# 女性を守るという大義は、障害者差別を正当化するか vol.5 石川優実氏の罪_犬笛
「女性を守るため」という大義のためであれば、障害者差別を扇動することが正当化されるでしょうか。
もちろんそんなことが許されるはずがありません。
女性差別をなくすという目的のために連帯した男性たちが、プロジェクト発起人であり精神疾患を持つ梶谷健太郎氏を危険人物であるかのように印象づけ、接近・接触の注意喚起を促す文章を不特定多数の人に向けて拡散する、という事件についての検証、今回は第五弾です。
よかったらこの問題を一緒に考えてください。
この一連の検証記事は、梶谷健太郎氏個人の名誉回復と、悪質な差別扇動行為に対する糾弾を目的に書いています。
イベント発起人の梶谷健太郎氏が、なぜ深刻な名誉毀損被害を受けることになったのか、なぜ梶谷氏を「危険人物」であると印象操作し精神疾患であることを明記した上で接近・接触の注意喚起文を広く拡散するという障害者に対する差別扇動行為が行われるに至ったか、この疑問を解くべくひとつひとつ検証してきます。
まだの人は最初の記事からお読みいただくと、この事件の問題点がわかります。
今回は「石川優実氏の罪 犬笛」をテーマに検証していきます。
石川優実氏はイベントの主催者 #AgainstSexismProject のメンバーではなく、トークイベントの登壇予定者でした。イベント主催者の不手際により迷惑を被ったひとりです。
イベントが中止になる過程で、「梶谷健太郎氏に暴言を吐かれたりイベント中止の原因が石川優実氏にあると吹聴されるなどして名誉を毀損された」という立場です。
ただひとつひとつ検証していくと、石川優実氏の存在を抜きにしてこの差別扇動事件を語ることはできないという結論に至りました。
石川優実氏の罪は「犬笛」を吹いたことだと考えます。
## 石川優実氏の罪 犬笛
### 石川優実氏とは
この記事をお読みの人は、フェミニスト石川優実氏についての説明は不要でしょう。
> フェミニスト。2019年英BBC #100Women 、2019年新語・流行語大賞TOP10 #KuToo 署名発信者。
https://twitter.com/ishikawa_yumi
### 犬笛とは
犬笛とは何でしょう。
手元の辞書には記載がありませんでした。
#AgainstSexismProject メンバーであるモバイルプリンス氏が、「せやろがいおじさん」のYouTubeチャンネル番組「コネラジ」の中で犬笛について語っている場面がありますので紹介します。
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モバイルプリンス氏の説明で犬笛の説明としては十分ですが、補足としてBBCの動画もはっておきます。
### 吹かれた犬笛
障害者差別扇動である「注意喚起文」事件に関連して、石川優実氏が吹いた犬笛とはどんなものだったでしょう。
ここまで見てきた事例をざっと振り返ってみます。
詳しくは前回までの記事をお読みください。
このツイートをきっかけにして、くぼゆうすけ氏らイベント主催者らは梶谷健太郎氏をツイッターで批判し始めました。
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イベント主催者の一人、くぼゆうすけ氏のアカウントから、石川優実氏と梶谷健太郎氏のDMのやりとりが公開されたときの、石川優実氏のツイートです。
石川優実氏が促した行動、「拡散して注意喚起」の内容は具体的に何を示しているのでしょうか。
#### ツイキャス配信
DM公開後、梶谷健太郎氏は自身が双極性障害であり、そのことがイベント中止に関係する事象の原因であると説明されました。
その夜、石川優実氏のアカウントからツイキャス配信が行われました。
場所は都内某所の焼き肉屋。参加メンバーは石川優実氏とくぼゆうすけ氏、遠隔からのコラボ参加でモバイルプリンス氏、ほかです。
梶谷健太郎氏に対して石川優実氏は社会的制裁が必要である示唆します。
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モバイルプリンス氏の「パージ(追放)は簡単」という発言をうけて、「なんとかしてよ」と返しています。
「パージしてよ」ではなく、「なんとかしてよ」と言っているところが、典型的な犬笛になっています。モバイルプリンス氏が好きだというヤクザ映画『アウトレイジ』を彷彿とさせます。
梶谷健太郎氏が危険であるとして、警備目的で自身の講演会の参加を呼びかける石川優実氏。
もし梶谷健太郎氏がこの会場に現れていたらどんな目に遭わされていたでしょうか。仮に暴力事件に発展したとしても石川優実氏は「殴ったり拘束したりしてとは言っていない」と弁明するでしょう。
