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キタラに来たら感動!ニルス・メンケマイヤー(ヴィオラ)が札幌交響楽団と協演

皆さん、ついに私も札幌コンサートホールKitaraデビューしました!(もちろん観客として・・・)

バイロイト旅より前だったと思うが、札幌交響楽団のサイトで、数年前から大のお気に入りの憧れのヴィオラ奏者ニルス・メンケマイヤーの名前を発見。その瞬間に札幌行きを決意した。生でニルスさんの演奏を聴くのは数年前の東京でのリサイタルに続き2回目。

ついにその日が来た。

この数ヶ月、仕事が多忙でますます日本が嫌になっているが、無事に一瞬だけ旅をすることができた。

札幌は朝だけ雪で、その後は晴れるとの予報だったはず・・・ところが昼間も降った。寒いけど、冷たい雨よりは雪の方が良い。寒くて嫌だとか言いながら、雪景色やひらひら舞う雪にワクワクしてしまう東京人スズキ。

こんなに寒い雪の日のコンサートなんて初めて・・・・・ではなかった。そうだ。2022年12月のフランクフルト&ストラフブールの方が寒かった。
https://dec2022.msuzuki.art/

音響が素晴らしいと評判のKitaraホールに行ってみたかった。ホールも素敵だが、まず何より雪降る公園の中にある外観の美しさに悶絶。。。

悶絶なんて大袈裟な表現だと思いますか?
いや、そんなことはない。
ほら、ご覧なさい!美しい!!

雪に感謝。

開演前のロビーコンサートはヒンデミットの弦楽四重奏曲第2番より第2楽章。演奏エリアの周辺から階段や2階までズラリとお客さんがいる。真剣に聴いている。住んでいるところから遠く離れたところまで来ても、こうしてクラシック音楽を愛する仲間たち(誰とも話す機会もなかったので「仲間」とは大袈裟かもしれないが・・・)がいることが嬉しい。

それにしてもロビーの空間が広い。広いのは良いことだ。リラックスできる。(前日にロビーが劇的に狭い王子ホールでケラス&タローを鑑賞したので特にそう感じた。)

さて、座席だが、どの席を取ったかなんて、すっかり忘れていたのだが、なんと最前列を取っていた(笑) 座ってみると、ソリストをバッチリ拝める席ではないか。まだ開演前なのに緊張してしまうというか、顔がニヤけてしまう。

札幌交響楽団
札幌コンサートホールKitara
2024年11月30日
指揮:エリアス・グランディ Elias Grandy
ヴィオラ:ニルス・メンケマイヤー Nils Mönkemeyer

ヒンデミット
 白鳥を焼く男
 ”古い民謡によるヴィオラと小管弦楽のための協奏曲”
マーラー
 交響曲第1番「巨人」

「白鳥を焼く男」なんて、まるで怪しげな儀式のようなタイトルだが、そうではなく、白鳥を料理する人のことである。(本当は怪しげな儀式みたいな曲も聴きたいなぁ。ふふふ。)ドイツの古い民謡の旋律が入っている。程よく親しみやすく、程よく近現代的で、聴きやすいと個人的には思う。予習として、ベルリンフィルのデジタルコンサートホールでタベア・ツィンマーマンの演奏映像を何度か聴いた。コロナ禍での演奏でごく僅かな観客、演奏者は距離を空けている。タベアさんは結構大胆に男まさりに演奏していて、きっとニルスさんの演奏もこんな感じなのだろうと思いながら予習。

ニルスさん登場。数年ぶりだが、全然お変わりない。
遮るもののない、最高のポジション(座席)で演奏を堪能した。聴きながら思ったのは、ニルス・メンケマイヤーの和音や他旋律の絶妙さが好きで堪らないのだ。うまい、うまい、やっぱりうまいなぁと思いながら聴いた。この曲は演奏時間30分ぐらい。短い。すぐ終わってしまった。だが、満喫した。

ソリストアンコールはバッハのチェロ組曲から第1番のサラバンド。ヴィオラの音が、やたらと大きいことに今更ながら気付いた(笑) 伴奏楽器としての役割が大きいヴィオラだが、ニルスさんはどうしてもやはりソリストなのだ。さっきまでオーケストラと協力しながらアンサンブルを演奏していたのに、独奏曲を弾いているニルスさんは、自分の世界に入り込んで、周囲を寄せ付けないオーラを発している。

(休憩15分!短い!)

後半プログラムはマーラーの交響曲第1番「巨人」。懐かしい。クラシック音楽を聴き始めたばかりだった15年ぐらい前、マーラーの交響曲を全て生演奏で聴くんだと意気込んでいたのだが、程なく、クラシック音楽内の他のジャンルに興味を持つようになり、いまだに全曲は聴けていない。それでも1番は1回か2回ぐらい生演奏で聴いたと思うが、それ以来の鑑賞となる。予習する時間的な余裕もなく、久しぶりの鑑賞。ああ、こんな曲だったなぁ・・・と懐かしく思いながら鑑賞した。「フレール・ジャック」の短調版やマーラーの歌曲の一部などが引用されている。舞台裏で演奏する「バンダ」や管楽器のベル部分を高くして鳴らす「ベルアップ」という言葉を知ったのも「巨人」だったなぁと思いながら・・・

この、熱い熱い若きマエストロ、エリアス・グランディは2025年4月に札幌交響楽団の首席指揮者に就任されるとのこと。おめでとうございます!本日のコンサート開演前にもご挨拶されていたが、まるで顔に「うれしい」と書いているような、幸せいっぱいの表情。エネルギッシュでエキサイティングな状態を最初から最後まで継続できる元気いっぱいの若者!一生懸命さが眩しい!昔、一時期会員として鑑賞していた都響と当時の若き指揮者ヤコブ・フルシャを思い出す。若いって良いなと思っていたら・・・

エリアスさん、なんと私と同じ年ではないか!!!(←衝撃の事実!?)

なぜ私はこんなに老人なのだろうか(笑)

あれぐらい若々しくエネルギッシュでありたい。いや、無理だが、もう少し近づいても良いのでは?若い感性を取り戻そう。自分。しっかりしろ。。

前日のケラス&タローでもキラキラ輝く若さを感じた。彼らは我々より一回りぐらい年上なのだが・・・

ケラスさん、タローさん、ニルスさん、エリアスさん・・・
私が人生の参考にしたいと思う憧れの人物は皆んなヨーロッパにいる。
ああ、ヨーロッパにまた行きたい。移住したい。

何はともあれ、魅力あふれる演奏者たちが日本で演奏したいと思ってくれるように、日本も引き続き頑張って行かなければということだ。円安で色々大変だとは思うのだが・・・ いや、そういうことだけでなく、わざわざ遠くから来日して演奏したいと思ってもらえるホール、観客、協演者、スタッフ・・・

私は土地勘のない慣れない札幌で歩きまわって疲れた。
ここは銀座かと思うほどの人混みだった。(いや、銀座より元気いっぱいの人々ばかりでは?笑)粉雪が舞う外で夜10時にラーメンのために行列を作る人たちの根性にびっくり!

コンサート後は、ラーメンではなく、あらかじめ予約しておいた北海道の食材を使ったイタリア料理店へ。よくわからないまま選んだのだが、私にとって最高にベストな選択だったと自信をもって言える。予約しておいて良かった。知らないと素通りしてしまいそうなエントランス。

最近はドイツ語の勉強のつもり(?)で、東京で食べたものをドイツ語で紹介するYouTubeショート動画を作っているので、そこで今回のイタリア料理店も紹介したい。





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