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潜在的ニーズを汲み取れるソーシャルワーカーは貴重

当記事は「潜在ニーズを汲み取れるソーシャルワーカーって意外と多くないよね」というテーマを考察します。

みなさんこんにちは。Keiです。

救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士7年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。

毎月5,000PV以上のソーシャルワーク関連のブログX (フォロワー1,500人以上)などを発信しています。


潜在的ニーズの発見は社会福祉士に求められる役割


平成30年に開催された社会保障審議会にて、厚生労働省は社会福祉士の役割について下記の内容が言及されました。

地域において支援が必要な個人や世帯及び表出されていないニーズの発見
潜在的なニーズを抱える人の把握、発見

平成30年3月27日 社会保障審議会福祉部会

医療ソーシャルワーカー(以下MSW)の現場は、急病や入院によってさまざまなニーズが顕在化するため、顕在的ニーズを汲み取る経験が多くできます。

しかし、潜在的ニーズを汲み取るのは意外と難しかったりします。

顕在的ニーズはある程度汲み取れる

≫ こんなアセスメントの方法もありますよ

MSWは患者のニーズを汲み取るためにさまざまなアプローチを活用します。

急性期病院のMSWが頻繁に活用するのが「課題中心アプローチ」です。

クライエントが入院中の廃用症候群により退院後の入浴に不安があるため、ケアマネとも相談してデイサービスを利用する。
顕在的ニーズ:「入浴が不安」

大腿骨頸部骨折により歩けなくなったため、回復期の病院へ転院する。
顕在的ニーズ:「歩きたい」

多くのMSWは課題中心アプローチを通じて顕在的ニーズを汲み取ることを得意としています。
※医師や看護師など、多くの医療専門職が課題中心アプローチを実践している病院という「環境」の恩恵と考えられます。

MSWを7年も続けていると、ふと思うことがあります。

「患者が抱えている問題のほとんどは解決策あるやん」
※このように発信すると「個別化の原則が〜」とか諸々言い出すソーシャルワーカーがいますが、話の論点が異なるので無視します。

「入浴に不安を抱えている患者」の問題を解決する手段も、回復期の病院も日本全国にたくさんあります(何を選ぶかは患者の価値観次第)。

詰まるところ、顕在的ニーズは多くの場合解決(解決の解釈は人それぞれ)に向かいます。

「この患者一生入院になるかも…」と思った患者も何らかの形で退院、転院をして病院からいなくなっていることでしょう。


潜在的ニーズを探すのは極めて難しい


「潜在的ニーズ」とは、「患者自身が気づいていない、患者が抱えている課題」です。

デイサービスの利用で例えてみます。

「コミュニケーションをとりたい」といった顕在的ニーズでデイサービスを利用している独居の高齢者がいたとします。

独居の高齢者にありがちな「コミュニケーション不足」は独居の高齢者に問題があるのではなく、コミュニケーションをとるために必要な「足(移動手段)がほしい」という潜在的ニーズがあったりします。

多くのデイサービスで定番化しているドアtoドアの「送迎サービス」は潜在的ニーズを満たしています。
「私の話を聞きたがっている友人がデイサービスにいる」という動機のもと、送迎車に乗り込む利用者もいます。

「言われてみれば、たしかに!」なんですが、「潜在的ニーズ」を探すことは極めて難しいです。

患者自身が気づいていない場合がほとんどで、気づいていたとしても、公に言及しません。


潜在的ニーズを汲み取れた事例


潜在的ニーズを学ぶ上で勉強になったケース(フィクション込み)があります。

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