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ツイキャス配信の翌日、イベント主催者から公式文書として、問題の「注意喚起文」がだされました。
この「注意喚起文」のタイトルは「映画『月光』オンライン上映・トークイベントに関連した諸問題についてのお詫びと注意喚起」です。
ひとりのトークイベント登壇予定者である石川優実氏が、イベント中止の経緯説明文としてではなく、「注意喚起文」として3万数千人のツイッターフォロワーにむけて拡散を依頼しています。
この「注意喚起」はなにに対して注意するよう喚起しているのか振り返ります。
「精神疾患を持つ梶谷氏が危険なので接近・接触を注意するよう」注意喚起する内容です。
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リツイート行為に、元ツイートと同じ法的責任があることは、これまでの裁判例で示されています。
トークイベント登壇予定者だったジャーナリストの伊藤詩織氏も、6月の提訴でリツイートの責任を問うています。
差別扇動の「注意喚起文」を拡散し、さらにフォロワーに対して拡散依頼をした石川優実氏にも、当然ですが差別扇動の罪があるでしょう。
リツイートの責任については、評論家の荻上チキ氏もラジオで解説しています。
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石川優実氏は以前から梶谷健太郎氏の精神疾患について知っていたようです。
重要なポイントのひとつです。
その上で梶谷健太郎氏が女性差別反対に動くよう促していたと受け取れる発言です。
## 犬笛が吹かれなくても動き出す人たち
犬笛を吹かれることに慣れた周囲の人たちは、次第に犬笛が吹かれなくても先回りして動くようになります。忖度です。
ここからは、犬笛が吹かれていないのに動き出す人たちの事例をいくつか取り上げます。
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前回の記事の締めくくり部分に「次回は、石川優実氏の「犬笛」問題について掘り下げて検証する予定です。」と書きました。
その二日後の10月10日、複数の批判がはじまりました。
### モバイルプリンス氏・ら
まず、#AgainstSexismProject メンバーの一人であり、ツイキャス配信でも活発に発言されていたモバイルプリンス氏が、ぼくに対する反論記事を書きます。
モバイルプリンス氏については次回の記事で検証します。
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その数時間後、モバイルプリンス氏の記事を、#AgainstSexismProject メンバーのくまくま氏が引用リツイートします。
### 「現代書館の山田亜紀子」を名乗る人物
「現代書館の山田亜紀子」を名乗る人物からツイッターのDMがとどきます。モバイルプリンス氏の記事公開ツイートの二時間半後のことです。
このDMの送り手が本物の「現代書館の山田亜紀子」さんではないという印象を受けたので返信はしていません。
まず全文を読んでください。
マスナリジュン様
突然のDMで失礼致します。
現代書館の山田亜紀子と申します。
私は石川優実さん著『#KuToo 』の編集担当者です。
お伝えしたいことがございまして、ご連絡致しました。
①
4月19日に書籍を音読されていらっしゃいますが、こちらは著作物の二次的使用となります。
使用されるにあたり、事前に弊社にご相談いただいておりませんので、削除をお願い致します。
削除いただけない場合は、何らかの別の対応を考えさせていただきます。
https://twitter.com/msnrjn/status/1251756165253365766
②
石川さんが巻き込まれたイベントに関する記事で、マスナリさんは「障害者差別」という言葉を何度も使われていらっしゃいます。
梶谷さんという方に対して、この言葉を使われることに非常に違和感があります。
「障害者」とは当事者でなく社会側がつくった考え方です。
現代書館は長く障害者運動とともに歩んできた出版社です。
マスナリさんが障害者運動についてどういうお考えなのかは存じあげませんが、このようなネット上で起こった些細なトラブルと「障害者差別」を一緒に考察されることに強い懸念を抱いております。
もしよろしければ「青い芝の会」などが歩んできたこと、インクルーシブ教育などについてお考えいただき、その上で、記事を配信され続けるのかどうか、ご検討いただけますと幸甚です。
