詩159「葬られたる秘密」改訂版
「葬られたる秘密」
抽斗に閉じこめた彼女の色濃い記憶が 秘密の息遣いをしている
秘すれば花とは言うけれど
箪笥の中で踊る時間は 盗まれた手紙のような危うさであり
はたまた ボヘミアの醜聞のような艶やかな赤い仮面を想わせた
彼女が案じられるままに眠らせたその花は
やがて苦悩を残して文車妖妃と化けては悶え
念じられるうちに人知れず 煙の中へと散って行った
※急に書き直したくなり、手を入れました。
元は、3年半ぐらい前に載せた詩117「葬られたる秘密」です。https://note.com/msnokata2027/n/n57c59a5dcbc3