富士樹海の謎の遺跡
※この物語はカバー写真先の物語を切欠に発想したものであり、この物語も同じくカバー写真をメインイメージにして物語を創作しています。
物語に合いそうな音楽
私が引き受けた仕事は樹海にとあるものを遺棄することだった。安心して欲しい。遺棄するものは人間ではない。が違法性が高いもの、つまり産業廃棄物である。詳しく書くと組織に殺されかねないので、どんな産業廃棄物かを書くことはできないが、概ね医療用の廃棄物とだけ言っておこう。例えば放射線を扱うCT機器のその内部には人を1万人殺せる濃縮された線量物質が仕組みに使われてる。適切に処理廃棄するにはそれなりのコストがかかるので山にでも捨てれば経費削減である。そのような話なのであるが流石にそんな危険なものを一般人が運ぶ訳はない。だが、海外では閉鎖された病院でその放射性物質を適切に処理せず放置してしまった事で、探検した子供らがそれをオモチャと勘違いし、それを肌身離さず所持して死亡。その子供の近くにいた家族を含めて周囲の沢山の人間も被爆し、白血病等のガンへと追いやった。
他人の話はつまらないから私の話に戻そう。 私は
ネット上の闇バイトで知り合った仲間から割り良い仕事を教えて貰った。それが樹海奥地への遺棄仕事だった。
樹海へは正規なルートからは入らない。バス停を降りていけるような所には自殺志願者が多くいて、監視カメラやボランティアの捜索隊も多くて人の目がある。私たちは反対側のルートから入る訳だが…
私の他にメンバーが3人いる。一人は私と共に運ぶ屋仲間であるが、もう一人は私達の行動を監視する者であり廃棄する場所まで案内する者であり、もう一人は部外者が私達の領域に入らないよう、あるいは仕事の邪魔をされないように外側の監視をする。
私達は計画通りに指定された場所にてそれを遺棄した。直ぐには健康に被害はないが有害性があるので早々に立ち去さるのが得策だろう。
私達は来た道を帰るだけだが、来るときはなかった霧が周囲を覆っていた。
嫌な予感はしたものの、まさかとは思いつつ私達はなんとなくの方向感覚で樹海から出ようとして遭難してしまう。
とはいえ現代はスマホ時代、樹海といっても富士山のふもとの観光地でもあり携帯の電波は届く訳で、いつでも助けを呼べる。
歩いていると、ようやく霧が晴れた。そして、その場所にて遺跡群を見つけた。樹海にそれはありえないだろう。スマホだって繋がる2024年の6月15日文明だぞ。衛星画像から観ればこのような巨大な大仏像があれば直ぐにでも人々が気付くだろうに。
まあ、たまたま偶然、誰も公共に公開された衛星画像で詳しく樹海をチェックしなかっただけかも知れないが…
私達はしばらく周囲を散策(好奇心から冒険)をした。
不自然に頭をだけの大仏達がタケノコのように、にょきにょきと生えている
未開の遺跡ならば遺産でありそれ自体が宝である。私達は何かを持ち帰られるものがないかを探した。
30分程、大仏とその周囲をうろつく私達だったが特に持ち帰れるものはなく、納得できない仲間は土を掘り始め身体を泥で汚していく。まさか大仏の下に宝が?