さまざまな人が閲覧できる場所で、このような内容をお伝えするべきではないと考えましたので、DMでご連絡させていただきました。
返信は結構でございます。
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
現代書館 山田亜紀子
このメッセージの送り主が「現代書館の山田亜紀子」さんではないとぼくが感じた三つの根拠を書きます。
ひとつめ。
音読配信が著作物の二次的使用にあたるので削除を、というならば、現代書館公式のアカウントから連絡されるはずです。
たしかに、石川優実氏の著書「#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム」の担当編集者は「現代書館の山田亜紀子」さんのようです。あとがきにその名前が記されています。
ですが、今回メッセージを送ってきたアカウントがその「現代書館の山田亜紀子」さんであることを確かめることができません。送られてきたアカウントのプロフィールには所属を示す記載はありませんし、ツイート内容も無関係のものばかりです。
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ふたつめの根拠は、現代書館の編集者ともあろう人が、著作物の二次的使用に関しての「何らかの別の対応」と並べて、「記事を配信され続けるのかどうか、ご検討いただけますと幸甚です」などと、脅迫ともうけとれるようなことを書くはずがないからです。
現代書館は、「現代書館の山田亜紀子」を名乗る人が書いているように「長く障害者運動とともに歩んできた出版社」です。
障害者差別については、『差別されてる自覚はあるか: 横田弘と青い芝の会「行動綱領」』や『障害者殺しの思想』など数多くの書籍を世に出されています。
差別問題関連で最近では『関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言』の普及版を8月に出されました。オリジナル版は売価が約一万円と高価だったのですが、小池百合子都知事の慰霊祭追悼文問題が注目されるタイミングに、普及版として三分の一の価格で出版されました。出版社としての矜持を感じます。
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みっつめの根拠は、「長く障害者運動とともに歩んできた出版社」である現代書館の編集者さんが、今回の「注意喚起文」事件を「ネット上で起こった些細なトラブル」などと過小評価するはずがないと考えるからです。
差別と差別を比較し、一方を「些細なトラブル」などと矮小化してはいけません。"小さな兆候こそ"見逃さず批判することの重要性は、メッセージを送ってこられた方が本当に「長く障害者運動とともに歩んできた出版社」の編集者である「現代書館の山田亜紀子」さんなら十分に理解されているでしょう。
このダイレクトメッセージは、石川優実氏の支持者が「現代書館の山田亜紀子」さんになりすまして送ってきたものだとぼくは解釈しています。
石川優実氏もなりすましの被害にあっています。以後、一部のアンチフェミと同じような卑劣な行為をされませんように願います。
なお、この自称「現代書館の山田亜紀子」さんが著作物の二次的使用だと指摘されている、石川優実氏の著作『#KuToo』の音読動画を貼っておきます。ご興味のある方はどうぞ。
ちなみにこの音読動画のツイートは配信翌日、著者の石川優実氏にリツイートされています。
### 某出版社代表 Qさん
「現代書館の山田亜紀子」のメッセージからさらに2時間半後、今度はメールが届きました。
送り主はある出版社の代表の方からです。
ここでは仮にQさんとしておきます。頭文字ではないです。誰であるか邪推されませんように。
Qさんとは以前メールでやりとりしていますし面識もあるので、こちらはなりすましではないです。
送られてきたメールの一部を引用します。
今マスナリさんが梶谷氏の一連の出来事に関して石川さんをSNS上で批判されている件ですが、梶谷氏の被害者である石川さん(やその周辺)の「加害性」を訴えてらっしゃいますが、石川さんは梶谷氏の行動を氏の障害に原因があると発言も示唆もされていません。
マスナリさんがそのようにミスリードされているのはなぜでしょうか。
これまでずっと女性運動は優生保護法や中絶の権利問題において、常に障害者運動と対立させられ、分断させられてきました。
今回の件は保護法や中絶の問題には当たりませんが、分断を煽る構図がまったく同じで看過できません。
> 石川さんは梶谷氏の行動を氏の障害に原因があると発言も示唆もされていません。
直接的な「発言も示唆も」していないが、なぜか周囲が石川優実氏の意をくんで行動する。これを犬笛だとぼくは批判しています。
