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タイムスリップできたら虐めっ子をぶん殴れるか?

『大人になった今、もしも虐められてた時代に戻ったらあの子達を撃退できるだろうか?』

そんなことをふと、思うことがある。

先に言っておきたいのが、別にこのnoteでは「昔こんな虐めをされた私可哀想」と言う話をしたいのではない。

ただ、大人になった今の私が虐められていた小学生後半〜中学生の時に戻ったらどんな対応ができるのだろうという妄想を時々するという話。

小学校6年、卒業間近に唐突にはじまった虐め


虐めなんて、始まるのはいつだって唐突だ。

小学6年のある日、クラスのカースト上位の女の子・Yに無視されるようになった。

特別仲がよかったわけじゃない、吹奏楽で同じクラリネットをやっていた子だった。目鼻立ちがはっきりした可愛い女の子で、少し苦手だったけど同じ部活だったから、それなりの態度で仲良くしていた。

だけど、無視され始めた途端、仲が良かった吹奏楽部の子達が全員Yの味方についた。

こっちを見てクスクス笑われたり、わかるように替え歌を作られたり、昼休みから教室に戻ると筆箱に黒板消しを当てられて粉まみれになっていたりもした。

もし今の私があの時にタイムスリップしたらどうするだろう。

「何笑ってるの?」
「その替え歌だれのこと歌ってるの?」

と無邪気に近づいて、本人たちに直接聞いてみようか。

授業が始まる前に手をあげて、先生に「誰かに筆箱をめちゃくちゃにされました。犯人探して欲しいです」と言ってみたら、あの天パの先生はどんな対応をとってくれるんだろう。

この時の私は、昔より笑わなくなったし卒業アルバムもクラスのみんなにコメントをもらわずにしまった覚えがある。

下の学年の子たちと戦った謎の中学時代


Yとは地区が違ったため、中学校は別々のところに進学した私はまた昔のように色んな人と話をするようになった。

だけど、その中学は下の学年に素行の悪い生徒が多く、何がきっかけだったのかわからないが、ある日廊下を歩いているといきなり大きな声で

「たいわんじーん!」

と言われたのだ。

私は台湾人と日本のハーフだ。今でこそハーフなんて普通の時代になったけど、当時の田舎では特殊な家庭と認識されていた。

私がよく「女性だから」「〇〇世代だから」と括られて憤る根本的な理由はきっとここにあるのだと思う。

昔から、日本にいれば「台湾人」と言われ、台湾にいけば「日本人」と言われた。私をわたしだと認識してくれないことに、小さい頃から違和感があったのだ。

「台湾人」と叫んだその女の子は、一個下の当時は不良と認識していたRという子だった。その日から、そのRのグループとの戦いが始まった。

所属していた吹奏楽部の子達のスリッパを全て階段下に投げられたり、

下駄箱に行くと靴の中に水を入れられていたり。

ずっとやっていたブログに「お前のことなんて、みんな嫌いなんだよ」と書かれ、その言葉を真に受けて号泣しながら親友に電話をかけたこともある。

もし、タイムスリップしたら「今の時代、台湾人とか日本人とかでいじめるのめっちゃダサくない?」とRを諭してみようか。

靴の中に入れられた水を、ホースを持っていたあの2人の女の子に向かってぶん投げてみようか。

なんて、妄想してみたけどやはりしっくりこない。

社会人になっても虐める人は虐める


一瞬だけ当時に戻ってYやR単体と戦うことを想像したら、いける気がしなくもなかったが、当時の私は虐めっ子の後ろにいた仲間たちやクラス全体がかもし出す空気と、失いたくない友人がいたのだ。

全部ひっくるめたあの環境に立ち向かうのって、相当の勇気と根気が必要だ。

実際、社会人になってからも、会社で「これはもはや虐めじゃない?」という態度を上司に取られ続けたことがある。

「あの人さどさんにだけ態度ひどいよね?」と私に言ってくれる先輩はいたけど、その上司に「おかしくないですか?」と言ってくれる大人はいなかった。

私が社会人として能力や経験がなかったから?

だから、私が上司に虐められることは仕方なかったことなのだろうか?

小学生だろうと、大人だろうと、虐める人は虐めるし、権力の強い人間に人は従う。それをおかしいと立ち上がり、言える人はなかなかいない。

小・中学生の時も、社会人の時も、私は「逃げる」という手段を取った。(逃げるという表現が正しいかはわからないが)

自分と同じくらいのレベルの人たちがいる高校に行こうと入った国際経済科クラスは、同じようにハーフの子がいたし、海外に興味を持っている明るいクラスだった。(「あなたはあなたでしょ」と言ってくれる友人もいて泣いた)

仕事は、転職して会社も住む場所も変えてみたら、そんな態度を取る上司はもちろんいなくなったし、分からないところも聞きやすい環境になった。

理不尽な環境や、精神衛生を乱す場所に留まり続ける必要はない。そこだけがこの世界の全てではないのだ。(だけど、当事者はそこだけが世界だと感じてしまうのだけど…)

ただ、決して、あなたは悪くないということを知ってほしい。

そういうせこいことをしてくる人がいる環境は、もう圧倒的レベルが低い場所なので、あなたには合っていない。

自分自身を認めて、愛してくれる人は絶対にこの広い世界にはいる。それがなん年後になるかは分からないけど、諦めないでほしい。

諦めずに、新しい世界に夢を持ってほしいと私は思う。


※ちなみに、「イジメ」ではなく「虐め」と表記するのは当時の私からしたらそのくらいの重さがあったという意味を込めています。

もしタイムスリップできてすぐに消えることができれば、虐めてきたやつ一人ずつ全員ぶん殴りたいのが正直なところです。

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さどまち
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