大仏の周囲が掘り起こされてくと当初首だけの大仏かと思っていたそれには、どうやら下側があるようで…
仲間は大仏を掘り起こすのに夢中で興奮したのか鼻血を出してしまう。
心なしか私も疲れ果ててしまい、耳鳴りがした。
私達は遺跡の散策を一旦諦めて樹海の外へと出た。
樹海遺跡の情報については私達以外に知る人はいないようで、私達はこの件をしばらく内緒にし、日を改めて本格的な遺跡調査をしようと思う。
だが私達はその後、死んでしまう。
私達は何も知らなかったのだ。まさかこの地が呪われた土地であるだなんて。調査を繰り返すと私達は衰弱していき、身体の自由が奪われた。
大仏からはオーンオーンという鐘のようなうめき音、うねり音が聞こえるが、仲間には聞こえてない様子。彼は狂気に駆られたように大仏の周囲を掘り続け、掘り返された土を山のように積み上げていった。
私は大仏から聞こえるオカシナ声を幻聴なのだと思い込み、その場にて座り込んでいた。
動けずにると尚一層、石仏から、唸り声が聞こえてくる。
夜が迫る中、ようやく立ち去れた私達だったが、それぞれがその後、吐血し、原因不明の病で入院する。
私達は謎の感染と症診断とされ隔離されるが、その後症状は改善することなく、死んだ。
~真相~
ここからは推理ゲームです。物語の真相を解く為の鍵は知性と想像力です。作者アザーラに知性と創造性で勝てる確信があるなら、読まずに自ら真相を解き明かす方が楽しいかもしれない。
~答え合わせ~
大仏の下には旧日本軍の核開発の研究施設があり、そこに管理放棄された材料プルトニウムが大量にあった。保管設備は経年劣化にて漏れだしていた。大仏周辺は高濃度汚染区域にて、その場に長居していると被爆限度を越えてしまい、多くの人は一年以内にガン等で死亡してしまう。もっと長くいると鼻血を出したり、あるはずない幻覚を見たり幻聴を経験したりする。大仏の周囲を掘り返している仲間は土から出てくるお宝の幻覚を観ていたたのかもしれない。それで夢中で掘り続けていた。監視役や案内人も登場人物らと同じくその後は死んでしまう。
とそこまでは凡人の仮説であり妄想である。登場人物が死に際に見た夢のようなものかもしれない。
その放射能の発生源はプルトニウムからでなく、宇宙船によるものだった。ペスト菌が600年頃に地球でパンデミックした際にその処置の為に派遣された宇宙船がタイミングを同じくして富士山の爆発に巻き込まれてしまい、樹海の奥へと不時着する。救援を待っていたが、当時そこに住んでいた部族に警戒されてしまい捕まってしまう。
紆余曲折ありも救援船が訪れ帰還する。部族が見た宇宙人の記憶は消されてしまうが、そのとき問題となる宇宙船の一部を回収し忘れてしまう。
記憶を消された部族だが一部に完全に記憶が消えた訳ではなかった。空飛ぶ船と異星人についてが気になったその者はそれを神仏として扱い祠を建て崇めるように。以降その集落ではそれを信仰するのが慣例となり仏像が建設される。 その集落はしばらくはそこにあったが、1920年のスペイン風邪流行に際して全滅し廃村となる。その後、宇宙船の残骸から高濃度の放射能が漏れだす。また度重なる大雨や浸水、土砂崩れ等で村外れに作られていた大仏達は頭を残して土に埋まってしまう。
感染症として隔離された主人公二人らには、体内から高濃度の放射性物質の残存が判明した為に隠さなければならない宇宙人的法律(秘密保護法)が適応され、真実が知らされる事なく、また公に彼らの見聞きした事が報道される事はなかった。
樹海の大仏と放射能の関係性は それ以前より政府が知るところではあったものの、入山規制をかけることと、情報漏洩のリスクが相反する兼ね合いから、何も対策をしないでおいた。唯一した事といえば公式データベースの衛星画像を捏造する事と箝口令を敷くこと。富士の樹海に遺跡は存在しない。あってはならない事とした。
宇宙の技術は高濃度汚染過ぎて未だに人類の技術では分析はおろか回収もできないでいた。
その土地については政府が対策しなかった事で、しばらくヤクザに利用されていた時期がある。不都合な者をその場所に連れだせば病気に追いやり殺せる訳であり、ヤクザの長はその死のシステムについては放射能によるものではなく、土地の呪いだと信じていた。
ヤクザな身内に裏切り者がいるなら未開の遺跡を教えてやり、宝探しをするように仕向けて病気にする。病院は宇宙的な秘密保護法に沿って、死因を隠蔽してしまうので、問題が表面化せずヤクザにとっても都合が良かったり
そのヤクザな長と一部の幹部はそれが呪いの土地であるからと長らく信じていたが幹部候補らは放射線計測機を使い、呪いの土地から危険な水準の放射能を観測したことで、政府が放棄した核実験施設があるのだと推論をしたが、それと同時に病院送りになったヤクザ者の死因が追及されない事に違和感、不安を感じるようになる。その土地の利用について考えを改めるように幹部達に進言する。その頃はちょうど暴対法(暴力団対策法1991年)にて全国のヤクザマフィアが衰退していくタイミングだったのもあり、このヤクザとしても目だって悪事をやりにくくなっていたので、土地の悪用を控えるように
2000年代になるとその頃にはヤクザな長も幹部達も引退する年齢になり、危険な仕事からは完全に撤退した。ヤクザ組はグリーンな会社となりその業務を次世代に繋げていたが、何も知らない関係者の一人が呪いの噂話のみを知ってしまい、呪いなんぞ信じないその者は、誰も来ない土地があるならばと、そこを利用できると思いつき、違法な産業廃棄物を捨てるシノギを請け負い、無知な若者らに裏バイトの仕事を斡旋していた。それに巻き込まれたのが登場人物たち。
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