> これまでずっと女性運動は優生保護法や中絶の権利問題において、常に障害者運動と対立させられ、分断させられてきました。
> 今回の件は保護法や中絶の問題には当たりませんが、分断を煽る構図がまったく同じで看過できません。
男性メンバーによる #AgainstSexismProject が出した、障害者差別扇動効果のある「注意喚起文」と積極的拡散行為に対するぼくの批判が、「優生保護法や中絶の権利問題において、常に障害者運動と対立させられ、分断させられてきました」と「構図がまったく同じ」であるというのが理解できません。どの点が同じなのか具体的に指摘していただきたいです。
障害者差別扇動を批判するときに、批判対象の中にフェミニストがいたというだけで「女性運動を分断」していることになるというのでしょうか。対象者にフェミニストがいたら、別の属性に対する差別扇動を批判すべきではないとおっしゃるのでしょうか。
もう一点。
私たちの繋がりは強く、これからも声は上げ続けますし、私たちの行動を歪め分断するような言説には抗議いたします。
■■■■■■に限らず、大切な仲間である石川さんについても同様です。
(※ Qさんが誰であるかの推測につながる部分を伏せ字にしています。
この伏せ字に書かれている件については今回の件と無関係です。Qさんとはこの件について機会があれば話をしてみたいと思っています。)
さて、ここに書かれている「大切な仲間である石川さん」という部分が、今回の事件を考える上で重要だと感じています。
今回の犬笛問題とは逸れすぎてしまうので、別な記事で論じる予定です。
このように、前回の記事のおわりに「次回は、石川優実氏の「犬笛」問題について掘り下げて検証する予定です。」と書いただけで脅迫まがいなものをふくむ批判が届きます。
検証記事3回目まではなにも動きがなかったのに、です。
## 石川優実氏とマスナリのDM
ぼくは石川優実氏とこの件について、ツイキャス配信前の9月20日からDMでやりとりしていました。
できればこのような批判的検証記事など書かずに、差別扇動文を撤回していただきたかったためです。
石川優実氏とのやりとりは双方の合計で約1万字に及ぶものなので、ここでは主にぼくのメッセージの一部を抜粋します。実際のやりとりは石川優実氏とのメッセージの往復があります。
もし石川優実氏がこの抜粋を恣意的な切り取りだと批判されるようでしたら、全文を公開することもやぶさかではありません。
DM公開と梶谷健太郎氏の事情説明後のメッセージから始まります。
石川さん、こんにちは。
イベントの件、心中お察しします。
参加を検討していたこともあり、数日前から梶谷さんのツイートを追っていました。
昨夜くぼさんが公開された石川さんと梶谷さんのやりとりを見るだけでも、梶谷さんの不誠実さと攻撃性には驚くばかりです。公開されていないやりとりも、きっとひどいものだと想像します。石川さんや関係者のみなさんに、ご同情申し上げます。
今回の梶谷さんの言動は常軌を逸しているものであり、疾患の有無に関わらず今からでも誠実な対応をすべきだと思います。また石川さんは直接の被害者なので許すことは難しいとおもいます。
一方で、梶谷さんは自身が双極性障害でありそれが今回の原因であるとツイートされました。
...
部外者であるぼくが口を挟むことではないことは承知しています。ただ、昨夜から結果的にネットリンチ状態になり始めているのをみて、すこし心配になっているところです。
今回のことで石川さんや関係者のみなさんは大変な迷惑を被り、ストレスフルな時間を今も過ごしてらっしゃることとおもいます。
どうぞ、ご自愛ください。
もし、ぼくにできそうなことがあれば、いつでもご連絡ください。
2020年9月20日 午後0:31
ツイキャス配信と注意喚起文公開後のメッセージ
石川さん、
発表された注意喚起文に対して問題を指摘するツイートをしました。
それに対して涅槃さんとくまくまさんからリアクションがありました。二人へはまだ返信していません。
このメッセージに石川さんから返信がなければ、彼らとやりとりを始め、広く問題提起をしていくつもりです。
発表された文章の最後から2つ目のパラグラフは、精神疾患を持つ人に対する差別扇動だとぼくは読みました。大きな問題だと捉えています。
石川さんは拡散を呼びかけれられています。
ぼくが指摘しているパラグラフに問題はないとお考えでしょうか。
ほかの精神疾患と双極性障害を混ぜて論じては今回の結末を誤ります。
躁の時期に自分の身の丈に合わない大きな事に手を付けてしまい、収拾がつかなくなって鬱の時期に自分を責めます。病気なので本人にはコントロールが効きません。
