令和の現在も続く錬金術
今回も買って良かったのもの(金)と、その特許調査です。
紀元前から貴重品
買って良かったものは「金(Gold)」です。いわずと知れた、貴金属の王様です。
有史以来、金は人をひきつける魅力を持ち合わせています。金属光沢の美しさなど の見た目以外にも、希少性、物質としての安定性、加工のしやすさなどなど、魅力となる要素も多いです。
「有事の金」という投資格言があります。ウクライナ侵攻や円安などもあり、最近はびっくりするくらい高値となりました。
2024年の3月に10000円/gを超えて、あれよあれよという間に、もう13500円/g越え。月次のグラフが追いつかないほどの値上がり具合ですw
手持ち資金に余裕のある時に、少しづつ購入したおかげで私もその恩恵を受けることができました。といっても、元が少ないので恩恵の総額は大した事ないですが、買っておいて良かったと思っています。
もうしばらく保有しておこうと思っています。
金を買う!と言っても・・・
今回は、いわゆる現物取引をしました。現物取引といっても、貴金属店でゴールドコインの現物を購入して自宅に保管してるという訳ではありません。
ネット経由で金融機関にて購入しました。購入した金は金融機関で管理してもらっています。
管理方法には「消費寄託」と「特定保管(混蔵寄託 ともいう)」の2種類があります。違いは金の所有者(名義人)の違いで、前者は金融機関名義で、後者は自分名義となります。
「特定保管」はその名の通り「保管」してもらうので、保管料などの手数料がかかります。
しかし、金本位制度で登場する兌換紙幣のごとく、申し出れば現物をいつでももらえるメリットがあります。
金相場は公表されてるので、実際に金を購入しなくても購入した体で口座上だけでお金を動かすという投資方法もあるようですが、いつか金の重量を感じたく、今回は現物でw
NISAでは現物の金を購入できないですが、投機信託としてなら金の値上がり分(キャピタルゲイン)の恩恵を享受することができます。
「三菱UFJ 純金ファンド」などがそれにあたります。安全資産として投資するなら金相場に連動した投機信託がイイかもしれませんね。
特許調査の前に
今回の特許調査は、金の製錬などの、金を回収する技術についてです。
その前に、金を初めとする地下資源のことを少し補足しておきます。
原油、石炭、天然ガスなどは地下から掘り出して、泥水や砂利などの比較的簡単に分離可能な不純物が混ざった形で採掘可能であることが多いです。
つまり、採掘後、簡単に燃料などとして利用可能な地下資源もあります。
しかし、高校の化学で習う周期表に載っている元素が分子状態で、ほぼそのまま採掘できる地下資源は少数派です。
金は化合物になりにくく、そのままの状態で採掘可能なちょっと珍しい地下資源です。
その一例が砂金で、河川で見つかることが稀にあります。砂金はかなり純度の高く、90%くらいだそうです。
蛇足ですが、巨大な砂金や、金の塊のことを英語で「naget」といいます。辞書には、天然貴金属の塊とあります。
我々がファストフードで食するチキンナゲットは、その外観のキツネ色から金のナゲットをイメージして命名されたといわれています。
漢字では区別のある、「製錬」と「精錬」(読みはどちらも、せいれん)ですが、製錬は鉱石から金属を取り出すことを指し、精錬は金属から不純物を取り除き、純度を高めることを指します。
ナゲット状態で金がゴロゴロ見つかれば製錬にはさほど困らないと思いますが、現実の金鉱脈は金鉱石1トンに数gの純金が含まれるに過ぎません。この入っているのか、いないのか分からないくらいの量を取り出す製錬技術に色々と問題があるのです。
近年は都市鉱山(電子部品に含まれる金を回収するので都市の鉱山と呼ばれる)からの精錬技術も必要になるなど、進化が止まることはないようです。
東京オリンピックのメダルには都市鉱山からの金が使われたこともあり、だいぶ市民権のある言葉ですね。
特許調査
どちらの「せいれん」技術も、効率や環境負荷の課題があります。それ程多くはないものの、令和の時代でも一定数の出願が継続しています。
住友金属鉱山株式会社などの大手企業を初めてとして、全国の大学が結構出願しています。逆に個人の出願は稀な技術分野のようです。
令和になってから出願されたものをいくつか挙げてみます。
例えば、九州大学と住友金属鉱山株式会社の共願の特開2023-24269。
とあり、製錬の効率を高める発明といえます。
宮崎大学の特許第7261478号や、大口電子株式会社 の特許第7428574号などは、都市鉱山からの金の回収方法の特許発明です。
どの出願を見ても、貴金属の回収には色々な溶液を使う旨の記述があります、古くは水銀を用いており、前出の九大と住金鉱山の出願もシアン化溶液が使われています。
使われている溶液の危険性は分かりかねる部分も多いですが、安定した分子構造の金を一旦溶かして回収するとなると、安全な溶液って訳にはいかないのは容易に想像がつきます。
最後に
金に限らず、地下資源を活用するには製錬、もしくは精錬が不可欠です。
二酸化炭素を一切排出しない電気自動車はクリーンなイメージがします。しかし、エネルギーを蓄えるリチウム電池に使われるリチウムは、採掘して電池に使えるリチウムにするまでに大きな環境負荷がかかります。
美しい金の輝きの裏側も、リチウムと同じく環境負荷問題が隠れています。
効率的で環境負荷の少ない貴金属の回収の技術開発こそ、本当の錬金術なのかもしれません。
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最後までお読みいただきありがとうございます!
特許調査に間違いなどがあれば、ご指摘をいただければ幸いです。
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