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オランダ・バッハ協会の「マニフィカト」(作品予習&生演奏の感想) | アムステルダム音楽旅


予習(YouTube、IDAGIO)

クラシック音楽好きがアムステルダムで音楽鑑賞する場所と言えば、まずコンセルトヘボウは欠かせない。しかし、2005年にオープンした725席の中規模ホール Muziekgebouw ムジークヘボウも忘れてはならない。ざっとコンサートスケジュールを見れば、魅力的な公演が並んでいることが分かるだろう。

Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影

オランダ・バッハ協会が展開している演奏動画 All of Bach バッハ全集(YouTubeでも視聴可)には、コロナ前もコロナ禍の真っ只中も大変お世話になった。高品質な演奏動画を無料で誰でも楽しめる。

以前、音楽監督のヴァイオリン奏者佐藤俊介がメンバーたちと来日した時に生演奏を聴いたが、それは器楽のみの公演だった。

声楽曲を聴きたい!そんなチャンスがやっと訪れた!プログラムは以下の通り。どう?どう?良い感じでしょう?!(一人で興奮するスズキ)

テキストデータは別サイト(私の鑑賞コンサート一覧 - 2023年)をご覧ください

前半プログラム(メインの曲、バッハの「マニフィカト」の前まで)は、YouTubeで曲を集めてプライベートなプレイリストを作成して予習した。

「マニフィカト」はクリスマス用の4曲を含むクリスマス版で演奏される。これは主に音楽ストリーミングのIDAGIOに含まれているCDを聴いた。

「マニフィカト」のシンメトリーな構造や、クリスマス版と通常版の違いはWikipedia(英語)が参考になった。

Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影

これまでの旅ではいつも記念にプログラムを買っていたのだが、今回の旅ではどの公演でもプログラムを買わなかった。この公演では、ヨーロッパでは珍しく無料のプログラムが置いてあったので有り難く持ち帰った。そして、その中身を今さらだが読んでみた。結局現地では使わなかったスマホアプリのGoogle翻訳のレンズで読み取り、オランダ語から英語に変換。便利な時代になった。

カウンターテノール歌手のアレックス・ポッター(担当パートはアルト)のインタビューが掲載されている。オランダ・バッハ協会との共演も多く、前述の「バッハ全集」でも常連の歌手である。今回のプログラムは彼が組み立てた。指揮も担当する。プログラムを作り、指揮者・歌手としてオランダ・バッハ協会と一緒に演奏するという、この特別な企画を彼自身が心から楽しみにしているとのこと。

子供時代から教会音楽を歌い、教会音楽に魅了されてきた彼が作ったのは、バッハの時代に歌われていたバッハ以前の音楽を前半に演奏し、バッハの「マニフィカト」をクライマックスとするプログラム。前半の曲にはグレゴリオ聖歌の他、バッハより前にトーマス教会のカントルとして活躍したヨハン・ヘルマン・シャイン、トビアス・ミヒャエル、ヨハン・クーナウの曲などを入れている。

私の知らない分野、普段あまり聴く機会のないグレゴリオ聖歌を聴くのも楽しい。一方で、知らないと思っていたけど、どこかで聴いたことがある曲もある。古い讃美歌 Wie schön leuchtet der Morgenstern(明け方の星は、なんと美しく輝くことか)だ。この讃美歌は多くの作曲家に影響を与えた。普段の音楽鑑賞で、バッハの作品などを通して知らず知らずのうちに聴いていたのだろう。今回のプログラム内の複数の作品でもこの讃美歌が使われている。

インタビュー記事によると、今回の「マニフィカト」は、クリスマス版の変ホ長調ではなく、通常版のニ長調にクリスマス用の4曲を付けたものを演奏する。変ホ長調とニ長調は半音しか違わない。どちらもイメージとしてはフェスティブな雰囲気だと思う。

生演奏(オランダ・バッハ協会、指揮・カウターテノール:アレックス・ポッター)

2023年12月19日
Muyiekgebouw
Nederlandse Bachvereniging
Alex Potter, alt en leiding
Miriam Feuersinger, sopraan
Kristen Witmer, sopraan
Thomas Hobbs, tenor
Stephan MacLeod, bas

Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影

上の写真は私の席から撮影。今回は最後列の右端に座った。

すると、暗くなったホールで思いがけず突然、真横から抜群に上手いアカペラが聴こえてきた!

そういえば、最後列は右半分しか座席が無かったのだが、左半分を空けておいたのは、そのためだったのか!

アカペラで始まることは、「予習」に書いたプログラムのインタビューにも記載されていたのだが、開演前に読んでいなかったので(多分オランダ人も開演前はお喋りに夢中で読んでいないw)サプライズな演出にワクワク♪

歴史ある建物のコンセルトヘボウとは違うモダンな建物だと思って少し油断していたが、最後列の端に座ってみると、ホールの壁も椅子も、かなり木材が使われていることに気づいた。光が漏れているオシャレな壁もこう見えて木材。石造りの音響も好きだが、木にじんわり伝わる音も好きだ。座る席や演奏にもよるが、今回は6年前より、ホールという箱の中に音楽が充満しているような感じがして良かった。

Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影

最後にアレックス・ポッターが一言。急病で参加できなかったチェロ奏者の代わりに別のチェロ奏者が急遽参加してくれたそうだ。

運河の夜景を臨むホワイエはゴージャス感たっぷり。ご覧の通り沢山の陽気なお客さんで賑わっていた。

コンセルトヘボウも素敵だけど、ここも素敵だよね!

Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影
Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影
Muziekgebouw | 2023年12月 | 筆者撮影

【参考】指揮・カウンターテノールのアレックス・ポッターが歌うオランダ・バッハ協会「バッハ全集」の動画


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