双極性障害は鬱や他の疾患に比べても自殺率が極めて高い病気です。梶谷氏も自殺企図をほのめかすツイートをされています。
石川さんや関係者が被った被害はぼくには想像もできません。心から同情申し上げます。いずれ梶谷氏には償ってもらう時期がくるのだと思います。
ですがそれは今でしょうか。
梶谷氏が精神疾患であると明記した上で、接触や接近をしないように注意を促すということが、精神疾患を抱える人達に対するどれほどの差別扇動であるか、どうかよく考えてみてください。
また、本件とは離れて一般論ですが、仮に殺人や強姦などを犯した前科持ちの人であっても、そのことをもって接触しないよう広く注意を促すことは、明確な名誉毀損です。法律の教科書にも事例として書かれるほどの代表的な例です。
今回の例も間違いなく名誉毀損にあたるでしょう。
ご理解いただけていると信じたいですが、ぼくは石川さんのアンチでも、フェミニストのアンチでもありません。今回のメンバーに悪感情はありません。むしろ梶谷さんに対してネガティブな感情を持っていることは前回のメッセージでお伝えしたとおりです。
なので、この呼びかけを、クソリプや難癖だとは捉えないでいただきたいです。
ぼくが指摘しているパラグラフ以外には問題を感じませんし、部外者であるぼくが口を挟むことでもありません。ですが差別扇動につながる部分に関しては、女性差別をふくむすべての差別をなくしたいと強く願い学んでいるものとして、どうしても看過できないのです。
石川さんは以前、動画の中で使われた「ジプシー」という差別性のある言葉の間違いを訂正されました。
なかなかできることではなく、それ以来、石川さんには敬意を持ってきました。
なにかの属性で差別をされている人が、他の属性の人を差別してしまうことは残念ながらよくあります。大事なのは間違いに気がついたら真摯に受け止め、適切な対処を行い、学び続けることではないでしょうか。
精神病を持つ人達が差別されてきた歴史と今現在置かれている状況を、よく想像してください。
あの文章の間違いをただすことができるのは、石川さんしかいないでしょう。
どうか、正しい判断をしてください。お願いします。
明日のお昼までにお返事がなければ、彼らとのやり取りを始めます。それまではこの件に関してのツイートはしません。
良いお返事をいただけることを、心からお待ちしています。
2020年9月21日 午後8:59
あの文章のほとんどの部分には問題を感じません。ですが、ひとつのパラグラフが致命的に差別性を持ってしまっています。その問題文のツイートを否定的に論じているのではない形で拡散依頼ツイートをされています。同罪になってしまいます。
被害者に責を追わせているつもりはなかったですが、そう受け取られてしまったのはぼくの至らなさです。ここで重要なのは意図ではなく効果です。申し訳ないことです。
2020年9月21日 午後9:47
石川さんの信用を貶めたいというのがぼくの目的なのであれば、このやりとりも誰の目にも触れるリプライでしています。石川さんは鍵アカウントですが、ぼくのリプライは誰からも見えます。なので、こうしてメッセージにしました。
こうしてぼくが石川さんの信用を落としそうとしたり責めたりしているのでは、と疑われてしまうのは、これまでのぼくの行動によって信頼を築けなかったということですので、仕方ありません。残念です。
2020年9月21日 午後9:52
ぼくの代案、というか望ましい結末を書きます。石川さんに要求しているわけではありません。
1. 当該のパラグラフを削除した文章をメンバーがあらためて出す。その際、差別扇動につながる箇所があったことを詫びる。
2. 石川さんは「注意喚起」のツイートを削除し、あらためて、主催者に近い人からだされた「経緯説明とお詫びの文」として、拡散依頼のツイートをする。石川さんはひとりの登壇者であり本件の運営には一切関知していないことを改めて明記する。
以上のどちらか、または両方を行うことがのぞましいと考えます。
1に関しては、石川さんとは関係ありませんが、メンバーが精神障害者に対する差別に無配慮であると思われない為と、差別扇動効果をうまないためです。
2は石川さんが精神障害者に対する差別に無配慮であると思われない為です。
2020年9月21日 午後10:31
石川優実氏からの最後のメッセージだけ引用します。
その状態で今ますなりさんからまでなんか色々と言われて、正直なんで私がこんなに配慮したり考えたりしなきゃいけないの?という感じです。
私に要求してないなら、私が被害者であることがわかってるなら、私を通さずに私の信頼が落ちないようなやり方をかんがえてやってもらえませんかね?
2020年9月21日 午後10:44
> 私の信頼が落ちないようなやり方をかんがえてやってもらえませんかね?
