境、働きがいを持てる環境を創っていく。そのナレッジを世に広め影響を与えていく。これまで以上にそんな開発組織でありたいという想いも込めて、その一歩を踏み出し始めました。
開発生産性向上のための取り組み
開発生産性を向上させるために、今年の8月から行ってきたいくつかの取り組みをご紹介します。今回はCTOとして取り組んできたことで、各チームやメンバーの取り組みも今後どんどん発信していければと思っているのでご期待ください。
組織設計のアップデート
「価値を届けるスピードを継続的に改善できる」体制を意識し、「チームトポロジー」のモデルを参考にした組織設計を行い、現在も継続しています。
元々どのような課題感を抱え、具体的にどのようなチーム体制にし、運用し始めてどうだったのかは、それだけでかなりのボリュームになるので今後別の記事でお届けできればと思っています。
生産性指標の策定・見える化(Findy Team+導入)
各チームがデータドリブンな生産性改善を推進できるよう、Findy Team+を導入しメトリクスの見える化を行いました。
また、弊社では目標管理のフレームワークとしてOKRを用いていますが、部署のKRとして、PR数と変更障害率を設定しました。チームによってはサイクルタイムをKRとして設け、レビューのリードタイムを大きく改善しているチームもあります。
CTOからの定期的なメッセージ・情報発信
部の全員が週次で集まる定例があるんですが、その中に「開発生産性BIG UP!!」というコーナーを設けました。毎週5分ほど私から開発生産性や開発者体験の向上に関わる話をしています。
・Findy Team+のデータをもとに現状や課題感のシェア
・イベントや記事、書籍等で得たナレッジ紹介
などを中心としていますが、なぜ我々は開発者生産性の向上に務めるのか、冒頭に書いた話をこのコーナーの中で繰り返し伝えることを特に意識しています。
トップダウン的に開発生産性の向上という方針を掲げる上で、ミスリードを生み短期的なアウトプットのスピードを早めようとして組織が疲弊するのは避けたいと思っていました。
目指したいのはアウトプットだけではなくアウトカムも含めた生産性の向上であり、それが実現できてこそ各々が誇れる実績の密度が高まっていきます。目の前の仕事にフォーカスし続けているとどうしてもWhyが頭から抜けていくことはよくあるので、我々はこの方向に向かおうとしているということを、何度も話しています。
こういった場で話す際も広木さんのレベル1〜3の生産性の考え方はとても参考になりますね。
開発生産性改善の現状とこれから
これらの取り組みを行ったことで、PR数やレビューのリードタイム等のアウトプット指標は大きく改善が見られました。リズム良く開発できるようになり開発者体験も向上したというメンバーの声もいくつか届いているので、定量・定性の具体的な情報はどこかでお届けできればと思っています。
また、いくつかの生産性指標を継続的に観測することで組織状態の良し悪しを捉えやすくなったこと、なにか変化が起きたときに手を打ちやすくなったことで組織・プロセスマネジメントのクオリティも上がってきていると感じています。
今後の課題としては、プロダクトのアウトカムの改善をどう計測するかが大きなひとつの山と捉えています。ここは各社も悩まれている印象がありますが、我々も向き合っていきたいですね。
また、個人的にはSPACEフレームワークも気になっており、活用してみたいと考えています。弊社はストレスチェックを毎月実施していたり、Carelyエンゲージメントを自社でも活用して従業員の心身の状態は一定計測できている部分もあり。そういった従業員エンゲージメントにまつわるデータと開発生産性の相関の研究は進めていきたいですね。
開発生産性・開発者体験の向上についてディスカッションしたい方はぜひお話しましょう!この記事には書ききれなかった取り組みもたくさんあるので、気軽にX(@masaya_dev)までDMください!
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