新国誠一『新国誠一 詩集』
これは文学なのか芸術なのかと惑わせる。
昨年、現代詩文庫より1960年代のコンクリート・ポエトリーを代表した詩人 新国誠一の詩集が刊行された。
コンクリート・ポエトリーとは、1633年にジョージ・ハーバートが天使の翼を模した「春の翼」を起源とし、1953年にスイスのE.ゴムリンガー が『星座』を発表してデシオ・ピニャタリ、ブラジルのノイガンドレスグループと共にその概念を提唱したのが始まりとされ、言葉の意味を排して(実際には排除されているとは思えないが)形式にこだわった視覚詩(具体詩)のことである。
日本では、1950年代後半に北園克衛と新国誠一が具体詩宣言をして運動が始まり、新国誠一は漢字をベースに言葉を機能的物質と捉えた空間主義を提唱し、言葉を言語的オブジェと解するアプローチで世界と渡り合った確かな文学だ。
単純な“読む”という行為では到底理解が出来ないが、言葉の進化が求められる現代において、1960年代のこの試みがこれ程までに未来であるとは60年後の2020年にも関わらず驚異的である。
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新国誠一詩集 (現代詩文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/478371021X/ref=cm_sw_r_em_apa_fabc_DgsSFb6BGC352?_encoding=UTF8&psc=1
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