このような返答だったことは残念でした。
それでもこの時点ではまだ、検証記事を書いて批判することにためらいがありました。
石川優実氏とのやりとりが終わった後、モバイルプリンス氏にメッセージを送ることになります。
モバイルプリンス氏とのやりとりについては次の記事で詳しく見ていきます。
## まとめ
石川優実氏の罪についてまとめてみます。
石川優実氏はかなり早い段階で梶谷健太郎氏の病気のことを聞いていたようです。別のプロジェクトで「問題行動」を起こしていたことも知っています。それを知った上で、梶谷健太郎氏を自身のオンラインサロンに招き入れ、女性差別に反対するよう暗に導いていきます。
ひとつめの犬笛です。
イベント中止のタイミングで石川優実氏は梶谷健太郎氏にDMで「暴言」を投げつけられます。そのあと石川優実氏は「なんで周りは何もしないんだろう」というツイートをします。その直後からプロジェクトメンバーの男性たちは一斉に梶谷健太郎氏を公開の場で激しく批判し始めます。
ふたつめの犬笛です。
激しい批判を受け、梶谷健太郎氏は双極性障害を罹患していることをカミングアウトするまでに追い詰められます。その夜、石川優実氏らは焼肉屋からツイキャスを配信。くぼゆうすけ氏の「そういう保護施設みたいなのに行ってもらうしかねぇじゃん」発言と、モバイルプリンス氏の「パージ(追放)は簡単」という発言を受けて、石川優実氏は「なんとかしてよ」とゴーサインを出します。
みっつめの犬笛です。
ツイキャス配信の翌日、問題の差別扇動文書「注意喚起文」が出され、石川優実氏は3万数千人のツイッターフォロワーに注意喚起として拡散を依頼するツイートをします。
よっつめの犬笛です。
このあと、ぼくのこの検証記事連載が始まり、第三回の記事の次回予告として「次回は、石川優実氏の「犬笛」問題について掘り下げて検証する予定です。」と書いたことを受けてか、脅迫まがいをふくめて複数の批判がはじまります。
吹かなくても機能する犬笛、忖度です。
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石川優実氏は今回の「注意喚起文」の差別性について理解していました。このことが梶谷健太郎氏に対する「社会的制裁」になることも予想していました。
某出版社のQさんが指摘するように、石川優実氏はたしかに直接「発言も示唆も」していないのかもしれません。ですが並べてみてみると、結果として石川優実氏の発言を受けて、または受けずとも、周囲は石川優実氏の意に沿うよう動いています。
この件を政権批判に結びつけるのは不適当かもしれませんが、ここ数年なんども見てきた光景です。犬笛や忖度によって人死にまで出ました。
冒頭で紹介したBBCの動画にあるように、日本だけでなくアメリカでも大統領が犬笛を頻繁に使います。
犬笛はすぐに忖度へとかわります。犬笛が一度機能し始めると、あとはもう吹く必要さえなくなります。
最後に、モバイルプリンス氏のコメントを借りて、今回を締めくくりたいと思います。
## 次回予告
次回は、「モバイルプリンス氏の罪」について掘り下げて検証する予定です。
反差別運動内で起こる別の属性に対する差別。残念ながらよく見かける光景です。同じことを繰り返さないためにも、次回は周囲の責任について考察してみます。
この記事を執筆時点で「注意喚起文」は公開されたままです。梶谷健太郎氏の名誉は毀損され続け、障害者差別扇動文は拡散され続けています。
よかったらこの問題に注目してください。
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毎回の長文にも関わらず、多くの人に読んでいただいています。ありがとうございます。
感想ツイートも読んでいます。ぼくが見落としていた論点などがあり、記事の参考にさせていただいています。
ぼくの記事を読んだ方が独自の視点で記事を書かれ始めました。多くの論点が集まることで多角的にこの差別問題を考えていけることを望みます。
※ この件に関係するみなさまにおかれましては、関連するツイートを削除されませんように。すでにスクショで保全してあります。
もし間違いがあったと気づかれたら、あったことをなかったことにするのではなく真摯に謝罪されることをおすすめします。
## 有料部分について
荒らしコメントをさけるために有料記事にしていますが、有料部分にはなにもありません。金を払ってでもひとこと言いたい人はどうぞ。
この記事に売上があった場合は、同額を上乗せして、11月初旬ごろを目処にぼくとは無関係の反差別系団体に寄付します。その際は有料部分に入出金の明細画像を貼ります。
サポートに関してはぼくのコーヒー代にあてさせていただきます。
ありがとうございます。
2020-11-10 非公開部分に寄付の報告について追記
ここから先は
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